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ボーナス屋、勇者になる  作者: 爪牙
戦争編Ⅲ-ファル村大決戦の章-
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第60話 ボーナス屋、敵勇者に罰を与える①

 勇者達へのお仕置きその1です。


 地上に下ろしたムリアス勢を拘束しようとすると、勇者達はまだ現実を受け入れられずに抵抗を続けた。



「・・・嘘だ。僕達は勇者なんだ。勇者は正義なんだから、異常者達に負ける訳がないんだ。」


「そうですわ・・・これは何かの間違いなんですわ。私達は選ばれた人間・・・・こんなのありえませんわ。」



「・・・ヒッグ!私は何も悪くないのに・・・何でこんな目に遭わないといけないの・・・!?」


「テメエ・・ら、一体どんな汚い手を使いやがったんだ・・・!?」



 この状況でもまだあんな事を言ってるよ。


 洗脳されている訳でもないが、そろいもそろってこれじゃあな・・・。



「・・・お前らさあ、自分が正義の勇者じゃないって自覚したらどうだ?お前らのした事って、自分勝手な正義を押し付けた挙句、言う事を聞かないからって暴れたただの人殺しなんだぜ?」


「五月蠅い!戦争してる奴らが悪なんだ!それを停めに来た僕達は正義で勇者なのは当たり前なんだ!」


「そうですわ!選ばれし勇者だから特別な力を持って召喚されたんですわ!」


特別な力(・・・・)ね~?」



 これは俺の推測だが、コイツらは日本では裕福に育ったせいで人一番自分を特別だと思っていた。


 そんなのが異世界に召喚されて強い力(チート)(?)をタダ同然に手に入れて悪化した、というところだろう。


 これを何とかするには、自身の根拠になっている“特別な力”を一時的にでもなくさせた方がいいのかもしれない。


 俺は《エフォートエクスチェンジャー》を起動する。


 勇者達のポイントを確認すると、揃いも揃ってマイナス値だった。


 女勇者1は-77で4人の中では一番マシ、一番低いのは男勇者1の-155だ。


 こいつらがここに来るまでどれだけの犠牲が出たのか想像もできない。


 ポイントが減少する基準はまだ不明だけど、少なくとも大量殺人はかなりの減少になるのは間違いないだろう。



【マイナスリセットモードを起動しました。】


【対象者を選んでください。】



 まずはこれを使おう。


 本当は戦闘中に使うつもりだった切り札のうち1つだけど、使うほどピンチにならなかったんだよな。


 この前追加された新機能のうちの1だけど、これはポイントがマイナス値の人にしか使えないものだ。


 俺は当然勇者達を指定して“決定”を押す。


 すると、勇者達の体が光りだした。



「グ・・・!な、何だ!?」


「力が・・・抜けていく・・・!?」



 さて、どうなった?



【名前】日比谷 諭

【年齢】17  【種族】人間

【職業】高校生(2年)  【クラス】傀儡勇者

【属性】メイン:火 サブ:雷 風 土 水 氷

【魔力】34,00/50,000

【状態】疲労(中) 打撲…

【能力】攻撃魔法(Lv2) 防御魔法(Lv3) 補助魔法(Lv3) 特殊魔法(Lv2) 剣術(Lv3) 槍術(Lv2) 体術(Lv3)

【加護・補正】物理耐性(Lv1) 魔法耐性(Lv1) 精神耐性(Lv1) 全属性耐性(Lv2) 全状態異常耐性(Lv1}  異世界言語翻訳 能力強制強化 モテ無効(ペナルティ) 貧乏(ペナルティ) 学力低下(ペナルティ) 不幸(ペナルティ)

【BP】0pt



【名前】滝嶋 豪樹

【年齢】17  【種族】人間

【職業】高校生(2年)  【クラス】傀儡勇者

【属性】メイン:雷 サブ:風 土 木 水

【魔力】41,000/86,000

【状態】疲労(中) 打撲…

【能力】攻撃魔法(Lv2) 補助魔法(Lv1) 風術(Lv2) 雷術(Lv3) 武術(Lv3)

【加護・補正】物理耐性(Lv1) 魔法耐性(Lv2) 精神耐性(Lv1) 風属性耐性(Lv2) 雷属性耐性(Lv2) 麻痺無効化 毒無効化 異世界言語翻訳 能力強制強化 暴力無効(ペナルティ) ダメージ倍増(ペナルティ) 不幸(ペナルティ)

【BP】0pt



【名前】藤田 ゆかり

【年齢】16  【種族】人間

【職業】高校生(2年) モデル  【クラス】傀儡勇者

【属性】メイン:水 空 サブ:風 土 木 光

【魔力】17,000/420,000

【状態】疲労(中) 擦り傷…

【能力】攻撃魔法(Lv2) 防御魔法(Lv3) 補助魔法(Lv2) 特殊魔法(Lv3) 水術(Lv2) 空術(Lv2) 槍術(Lv2) 体術(Lv2) 占術(Lv1)

【加護・補正】物理耐性(Lv2) 魔法耐性(Lv3) 精神耐性(Lv1) 水属性耐性(Lv2) 異世界言語翻訳 能力強制強化 不幸(ペナルティ)

【BP】0pt



【名前】綾小路 章子

【年齢】17  【種族】人間

【職業】高校生(2年)  【クラス】傀儡勇者

【属性】メイン:風 氷 サブ:水 土 雷 闇

【魔力】5,000/90,000

【状態】疲労(中) 打撲…

【能力】攻撃魔法(Lv2) 防御魔法(Lv2) 補助魔法(Lv2) 特殊魔法(Lv2) 剣術(Lv1) 体術(Lv2) 槍術(Lv2) 弓術(Lv2) 

【加護・補正】物理耐性(Lv2) 魔法耐性(Lv2) 精神耐性(Lv1) 全属性耐性(Lv2) 異世界言語翻訳 能力強制強化 肌荒れ体質(ペナルティ) 肥満体質(ペナルティ) 不幸(ペナルティ)

【BP】0pt



 目に見えて魔力が激減している。


 他にも【補正】にペナルティ系のマイナス補正が追加されている。


 中には能力が減ったりもしているけど、それも当然の結果だろう。


 疲労は魔力が減った事による反動ってとこか。



「クソッ!テメエら、また汚い手を使いやがったな!?」


「あれ?魔法がうまく使えませんわ!?」


「精霊よ・・・そんな、精霊が感じられない・・・!?」



 自分の身の異変に気付いたようだ。


 あ、そういえば精霊達はどうなったんだ?



「シロウ殿!さっきの精霊達が!」


「あ、いた!」



 ロビンくんが指さした方を見ると、そこには5体の精霊ズがボロボロになってこっちにやってきた。



『も~!ホント最悪~~~!!』


『屈辱よ!人間なんかにコケにされるなんて!!』


『ダリィ~~、もう帰りたい~~。』



 愚痴吐きまくってるな~。


 精霊と言うよりは女子高生みたいだ。


 ビッチくさいのもいるし。



「いた!精霊達、あの悪人を倒して!」


「そうだ!さっさとやれ!」


「勇者の私達を助けなさい!」


「僕に力を貸して!」



 勇者達、今度は精霊に命令を始めたよ。


 俺の周りにいるみんなも呆れだしているな。



『イヤよ!』


『バカじゃないの?』


『死ね!』


「「「え!?」」」



 だが、精霊ズは即拒否した!


 その目はどれも勇者達を見下している。



『何でなのか知らないけど、あんたとの仮契約(・・・)はたった今無効になったのよ。それに、今のあんた達は私からみれば雑魚よ!身の程を弁えなさい!』


『そうよね~!あなた達のせいで私までとんだ迷惑を被っちゃったじゃない。そのちっぽけな命を差し出すくらいの謝罪が欲しいわ~?』


『ホントダルイ~。エセ勇者のわがままに付き合うのマジ疲れた~~~。』


『だいたい私の好みじゃないし、力ずくで契約されなければ全員皆ゴロシにしてたわよ。あ~、可愛い男狩りにいきた~い!』


『フフフ、おめでたいあなた達に教えてあげるわ。あなた達は勇者でもないし正義でもない。黒幕に良い様に使われているだけの、ただのバカよ。私はあなた達を利用している黒幕の手引きで嫌々そこのあなたと契約させられただけよ。』


「う・・・・・嘘よ!」



 精霊ズは掌を返した(?)ように勇者達やムリアスの連中に愚痴をぶつけたりしてきた。


 水の精霊なんかいろいろ暴露し始めた。


 どうやら女勇者1は実力で精霊ズと契約したわけではないようだ。



「な、何を言っているんだ!僕達は正義の勇者じゃないか・・・!」


「そうですわ!あなた達を呼んだのは私と同じ勇者のゆかりです!主人の命令に従いなさい!」


「そうだ!さっさとそこのクズどもを倒せ!」


「・・・精霊よ、我が命に従いなさい!」


『バッカみたい!』



 事実を受け入れられない勇者達を、精霊ズは鼻で笑った。



『勇者勇者、正義正義って、ホントにあなた達は揃いも揃ってバカよね~~?』


『勇者なんて、下等な人間どもが自分達に都合のいい人間を祭り上げただけの道具よ。』


『フフフ、何をもって自分を正義の勇者だと思い込んでるのかしら~?』


『ダリ~。だいたい、あんた達を最初に勇者って言ったのは誰だか覚えてるの~?』


『バカな虫けらね。』



 本当に虫を見るような目で勇者を見ているな。


 けど、今の会話で勇者達の事情がまた少しわかってきた。


 召喚されたばかりのこいつらを「勇者」と呼んだ奴、そいつが黒幕だな。


 すると、そこに知らない奴の声が俺の耳に届いた。




「――――――――――これは、どういうことだ!?」




 全員の視線が声の主に向いた。


 そこには、白馬にまたがったイケメンが2人いた。



「アレクシス殿下!」


「殿下と枢機卿殿だ!」



 殿下ってことはムリアスのリーダーか。


 一緒にいる僧侶みたいなのが枢機卿?何だそれ?



「まさか、あの方は・・・・!」


「ロビンくん、知ってるのか?」


「我が弟よ、知っているのか?」



 俺とバカ皇子はロビンくんに質問した。


 って、バカ皇子は何時の間に俺の隣にいたんだ!?



「皇子~~!何で知らないんですか!?あの法衣を着ている御方はジーア教の中枢である、聖国の教皇庁のアイアス枢機卿ですよ!去年の祭事で会っているじゃないですか!!」


「ハッハッハ!憶えてない!!」


「「「威張るな!!」」」



 俺やロビンくんだけじゃなく、敵も味方もツッコんだ。



「・・・しかし、教皇庁のトップの1人であるアイアス卿が今回の件に加担していたとは・・・・!」



 どうやらとんでもない大物らしいな。


 こういうのって、そいつが一番怪しかったりするんだよな。


 奴もダニールの仲間かもしれないな。



「勇者殿!何故、勇者殿と我が騎士団が敗北しているのだ!?」


「何ということでしょう!ゆ、勇者様が・・・・・・!!」


「助けてくださいアイアスさん!」


「な、何とかしてくれよ!!」



 勇者達は2人に助けを求め始めた。


 まだ諦めてないのかよ。



「―――――アイアス、お前の魔法で勇者殿を救うのだ!」


「・・・わかりました。」



 戦う気か?


 なら、ここはロビンくん達に任せて俺が・・・・・・




       パンッ!




「――――――――――――え?」


「な・・・・何を・・・・・!?」


「――――――――どうやら、お前もあの自称勇者のガキ共も捨て時のようだ。」



 俺達の目の前で、ムリアス勢のリーダーが自動拳銃で撃たれた(・・・・・・・・・)


 本人と俺以外の全員が何が起きたのか分からず硬直した。



「―――――――拳銃!やっぱりあいつが黒幕か!」



 俺はすぐにアイアスと呼ばれた男を調べた。



【名前】『捨駒使い』アイアス=クロリス

【年齢】62  【種族】人間

【職業】ジーア教枢機卿 工作員  【クラス】異界の潜入工作員

【属性】メイン:土 闇 サブ:水 風 火 雷

【魔力】5,500,000/5,500,000

【状態】正常

【能力】――閲覧不可――

【加護・補正】――閲覧不可――



 間違いなく異世界人だ。


 しかも魔力がダニールより上、かなり厄介だ!



「ア・・・アイアスさん・・・・?」


「え?何でアイアスさんが銃を・・・?」



 勇者達は顔が真っ青になっている。


 やはり奴が異世界人だってことは知らなかったようだ。


 アイアスは見下すような目を勇者達に向けると、銃口を勇者達に向けた。


 マズイ!



「《ロックウォール》!!」


「無駄だ!」




      パンッ!




 俺は目の前に岩の壁を出現させて防御しようとしたが、アイアスの撃った銃弾は壁を貫通して男勇者1の肩に命中した。







 勇者達へのお仕置きはまだ終わっていません。

 この戦いが終了次第再開します。


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