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ボーナス屋、勇者になる  作者: 爪牙
戦争編Ⅲ-ファル村大決戦の章-
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第58話 ボーナス屋、敵勇者と戦う

 お気に入り登録数が700件を超えました。

 拙い作品ですが、今後ともよろしくお願いします。

 チート勇者達は白馬に跨って現れた!


 え、何で誰が勇者か分かったかって?


 そんなの、外見が日本人だからに決まってるぜ!



「―――――――ファリアス帝国とフィンジアス王国の皆さん、今すぐ戦闘を停止してください!」



 先頭に立っている馬に乗っていた勇者が大きな声で叫んだ。


 うわあ、なんか気が合わなさそうなイケメンだな?



「僕達はムリアス公国と聖国からの命によりこの無意味な戦争を停める為にやってきました。皆さん、どうか武器を捨てて僕達の話を聞いてください!」



 何だか無駄に眩しいオーラを纏っている気がするのは気のせいか?


 周りのみんなはポカンとしてるな。



「おい、何だあれ?」


「誰だよ、あのガキ?」


「頭おかしいんじゃないのか?」


「あ、ちょっと好みだ♡」


 あ~、みんなも勇者を頭のおかしい人にしか見えてないみたいだな。


 って、最後の声は男だよな!?



「オ~ホッホッホ!面白い事を言うボウヤね?」



 あ、バカ皇女が高笑いしながら勇者を指差した。


 何だか嫌な予感がするな。


 余計な事を言って状況を悪化させそうだ。


 無理矢理黙らせるか?



「ムリアスに聖国だと!?何故お前達がここにいる!!」



 第二王子も何か叫びだしたな。


 というか、王国はムリアスがやっている事をまだ知らないのか?


 あ、誰かが揉み消したのか!



「僕達は戦争で混乱するこの世界の運命を救うために来ました!両国の皆さん、世界を憂う気持ちが残っているのなら武器を捨ててください!僕達が皆さんを正しい道へと導いてあげます!」



 世界の運命を救って、言ってて恥ずかしくないのか?


 何だか痛いとしか感じられない。


 それに、凄く上から目線で見下されている気がする。



「ふざけるな!」


「邪魔だ帰れ!」


「そうだそうだ!」


「関係ない奴は帰れ!」


「何が導いてやるだ!説教なら教会でやってろ!」



 皆さん怒ってるな。


 俺達はあいつらが何をしたのか知っているからイラッとしても下手にヤジは飛ばさない。


 ステラちゃん達も警戒している。



「黙れよクズどもが!」



 すると、別の勇者があからさまに人を見下した目で怒鳴ってきた。



「諭もその辺にしとけよ。何言ったって、こいつらは俺達の気持ちを踏みいじるぜ。他の戦場もそうだったろ?」


「そうだね。悲しいけどそうみたいだ。」



 諭と呼ばれた男勇者1は涙を拭く仕草をした。


 おいおい、勝手にこっちが悪者みたいにされてるぞ?


 あ、女の子の勇者も前に出てきた。



「本当に野蛮な連中ですわ!私達の慈悲を冒涜するなんて正気の沙汰とは思えませんわ!」


「・・・この人達、嫌い!」



 なんだか性格に問題ありな勇者しかいないみたいだな?


 あ~あ、帝国勢も王国勢もカチンときてるよ。



「慈悲だと!?その傲慢な舌叩き斬ってやる!こっちへ来い!」



 第二王子、下半身が泥沼にはまって動けないからって敵を呼ぶなよ。


 ほら、男勇者2に鼻で笑われたぞ。


「兄上!奴らは北の戦場で両国の兵を全滅させた者達です!すぐに兵を退かせてください!」


「は?何を言っている。北は我ら王国軍が優勢と聞いている。ムリアスの者どもに負けるはずがないだろ!」


「本当なんです兄上!!」



 ステラちゃんは必死に第二王子を説得するが相手をしてもらえない。


 あれ?第一王子はどこに行っ・・・あ、増援の部隊に埋もれてる。


 影が薄くなってないか?



「オーホッホ!どうやら生意気なボウヤにはお仕置きが必要みたいね?魔法部隊、邪魔者達を葬りなさい!」


「「「ハッ!!」」」



 と、よそ見をしている間にバカ皇女は攻撃の合図を送り、勇者を含めたムリアス勢にたくさんの魔法が嵐のように襲いかかった。



「ハッ!きくかよ!《爆雷》!!」



 男勇者2が拳を突き出すと雷鳴を伴った爆発が起き、王国勢の魔法は空中でかき消されたり弾かれたりした。


 スゲエ魔法だ。


 見た感じ、俺が使っている魔法とは違う感じがするな?



「そんな!」


「あれだけの魔法が一撃で!?」


「な、何者なんだ!?」



 戦場に動揺が走った。


 そりゃそうだろう。


 大勢の騎士やら兵士やらが放った魔法をたった一撃で防いだんだからな。


 多分、あれでも本気じゃないはずだ。



「やはり手強い相手のようですね。」


「ああ、やっぱりチートみたいだな?」



 さっきの魔法だけでも勇者の魔力が高いことは一目で分かる。


 こっちも本気で戦わないと危険だな。



「本当に野蛮ですわ!まだ何もしていない私達を殺そうとするなんて許せませんわ!」


「そうだね。僕達と一緒に戦ってくれている騎士の皆さんを殺そうとするなんて許せないよ!」



 おいおい、先に魔法で攻撃したのはそっちだろ?


 あの勇者達、さっきから見てれば自分達が絶対の正義だって思いこんでるな。


 多分、日本じゃ結構裕福に育ったから自分を特別だとか思いこんでいたのが、異世界に召喚されて勇者だとか言われて増長したんだろうな。


 まあ、勘だけど。


 それはそうと、勇者達が攻めてくる気だ!



「ロビンくん!」


「ハイ!防御隊、前に出ろ!」



 ロビンくんが味方に指示を出した。


 勇者達が強い魔法を出すのは分かっているからな。


 あらかじめ防御に特化した班を用意してあるぜ!


 俺はって?


 俺は攻撃隊だ!



「フフフフ、フィンジアスの勇士達よ!敵が混乱している今こそ好機!ファリアスの皇族の首を討ち取るのだ!」



 おいおい、チャールズとかいう将軍何言ってるんだよ。


 いや、確かに王国側にとてはチャンスかもしれないけど状況を考えたらそれどころじゃないだろ?


 何か企んでるんじゃないだろうな?



「「おおおおおおおお!!」」



 あれ?


 さっきまで勇者の力に動揺していた連中が妙にまとまって攻め始めたな。


 妙に切り替えが早い気がする。


 調べてみるか。



【名前】アイザック

【年齢】18  【種族】人間

【職業】兵士  【クラス】一般兵

【属性】メイン:水 サブ:風 土

【魔力】780/780

【状態】精神操作(小)



 あ~、何だか洗脳とかされてるな。


 命令ひとつでスイッチが入ったりするってとこか?



「オーホッホッホ!迎え討ちなさい私の兵士達!」


「「「お・・おおおおおおおおおお!!」」」



 帝国兵の方は洗脳されていないみたいだな。


 じゃない!


 早く停めないと皆殺しにされる!!



「はっ!何所までも下衆な連中だな!俺が綺麗に始末してやる!!」



 ほら、男勇者2が飛び込んできた!



「ロビンくん、ここは任せた!」


「ハイ!くれぐれも無茶はしないでください!」


「おうよ!」



 俺は先に防御隊が向かったムリアス勢がいる北側へと走った。


 泥沼にはまっている人達には悪いけど、今はこっちが優先だ。



「うおおおおおおおお!倒れろ帝国!!」


「おおおおおおおおお!くたばれ王国!!」



「ハハッ!まとめて消えな!《百撃爆雷》!」



 帝国兵の王国兵が衝突しようとした直後、男勇者2はさっき出した魔法を一度にたくさん出してきた。




   ドドドドドドドド・・・・・・!!




 俺の目の前でたくさんの爆音が響いた。


 “百連”って聞こえたから百発分か!?


 防御隊のみんなは大丈夫か!?



「・・・被害、報告!」


「俺達は無事だ!」


「わ、私達もです!


「へへ、こんなのファイヤードレイクの群と戦った時と比べれば問題ないぜ!」



 どうやら味方は全員無事みたいだ。


 特に防御隊のリーダー、通称“盾”ことマテューは見事に無事だ。


 流石防御特化の代名詞だぜ!!


 どうやら守りだけはチート勇者にも対抗できるみたいだな。


 だが、周りを見ると帝国兵や王国兵がたくさん倒れている。


 全員を守るのはやっぱ難しかったか。



「な・・・・俺の魔法で無傷だと!?」



 男勇者2の唖然とした声が聞こえてきた。


 あれ・・・?


 もしかして、さっきのが全力だったのか?



「ハハ!少しはできるみたいだな?だがこれで終わりだ!」



 そう言って男勇者2は両手を合わせて構えた。


 おい!その構えは・・・・!!



「――――――――《雷霆波》!!」



 思いっきり“~~波”雷版じゃないか!!



「まだまだ行くぜ!《烈風波》!!《海鳴波》!!《土流波》!!《深緑波》!!」



 思いっきり某漫画や某ゲームの必殺技のパクリじゃないか!!


 けど破壊力は高そうだ!!



  ドド――――ン!!ドド―――ン!!ドド―――ン!!・・・・



 うわ!


 爆発で目の前が見えない!!


 あ、けどこっちは何ともないぞ?



「・・・・・・・ふう!」


「バ、バカな・・・・・・・!!??」



 簡潔に言えば、男勇者2の攻撃は全部防がれていた。


 マテュー1人によって。



「凄いぞ盾!」


「流石だぜ盾!」


「良いぞ盾!」


「だからマテューだって言ってるだろ!!」



 防御隊全員(-1)から歓声が上がった。


 マジで凄いぞマテュー!!



「く、くそ!お前ら、どんな卑怯な手を使いやがった!?」


「は?何言ってるんだアイツ?」



 男勇者2は現実を受け入れられないみたいだ。


 おいおい、何でこっちが卑怯な手を使ってるってことになってるんだ?


 普通に実力だろ。



「そんな!豪樹の魔法が効いていない・・・・!?」


「きっと汚い手を使って防いだんですわ!呪いの武器とか、誰かの命を犠牲にした魔法とか!?」


「・・・怖い!」



 見物中の他の勇者達も勝手な事を言いまくってる。


 呪いの武器って・・・マテューの楯はむしろ正反対の神聖なヤツだぞ?


 って、男勇者2って豪樹って名前なのか。



「豪樹が危ない!助けに行くよ!!」


「ええ!あんな汚い輩に仲間を傷つかせたりなんかさせませんわ!」


「わ、私も頑張る!!」


「勇者様!我々も微力ながら助太刀致します!」


「騎士団の皆さん、ありがとうございます!みんなで愚かな人達に裁きを下しましょう!!」


「「「おお~~~~~~!!」」」



 なんかどんどん悪党呼ばわりされていってるな。


 どうやら他の勇者だけじゃなく、騎士団の連中も参戦するようだ。


 他の勇者の力はまだ不明な分、不安要素が多いけどやるしかない!



「――――――――シロウ!」


「シロウ殿!」


「あ、ステラちゃんにロビンくん!」


「ハハハハ!俺達もいるぞ!」


「「「・・・・・・・・・・・・・。」」」



 俺の元にチームステラちゃんやロビンくん達がやってきた。


 ついでにバカ皇子も・・・。



「どうやら全力で攻めて来るみたいだ!」


「ハイ、こっちも全力を出しましょう!」


「気を付けろよ?どうにか防いで入るけど、攻撃力はドラゴン並だ!」


「うむ。今までの修業の成果、今こそ使う時だ!」


「ハハハハ!見せて―――――――」


「「五月蠅い!!」」


「・・・・・・(シュン)。」



 バカ皇子は放っておいて、ここからは総力戦だ!


 俺も思いっきり暴れるぜ!!






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