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ボーナス屋、勇者になる  作者: 爪牙
戦争編Ⅰ-領主からの報せの章-
50/465

第47話 ボーナス屋、騎士団を改造する。

 領主(オッサン)達が温泉に入っている間、普段はヒューゴ達やステラちゃんが使っている訓練空間で待機していた騎士団の元に俺は来ていた。


 オッサンを出迎えた時には気付かなかったけど、元奴隷の調査の時に会ったダニーくん達騎士トリオの姿もあった。



「お、お久しぶりです!!シロウ殿!!」


「よ!久しぶり~~~!」



 相変わらずのダニーくんに挨拶し、近くにいたシンディ(ドリル)やリアちゃんにも適当に挨拶して他の騎士達と何か話している団長の所へ行く。


 あれ?何か揉めてないか?



「―――――――団長!自分は納得がいきません!」


「俺もです!領主様の命令とはいえ、何故ヴァールではなくこんな小さ・・・・田舎の村を防衛する必要があるのですか!?村人をヴァールに避難させればいいだけの話ではないですか!!」


「それは説明しただろ。この村を放棄した場合、現在この村でしか栽培されていない貴重な作物やそれに関する情報が他国の手に渡り、伯爵領だけでなく帝国そのものの不利益になってしまうと。」


「そ、それに!団長達の言っている男の“能力”というのも、とてもじゃないですが信じられません!バカにしてるんですか!?」



 あ~~、そういう事か。


 オッサンは団長が説明しているとか言ってたけど、その部下達が納得できていないようだな。


 プライドがある分、ヴァールのような大きな町じゃなく田舎の村の防衛に配属されたのが納得できないみたいだ。


 それに俺の《エフォートエクスチェンジャー》についても信用できないみたいだ。


 ま、それが普通の反応なんだろうけど。



「す、すみません!みんなにもちゃんと説明したんですが・・・・・!」


「あ~、別にダニーくんが気にしなくてもいいって!後は俺が何とかするからさ!」



 言っても分からないだろうから、その身をもって知ってもらうぜ♪


 さて、団長に反論している奴のステータスを確認してみるか。


 あ!ボーナスポイントも一緒に確認するか!


 能力起動!



【名前】ランク=フォルカー

【年齢】22  【種族】人間

【職業】騎士  【クラス】万年平騎士

【属性】メイン:風 サブ:火 土 雷

【魔力】2,400/2,400

【状態】正常

【能力】剣術(Lv1) 槍術(Lv1) 体術(Lv1) 盾術(Lv1)

【加護・補正】物理耐性(Lv1) 精神耐性(Lv1) 風属性耐性(Lv1)

【BP】97



 どうやら、それなりに苦労している人っぽいな。


 魔法は全く使えず、武器や体術も全部普通、ハッキリ言えば平凡だ。


 きっと、才能がないなりに努力してきた分、プライドも高いんだろうな。


 よし!いろいろボーナスをプレゼントしよう!


 でも、何がいいかな~~~?



「――――ダニーくん、ちょっと訊きたいけど、あそこにいるランクって奴が得意というか、愛用している武器とかってあるか?」


「え!?そ、それなら、普段は剣を使っています!」


「そっか!」



 なら、魔法の他に《剣術》のレベルも上げておくか!


 考えてみれば今は前と違って後でリセットとかできるし、最初は俺の独断で決めてもいいよな?


 え~と、レベル1から2に上げるには10ポイントか!


 なら、いっそレベル3まで上げるか。



〈魔法適正〉 10pt

〈魔法知識(風)〉 10pt

〈適正レベルアップ(剣術)〉 10+20pt

〈適正レベルアップ(体術)〉 10pt

〈ステータス〉 5pt

〈鑑定〉 5pt

〈職業補正〉 10pt

〈職業レベル補正〉 15pt   合計95pt  残り2pt



 最初はこんな所か、決定!!


 お!光った!



「な、何だ!?俺の体が・・・光ってる!?」


「・・・・どうやら、これ以上俺が説明する必要はなさそうだな?」



 慌てるランクに対し、団長は一瞬で事態を理解したようだな。


 選んだボーナスの中には〈魔法知識(風)〉も入れておいたし、すぐに魔法が使えるようになるはずだ。



「・・・何だ、頭に知らない言葉、知識が入ってくる・・・!?《ウインド》?」


「おお!!」



 ランクの周りに突風が吹き荒れた。


 騎士の何人かは5mほど吹っ飛んだ。


 あれ?初級魔法にしては威力がちょっと強くないか?


 ステータスを確認してみるか・・・。



【名前】ランク=フォルカー

【年齢】22  【種族】人間

【職業】騎士(Lv1) 魔法使い(Lv1)  【クラス】万年平騎士

【属性】メイン:風 サブ:火 土 雷

【魔力】2,400/2,400

【状態】正常

【能力】攻撃魔法(Lv3) 防御魔法(Lv2) 補助魔法(Lv2) 特殊魔法(Lv2) 剣術(Lv3) 槍術(Lv1) 体術(Lv2) 盾術(Lv1) 鑑定

【加護・補正】物理耐性(Lv1) 精神耐性(Lv1) 風属性耐性(Lv1) 職業補正 職業レベル補正

【BP】2



 お~~!


 平凡から一気に天才にランクアップしたな、ランクだけに(笑)


 職業が増えたのは、魔法を使ったからってとこか?



「・・・嘘!俺、魔法の才能は皆無だったはず・・・!?」


「ハッハッハ!論より証拠、これが説明したシロウ殿の力だ!」



 団長、大笑いしながら自慢してるな~。


 さてと、次は・・・・・・アイツにするか!


 ランクと一緒に団長に反発してた金髪スポーツ刈りだ!



【名前】マテュー

【年齢】19  【種族】人間

【職業】騎士  【クラス】貧乏騎士 一家の大黒柱

【属性】メイン:土 サブ:水 火 風

【魔力】1,100/1,100

【状態】睡眠不足(微)

【能力】攻撃魔法(Lv1) 防御魔法(Lv2) 補助魔法(Lv1) 特殊魔法(Lv1) 剣術(Lv1) 槍術(Lv2) 盾術(Lv3) 投擲(Lv1) 調合術(Lv1)

【加護・補正】物理耐性(Lv3) 魔法耐性(Lv1) 精神耐性(Lv1) 土属性耐性(Lv2)

【BP】83



 貧乏って・・・・・・。


 名字がないから平民出身みたいだけど、何だか大家族を養うために騎士になったんじゃないかと思えるな。


 能力的には防御寄りみたいだ。


 さて、何がいいかな?


 後でリセットできるとしても、できるだけ本人の望むボーナスにした方がいいよな。


 こんな時はダニーくんに質問だ!



「ダニーくん、あっちのマテューはどうなんだ?」


「え~と、確か前衛で敵の攻撃を楯で防ぐのが得意だったはずです。魔法も少し使えるみたいですけど、彼は詠唱とかが性に合わないみたいであまり使いません。」


「魔法の腕は上げる気はないって事か?」


「ハ、ハイ!ただ、回復魔法は使えたらいいなと前に言ってた気がします。それと、小さい頃は病弱だったみたいで、体力が他の人より足りないのが悩みのようです。」



 回復魔法に体力か・・・。


 ステータス上昇系は魔力にしか使った事がないから、選ぶのは少し迷うな。


 回復魔法も、《特殊魔法》に含まれるから今の適正レベルだと覚えても使いづらいかもな。


 それに、魔力も回復魔法を使うには足りないだろう。


 色々考えた結果、次のを選んだ。



〈回復魔法〉 20pt

〈適正レベルアップ〉 10pt

〈魔力上昇〉 3pt

〈体力上昇〉 5pt

〈幸運〉 15pt

〈ステータス〉 5pt

〈職業補正〉 10pt

〈職業レベル補正〉 15pt  合計83pt 残り0pt



 ポイントを全部使いきった。


 《鑑定》は絶対必要というわけでもないから今回は保留にした。


 《幸運》は、何となく選んでみた。


 じゃあ、決定っと!



「なっ!俺も・・・!?」



 うん、いい感じに光ってるな♪


 魔力が増えているのが俺にも分かる。


 確認してみると、1100から17400に上がっていた。


 わお!



「ハッハッハ!マテュー、お前もか?」


「団長・・・何だか全身から力が漲ってきます!?」


「お前達も分かっただろ?これがあそこにいる、シロウ殿の力だ!他の者達も、運が良ければ凄い力が手に入るぞ!」


「「「・・・・・・!」」」



 団長が俺の方に視線を向けながら言うと、騎士団の連中はゴクリと息を飲んだ。


 あ、マテューが貧血みたいにフラついてる!


 ロルフみたいに、いきなり魔力が増えてショックを受けてるみたいだな。


 まあ、すぐに復活するから大丈夫だろう。


 うわっ!さっきまで疑ってた騎士団の連中が目を光らせて俺を睨んでる!


 これは忙しくなりそうだ!




----------------------


 騎士達のボーナス交換は予想外に早く終わった。


 みんな欲しいボーナスを決めていたお陰でスムーズに進んからだ。


 特に平民出身の騎士達の多くは魔法が使えない者が多いせいか、ほとんどが〈魔法適正〉か〈適正レベルアップ(剣術など)〉のどちらかだった。


 逆に貴族出身の騎士達は、〈精霊術〉や〈召喚魔法〉といったレアな能力を選ぶ人が多かったな。


 まあ、中には変わったボーナスを選ぶ人もいたけどな。


 で、今は何をやっているかというと・・・・・・




―――――――――――ブポ♪




 この音を聞けば分かるよな?


 ガチャだ!


 1人1回、初回だけ無料で挑戦できるフリーガチャをみんなでやってる最中だ。


 で、今はダニーくんの番だ。



【〈天の聖銀剣〉が出ました。】




【天の聖銀剣】

【分類】片手剣

【品質】高品質

【詳細】ミスリルで作られた魔法剣。

 持つだけで“光”“風”“雷”“空”の4属性を強化する。

 魔法を分解し斬ることができる。

 《浄化》と同じ効果があり、悪魔や幽霊にも攻撃が通じる。



 ダニーくん、大当りだ!


 まさか無料の1回でレアな武器を引き当てるとは・・・。


 他の騎士団の面々も呆れたような顔をしているな。



「またか・・・。」


「またダニーかよ?」


「ダニーだからな。」


「・・・理不尽だ。」


「あれで自覚が微塵もなしか。」



 口々に何かを漏らしてるな。


 当のダニーくんは剣を握りながら震えていて聞こえていないようだ。


 そしてガチャは続く。



【〈普通の薬草〉が出ました。】


【〈上質な雑巾〉がでました。】


【〈耳かき〉が出ました。】


【〈紙×20〉が出ました。】


【〈銅の剣〉が出ました。】


【〈ピンクのブラ〉が出ました。】


【〈何かの空き瓶〉が出ました。】



 そうそう当たりは出ないようだ。


 ま、それがガチャだからな。


 けど、ブラって・・・。



【〈白の魔石×5〉が出ました。】


【〈金剛の斧戟(アダマンハルバード)〉が出ました。】


【〈魔獣使いの秘技(テイマースキル)〉が出ました。】


【〈緋緋色金の塊〉が出ました。】


【〈全状態異常無効化〉が出ました。】


【〈蒼き鱗の王刀(ブルースケイルセイバー)〉が出ました。】


【〈千里眼〉が出ました。】



 中には大当たりを引き当てる奴も何人かいた。


 どっちにしろ、タダで手に入ったのだから損はしないはずだが、それでも当たりだと嬉しさが大きく違うな。



「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」


「クソッ!何だよ、“耳かき”って・・・・!?」


「よっし!武器屋で剣にしてもらうぞ!!」


「頭に凄い知識が入ってくる・・・!!」


「雑巾、雑巾はないだろ!?」


「見える!ここからヴァールの町が見える!!」


「・・・・・空き瓶・・・・・。」



 最後の奴、凄く可哀想だ。


 幾らなんでも空き瓶はないよな。


 ぶっちゃけゴミだ。


 え~と、あと残っているのは団長と騎士トリオの女子組、それと団長に反発していたあの2人か。



「ハッハッハ、見ているだけで楽しいものだ♪」


「団長、後が閊えてるからちゃっちゃとやれ!」


「む、そうだな。」



 そしてラスト6人が次々とガチャっていった。



【〈伝説の調理器具セット〉が出ました。】 → 団長


【〈不思議なタオル〉が出ました。】 → ドリル


【〈精霊術(Lv4)〉が出ました。】 → リア


【〈成長補正〉が出ました。】 → ランク


【〈聖騎士の大楯(パラディンシールド)〉が出ました。】 → マテュー



 ドリル以外は当たり・・・だよな?


 何だ、団長の〈伝説の調理器具セット〉って?


 あ、出てきた!鑑定~~と!



【伝説の調理器具セット】

【分類】調理器具

【品質】高品質

【詳細】かつて大陸に名を轟かせた『鍛冶王』の造った調理器具のセット。

 伝説の素材でできたそれらは決して錆びず、決して破損せず、決して臭わない。

 世界中の料理人が憧れる伝説の一式!

 呪われた食材も、これで調理すれば浄化されて美味しい料理に変身!

 これで作った料理はあらゆる人を元気にする。

 セット内容:包丁、鍋、フライパン、ボウル、まな板 etc



 無駄にスペック高いな?


 包丁なんかオリハルコン製だし、ミスリル製の鍋とかもある。


 というか多!!


 運ぶのだけでも一苦労だな。



「・・・どうするんだ、コレ!?」


「さあ?」



 俺に訊かれても答えられるか。


 シングルファザーだし、子供のご飯を作るのに使えば?


 ん?ドリルの奴、タオルを握ったまま落ち込んでるな。


 まあ、“不思議”が付いていても結局はタオルだからな。



「タオル・・・タオル・・・何でタオルなの?」


「「・・・・・・・・・・・。」」



 空き瓶よりはマシだと思うんだけどな。


 ダニーくんとリアちゃんも声をかけるべきか迷ってるな。



「な、なあ、一応・・・鑑定してみればどうだ?もしかしたら、凄い効果とかあるかもしれないぜ?」


「・・・そ、そうですよね!」



 少し元気になったようだ。


 さて、どんなタオルなんだ?



【不思議なタオル】

【分類】日用品

【品質】普通

【詳細】どんなに乱暴に扱っても破れない、錬金術師の作ったタオル。

 どんな汗も汚れもドンドン吸収し、伸縮自在でドラゴンを包装することもできる。

 濡れたままでもカビが生えない優れもの。



「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」



 微妙~~~~~~~。


 タオル以外に使い道あるのか?


 何とも言えない空気が俺達の周り生まれた。


 元気出せ、ドリル。





 ガチャってどのゲームでも本当に運任せですよね。

 キリがないから作者は課金まではした事がありません。


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