第38話 ボーナス屋、パーティを開く
本当はいつも通りに午前中に更新する予定だったのが、いろいろ苦戦してしまって遅くなりました。
とりあえず、奴隷救出作戦編はこれで終わりです。
夜になった。
今日は色々あったけど無事に過ごせたぜ!
あれ?何か急に話が跳んでないかって?
・・・バレたか!
とりあえず、大倉庫でお金を受け取ってからの事を簡単に話すぜ。
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1、ファル村に帰還
大金にショックを受けて意識が飛んじゃった皆さんをどうにか現実に戻した俺は、フライハイトさんからお土産を貰ってファル村へと帰還した。
もちろん《転移魔法》で帰ったんだけど、今回は家族に魔法を見せたいと言ってきたケビンの魔法での転移だ。
「魔法だ!魔法だ!」
「ケビンお兄ちゃんスゴ~イ!!」
「えへへへ♪」
ケビンは妹ちゃん達に尊敬の眼差しで見られてご満悦だ。
ちなみに、母親の方は信じられないとまた意識が飛んでいた。
《転移魔法》って、そんなにビックリするものなのか?
「まずは村長に挨拶ですね。」
その後、俺達は色々報告するのも兼ねて村長の家に向かった。
途中、建物の陰ですすり泣くバカ皇子らしき姿を見たが気のせいだろう・・・・多分。
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2、温泉で入浴
村長はみんなを快く迎えてくれた。
挨拶を済ませた後はそのまま家の方に移動しようかと思ったけど、村長の奥さんに温泉で汚れを落としてきなさいと言われたので温泉へ向かった。
そういえば、女性陣はずっと奴隷商の店の中で何日も過ごしていたから結構汚れていたんだっけ?
一応、騎士団に保護された後は井戸の水で軽く洗ったみたいだけど、やっぱり肩までお湯に浸かって汚れと一緒に疲れも落とした方がいいよな。
ついでに俺達も入った。
なんか、ちょっと(解体されたドラゴンの臭いとかで)俺達も少し臭ってた。
「うわ~~、温か~~い!」
「コラ!泳がないの!」
女湯の方は凄く賑やかそうだった。
逆に男湯の方はというと・・・・
「グスッ!ロビンよ、俺を置いて出かけるなんて酷いじゃないか・・・・グスッ!」
「うう・・・・・パパ・・・・。」
「お母様のスープが懐かしい・・・・・・。」
タイミングが悪く、バカ皇子一行と一緒に入浴になっていた。
正直言って、何だか暗い。
あった当初はあんなに強気だった連中が、今では泣きながら温泉に入っている。
一体、俺達の知らない所で何があったんだ?
う~ん、誰か慰めた方がいいんじゃないのか?
「・・・慰めないのか?」
「「「・・・・・・・・・・。」」」
弟(ロビンくん含む)に慰めてもらえなかったバカ皇子が少し不憫だった。
まあ、まだ正体隠しているから仕方ないんだろうけどさ。
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3、みんなで夕飯
温泉の後は家の方に案内した。
ヴァールで買ってきた日用品などを整理して、その後はメシだ!
今夜のメインディッシュはお土産にもらったジオ・ファイヤードレイクの肉だ!
フライハイトさん、ありがとう!
ちなみに、ジャンが興味本位で《鑑定》してみたらこんな情報が出た。
【ジオ・ファイヤードレイクの肉】
【分類】肉類
【品質】普通
【詳細】ファイヤードレイクの亜種であるジオ・ファイヤードレイクから採取した肉。
上質な脂肪分だけでなく、豊富な栄養素も含んでいるのでただ焼いて食べるだけでも美味しい。
また、竜種特有の生命力を活性化させる効果もあり、人によっては食べると凄く元気になる場合もある。
ただし、食べすぎると余計な部分も元気になってしまうので注意が必要。
“余計な部分”が元気って・・・・・・。
食べ過ぎには注意しろってことだな。
「――――――と言う訳で、焼き肉だぜ!!」
「「「わあ~~~~~~!!」」」
祝!奴隷救出成功&ファル村へようこそ、ということで焼き肉パーティだぜ!
今回は関係者だけ・・・の筈だったんだけど、始まる直前になって村長一家が料理を持ってやってきた。
その後すぐ、今度は久々に登場の爺さんA夫婦がお酒を持ってやってきた。
うわっ!奥さんスゲェムキムキ・・・・・!
「来たぜ、勇者の兄ちゃん!」
「あのう、私達も来て良かったのでしょうか?」
「良いの、良いの♪」
あ、アンナちゃん達は俺が誘っておいた。
新しい家族の紹介もしないとな!
あと、ステラちゃんも誘ったんだけど、丁重に断られた。
代わりに、何故かバカ皇子がやってきた。
「うう・・・何だ、ここは・・・?」
バカ皇子、まだ泣いていたのか。
村長も、どうやってここまで追い詰めたんだ?
なんか、このままだと嫌な展開に進んでいきそうだ。
「あ!バ・・・皇子の兄ちゃんだ!」
「本当だ!」
おい、マイカ!
今、絶対“バカ”って言おうとしただろ!
まあ、俺は普通に言ってるから何も言わないけどな。
さて、パーティ開始だ!
「「「乾杯!」」」
お酒とジュースで乾杯し、肉をドンドン焼いていった。
マグマの中を泳ぐドラゴンの肉にも係わらず、何故か普通の火でも焼けた。
「美味しい!!」
「何これ!?凄く美味しいんだけど!?」
「口の中でとろける~~~♪」
「これは旨い!酒が進みますぞい!」
「ハハハ!良い肉に良い酒、最高ですな!」
「勇者様、私、こんなに美味しいお肉は初めてです!」
大好評だ!
俺も食べてみると、確かに凄く旨いとしか言えない味だった。
さすが高級食材、あんな高値になるのも納得のいく味だ!
お土産に分けてくれたフライハイトさんに大感謝だ!
「皇子の兄ちゃん、早く食べないと冷めちゃうよ?」
「冷めたらもったいないよ?」
とにかく食べ続けていると、ニールとエレンが隅っこで座り込んでいるバカ皇子に声をかけているのを見た。
よく見ると、バカ皇子の横には手つかずの肉がのった皿がある。
食欲不振?
「・・・・・・グスッ。」
まだ泣いてるよ。
村長、マジでどうやってここまで追い詰めたんだ?
何だか別人にしか見えなくなってきたぞ?
「元気がないの?」
「元気がない時はお肉を食べると良いよ!このお肉、一杯食べると元気になるって大きい兄ちゃんが言ってたよ?」
いや、元気になるのは別の場所だから!
何所でその情報を仕入れたんだ?
・・・ヒューゴ達しかいないか。
「・・・・?お前達の兄は大きかったか?」
「うん、いっぱいいるよ!」
「ほら!」
ニールとエレンはロビンくん達を指差す。
ちょっ・・・!
「・・・・・・は?ロビンは俺の部下で貴族だぞ?」
「でも兄弟だよ?」
「うん!お父さんがみんな一緒!」
「ちょっと待て~~~~~!!」
ヤバくなったので俺はすぐさま2人の口を塞ぎに行った。
おい、バカ皇子には秘密だって注意した筈だろ!
あ~~~!バカ皇子がこんな時に限って頭を働かせて《ステータス》を使い始めやがった!
「!!!???」
あ・・・とうとうバレたみたいだな。
しかし、凄い顔だな?
写メ撮っておけばよかったな。
まあ、ケータイのバッテリーは切れてるから無理だけど。
「・・・・・・ううぅぅ・・・!」
「兄ちゃん、どうしたの?」
「どこか痛いの?」
ニールとエレンはバカ皇子の頭を優しく撫でていく。
弟妹に頭を撫でられる皇子、意外と絵に・・・なるのか?
「・・・うぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「「わっ!!」」
バカ皇子は号泣しながらニールとエレンに抱きついてきた。
おい、端から見たら凄く危ない男にしか見えないぞ!
予想としてたのとは違ったけど、やっぱり面倒なことになってしまった。
その後、パーティがお開きになるまでバカ皇子は泣き続けた。
ステラちゃん、来なくて正解だったな。
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とまあ、大体こんな感じだ。
余談だが、ヒューゴ達のお母さん達にアンナちゃん達を紹介したら、そろってここには居ないある人物に対して殺意を放っていた。
皇帝、近い内に殺されるんじゃないのか?
いや、いっその事、関係を持った女性全員を集めてその中に皇帝を放り込んでみたら面白いかもしれないな。
皇帝の命?別にいいんじゃないか?
「さて、そろそろ寝るか!」
俺は夜空を見上げながら独り言を呟くと、明日に備えて早く寝ることにした。
あれ?そういえば、何か重要な事を忘れているような気がするな?
確か、昨日何処かで聞いた話のような気もするけど・・・・・・ま、いいか♪
次回は別キャラ視点の話をいくつかやった後で新章突入みたいな感じでやっていく予定です。




