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ボーナス屋、勇者になる  作者: 爪牙
奴隷救出作戦編
35/465

第33話 ボーナス屋、元奴隷の調査を始める2

 さてと、ロビンくん(+弟)が騎士トリオに敬われている間に俺は残りの元奴隷の子供達の調査をしますか。


 って、部屋の角に逃げてるよ!


 もしかして、心に深い傷を負って人間不信になったのか?


 いや、それが当然なのかもしれないな。


 普通に暮らしていた子供がある日、知らない人にさらわれて奴隷にされ、世の中の裏側を見続けたら心に傷を負うのは当たり前のことだ。


 ここは怖がられるのを覚悟しつつ、優しく接しなくちゃな!



「何もしないから怖がらなくてもいいよ?」


「イヤッ!!」


「怖い!!」


「シッ!シッ!」


「・・・・・・。」



 拒絶されちゃった。


 一番年上みたいな子なんか、犬や猫を追い払うみたいな目で睨まれてるし。


 けど1人だけ、じっと俺を見ている男の子がいる。


 綺麗な顔をした、どこかロビンくんやステラちゃんみたいないいとこ育ちのような印象があるな?


 いや、今はとにかくこの子達の警戒心を少しでも解さないと!



「お菓子あげるよ?」


「「「わ~い!!」」」



 早っ!


 簡単に警戒心を解いてくれたよ!


 俺は荷物の中からクッキーの入った小袋を出し、子供達に均等にクッキーを配った。



「おいし~い♪」


「甘~い!」


「んぐっ!?」


「おいおい、慌てて食べるからだぞ?」



 ここでは甘い菓子そのものが貴重なこともあったのか、俺の手作りクッキーは大好評だ。


 さて、少しは和んだようだし、早速調査を始めるか!


 最初はクッキーを詰まらせた年長の紅い髪の少年だ。



「食べながらでいいから名前を教えてくれないか?」


「モグモグ・・・トーイ、スタート村のトーイだ。モグモグ・・・。」



 スタート村、和訳すると「はじまりの村」になるけどたまたまだよな?


 とりあえず、俺は《ステータス》を使ってみた。



【名前】トーイ=レッドストーン

【年齢】10  【種族】ハーフ(人間+鳳凰族)

【職業】猟師  【クラス】田舎の天才ハンター

【属性】メイン:光 火 サブ:風 土 空 闇

【魔力】1,090/1,090

【状態】空腹(中) 疲労(小)

【能力】剣術(Lv2) 弓術(Lv4) 斧術(Lv1) 体術(Lv2) 投擲(Lv3) 調合術(Lv1)

【加護・補正】物理耐性(Lv2) 精神耐性(Lv1) 火属性耐性(Lv2) 狩猟神ケルヌンノスの加護



 おお!


 さすが異世界だ!


 人間以外の種族もいたのか!


 “鳳凰族”というのはあれか?東洋版フェニックスみたいな?


 それはいいとして、身元の手がかりになる情報はなさそうだな?


 まだ他にも6人もいるし、とりあえず今は保留だな。



「次は・・・そこのおさげの髪の女の子!」



 今度は金髪のおさげの女の子だ。


 歳はトーイより少し下といった感じだ。



「あ・・・ノ、ノエル・・・です。」



【名前】ノエル

【年齢】8  【種族】人間

【職業】農民  【クラス】教皇の孫

【属性】メイン:光 サブ:火 水 土 風 時 空

【魔力】10,900/10,900

【状態】空腹(小) 疲労(小) 風邪(微)

【能力】攻撃魔法(Lv1) 防御魔法(Lv4) 補助魔法(Lv2) 特殊魔法(Lv5) 祈祷術(Lv4)

【加護・補正】魔法耐性(Lv3) 巫女の瞳 天空神トータティスの加護



 何だかいろいろと凄そうな子だな。


 『教皇の孫』って・・・一発で身元が判明したな。


 きっとこの世界の宗教のトップの孫娘なんだろう。


 能力もチートレベルなのが3つもあるし・・・。



「・・・え~と、お祖父さんのお仕事は言えるかな?」


「・・・?」


「え?」


「・・・お祖父ちゃん、いないよ?」



 ・・・何だか訳アリな家庭のようだな。


 というか、あの奴隷商、何で訳ありな人ばっかり奴隷にしてるんだ?



「じゃあ、家族は何人いるのかな?」


「私と、パパと、ママと、お姉ちゃんと弟の5人・・・です。」



 祖父母もなしか。


 その後もいくつか訊いたけど、どうもド田舎でヒッソリと家族で暮らしているらしく、自分の住んでいる場所の名前も知らないようだ。


 これはあくまで俺の勝手な予想だけど、何かの宗教の教皇の息子か娘が親に反発して駆け落ちして追手の届かない田舎で身分を隠しながらヒッソリと暮らしていたんじゃないかと思う。


 これは後でみんなに要相談だな。



「じゃあ、次は隣の子!」



 4人目はノエルの隣でクッキーを食べている栗色の髪の女の子、歳はノエルと同じ位かな?



「・・・レミ。」



 まだ緊張してるのかな?


 他の子と比べても何だか元気がなさそうだ。



【名前】レミ

【年齢】8  【種族】人間

【職業】なし  【クラス】病弱少女 密航者

【属性】メイン:雷 サブ:風 火

【魔力】620/620

【状態】空腹(小) 疲労(中) 喘息(微)

【能力】占術(Lv1) 投擲(Lv1)

【加護・補正】雷耐性(Lv1) 女神アフロディーテの加護



 加護がある以外は普通の女の子のようだ。


 何だか病弱だし、喘息にかかり始めているみたいだけど医者は薬を出してくれるんだろうな?


 いや、それよりも『密航者』って、下手したらとんでもなく遠くから来たのかもしれないな。


 確か、南方の海には島国があるって聞いたことがあるな。



「どこに住んでたのかわからないのか?」


「・・・家はない。・・・ママとパパが怖い人に連れていかれてすぐに壊されちゃった。」



 つまり住んでた町か村が分かっても帰る場所が既にないという事か。


 これも後で相談しないとな。



「じゃあ、家があった場所は港がある町なのか?」


「うん、赤い煉瓦の建物がいっぱいあった。」


「町の名前は?」


「サフィラス。」



 港町で名前も分かっているのに身元不明?


 港町ならそれなりに知られていてもいいはずだと思うんだけどな。


 あ、密航の事を聴き忘れた!


 まあ、体調が優れないみたいだし後にするか。


 というか寝かせた方がいいな。ノエルもだけど。



「あとで休む場所を用意しておくから、そこでちゃんと休んでおくんだぞ?」


「うん。」



 レミはここまででいいな。


 次はまた同い年位の男の子だ。


 って、次のクッキーを求める眼差しが眩しい!



「き、君の名前は?」


「アールだよ!アール=スミス!クッキー頂戴♪」



 涎が出てるぞ。


 俺はとりあえず2,3枚ほどクッキーを渡した。


 名字があるという事はそれなりに裕福な家の子なのか?


 今までの経験上、名字を持っている人はそれなりに裕福か、貴族や王族に縁のある人だけみたいだしな。



【名前】アール=スミス

【年齢】7  【種族】人間

【職業】見習い鍛冶師  【クラス】火の民の神童

【属性】メイン:火 土 雷 サブ:水 氷 光 闇

【魔力】6,000/6,000

【状態】空腹(中) 疲労(微)

【能力】攻撃魔法(Lv3) 防御魔法(Lv2) 補助魔法(Lv3) 特殊魔法(Lv3) 武術(Lv3) 鍛冶術(Lv5) 金属加工術(Lv4) 鍛冶神の魔法槌(ゴヴニュハンマー)

【加護・補正】物理耐性(Lv2) 魔法耐性(Lv2) 精神耐性(Lv2) 火属性耐性(Lv4) 土属性耐性(Lv3) 雷属性耐性(Lv3) 神の舌 無敵の胃袋 超回復力 聖騎士の末裔 鍛冶王の末裔 鍛冶神ゴヴニュの加護



 何というか、またしても(部分的に)チートを発見した気分だ。


 全体的に見てもかなりスペックが高いな。


 バカ皇子と同じ神様の加護を持ってるけど、こっちの方が明らかに優秀に見える。


 身元の手がかりになる情報としては、“火の民”“聖騎士”“鍛冶王”といった単語が使えそうだ。


 もっと話を聞きたいところだけど、何か食う事に夢中で無理そうだ。


 さてと、あとは3人だな。



「次は1番小さい君だな。」



 6人目はピンク色の髪をした、女の子の中では一番小さい子だ。


 見たところ、4~6歳くらいに見えるな?



「名前は言えるかな?」


「・・・リーナ、です。」



【名前】リーナ=レーベン

【年齢】5  【種族】人間

【職業】なし  【クラス】貴族令嬢 家出娘

【属性】メイン:水 サブ:風 氷 雷

【魔力】1,100/1,100

【状態】疲労(中) 空腹(小) 風邪(微) 呪いにより一部能力封印中

【能力】防御魔法(Lv1) 補助魔法(Lv1) 特殊魔法(Lv2) 調合術(Lv1)

【加護・補正】魔法耐性(Lv1) 水属性耐性(Lv1) 嫉妬の呪縛



 どうやら貴族の令嬢らしいけど、何だか嫌な呪いをかけられているな。


 《嫉妬の呪縛》…嫉妬の思いを込められた呪いで、対象の才能の大半を封印する呪い、か。


 きっと貴族同士のドロドロとした争いに巻き込まれたんだろうな。


 というか、貴族の子供なら身元はとっくに判明してるんじゃないのか?



「リーナの家は貴族なのか?」


「・・・違う。」



 リーナはブンブンと首を横に振って否定した。


 なるほど、家出中だから事情聴取でも身元を隠していたって訳か。


 多分、こっそり家出したら悪人に騙されて奴隷にされたんだろう。


 呪いは後で解呪できないか試してみよう。



「―――――で、残りはそこの仲良しコンビか。」


「「―――――――――ん?」」



 最後に残ったのはさっきから仲良くクッキーを頬張って・・・って、2人とも頬が膨れるくらいクッキー独占してる!!


 どうりでアールがしつこくクッキーを求めてる訳だ。


 おい、ちゃんと仲良く分けろ!



「最後はお前らだけど、自分の名前は言えるか?」



 俺が話しかけると、2人はしばらく口の中をモグモグと動かし、ゴクンと飲み込んだ。


 そして栗色の髪をした方の男の子が元気に名乗った。



「ルチオ=スプロット!6歳です!」



 そしてその後に続く様に銀髪の男の子ものんびりとした口調で名乗った。


 あれ?


 こいつ、誰かに似てないか?



「僕は~、銀耀(ぎんよう)!ルチオと同じ6歳だよ~!」



 ・・・・・・気のせいだよな?


 たった今、どっかのバカとここにいる男の子の顔がカブって見えた気がするんだけど気のせいだよな?


 何か同じ銀髪だし、名前の響きも似てるしけど気のせいだよな?


 俺は2人のステータスを同時に出した。



【名前】ルチオ=スプロット

【年齢】6  【種族】人間

【職業】小学生(1年)  【クラス】大魔王(剣聖)玄孫(やしゃご)

【属性】無(全属性)

【魔力】399,000/399,000

【状態】空腹(小)

【能力】攻撃魔法(Lv5) 防御魔法(Lv4) 補助魔法(Lv4) 特殊魔法(Lv5) 属性術(Lv5) 武術(Lv4) 錬金術(Lv5) 調合術(Lv4) 浄化 鑑定 聖剣カリバーン

【加護・補正】魔法耐性(Lv4) 精神耐性(Lv4) 全属性耐性(Lv4) 万能翻訳 霊視 龍の契約者 次元龍銀耀の契約 時空神クロノスの加護 女神アテナの加護 豊穣神デメテルの加護 太陽神アポロンの加護 月の女神アルテミスの加護 豊穣神フレイの加護 運命神スクルドの加護 英雄神プイスの加護



【名前】銀耀

【年齢】6  【種族】龍族

【職業】小学生(1年)  【クラス】龍王の末弟

【属性】メイン:時 空 サブ:光 風 火 雷

【魔力】1,010,000/1,010,000

【状態】空腹(小)

【能力】攻撃魔法(Lv5) 防御魔法(Lv5) 補助魔法(Lv4) 特殊魔法(Lv5) 時術(Lv4) 空術(Lv5) 光術(Lv3) 風術(Lv3) 火術(Lv3) 雷術(Lv3) 剣術(Lv4) 体術(Lv4) 龍眼 人化 浄化 鑑定

【加護・補正】物理耐性(Lv3) 魔法耐性(Lv5) 精神耐性(Lv5) 時属性耐性(Lv5) 空属性耐性(Lv5) 光属性耐性(Lv3) 風属性耐性(Lv3) 火属性耐性(Lv3) 雷属性耐性(Lv3) 全状態異常無効化 契約した龍 龍神の加護 王の器 幸運



 ・・・最後にとんでもないのが出てきたな。


 チートって、コイツらの事を言うんじゃないのか?


 いや、それよりも『小学生』ってことはまさか・・・・・・・!



「・・・お前ら、何所から(・・・・)来たんだ?」



 俺が質問すると、2人は口を揃えて俺の予想通りの答えを喋った。



「「地球!!」」



 はい、やっぱり同じ世界(地球)からやってきた異世界人でした。


 何で奴隷になってたの?


 何だかレミ以外はとんでもない身元不明者だな?






 士郎以外の異世界人が登場しました。

 同時連載の「黒龍の契約者」と微妙にリンクしています・・・多分。


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