第28話 ボーナス屋、みんなで狩りに行く
『ピヨッ!?』
・・・・・・おや!?
黄色いヒヨコの様子が・・・・・・!
ダッダッダッダ―――――ン!ダッダッダ・・・・・・
『ゴケ~~~~~~!!』
おめでとう!
黄色いヒヨコはゴールデンでキングな鶏に進化した!
「・・・・・何だこれ?」
やあみんな、毎度おなじみの士郎だ!
ヒューゴ達がファル村に来て今日で5日目だ!
俺は今、村の養鶏場というか、家畜を飼っている場所に来ている。
この前爺さんAとヴァールに行った時に買ってきたヒヨコや子豚を飼っている訳だが、どういう訳か俺の目の前でヒヨコが一瞬でビッグサイズの鶏になった。
というか、周りを見渡したらヒヨコや子豚の姿はなく、何だか俺の常識にはない種類の鶏と豚がいた。
「・・・・・・とりあえず《鑑定》だな。」
【金色王鶏 ♂】
【分類】鳥類
【用途】家畜用
【詳細】ある一定条件を満たした土地で飼われたオスのヒヨコが成長した変異種。
基本的な習性は普通の鶏と大差ないが、体が大きい分エサがたくさん必要になる。
外敵が現れると率先して仲間を守る。
肉は高級食材である。
【金色大鶏 ♀】
【分類】鳥類
【用途】家畜用
【詳細】ある一定条件を満たした土地で飼われたメスのヒヨコが成長した変異種。
基本的な習性は普通の鶏と大差ないが、体が大きい分エサがたくさん必要である。
稀に金の卵を産む。
どうやらファル村の土地の影響によるもののようだ。
とりあえずは得なのか?
なお、豚も俺の知らないタイプに育っていたが普通の豚のようだ。
「・・・アンナちゃん、この村じゃ家畜はアレが普通なのか?」
「さあ?」
俺の隣にいるアンナちゃんも困ったような顔をしている。
さあって、今まではどうだったんだ?
「戦争が始まる前は偶に普通より大きな鶏もいたんですけど、こんなに大きいのは私も初めて見ます。」
ビッグはいたけどキングは初めてか・・・・・。
もしかして俺が何かしちゃったせいか?
まあ、この件は後で村長にでも訊いてみるか。
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――ファルの森――
今日も来たぜ、ファルの森!
今日はロビンくんを除く冒険者組全員で採取と狩りだ!
「そっちに行ったぞ!ジャン!」
「任せろ!」
『ブォォォ!?』
ヒューゴが誘導した大イノシシの頭にジャンが斧で止めを刺した。
あ、このイノシシは魔獣じゃなくて普通のイノシシだ。
「お~~~!やるじゃないかお前ら?」
「これくらい当然だ!」
「そうそう、余裕余裕♪」
余裕って言っている割には冷や汗流れてるぞ?
けど、やっぱ兄弟だからなのか連携とかはちゃんとできるみたいだな。
「―――――――ビックラビット2体に大イノシシ1体、皮だけ売れば50万ちょっとってところだな。昨日までと比べるとかなり見劣りする成果だな。」
「やっぱドラゴン倒そうぜ!このままじゃ金が全然足りねえよ!」
ヒューゴは不満そうだが、新米冒険者の成果としたらかなり優秀な方なんだぜ?
ちなみに、昨日までの4日間(実際は3日間)の収入は、ドラゴンと盗賊団の討伐による1億D、次の日は再び鋼牙大猪と遭遇して倒して700万Dにビックラビットを含めたその他魔獣が全部で13万D、そして昨日はビッグサイズな熊型魔獣の一角大熊が2体で1200万Dになった。
ついでに依頼の方もFランクの採取依頼を10回分以上達成し、もうすぐ俺達『ビックウイング』はランクがFからEに昇格する予定だ。
なお、この数日で俺達のレベルもそれなりに上がった。
【名前】『ボーナス屋』大羽 士郎
【年齢】16 【種族】人間
【職業】冒険者(Lv17) 剣士(Lv16) 魔法使い(Lv16) 【クラス】勇者(仮)
【属性】メイン:土 木 サブ:火 風 水
【魔力】1,340,000/1,340,000
【状態】正常
【能力】攻撃魔法(Lv3) 防御魔法(Lv3) 補助魔法(Lv2) 特殊魔法(Lv2) 属性術(Lv3) 剣術(Lv2) 体術(Lv2) 投擲(Lv2) 善行への特別褒賞 鑑定
【加護・補正】魔法耐性(Lv2) 精神耐性(Lv2) 土属性耐性(Lv3) 木属性耐性(Lv3) 火属性耐性(Lv2) 風属性耐性(Lv1) 水属性耐性(Lv2) 土神ハニヤスの加護 豊穣神アヌの加護 異世界言語翻訳 職業補正 職業レベル補正
【BP】60pt
【名前】ヒューゴ
【年齢】13 【種族】人間
【職業】冒険者(Lv12) 戦士(Lv12) 魔法使い(Lv10) 【クラス】新米冒険者
【属性】メイン:火 光 空 サブ:風 土 水 雷
【魔力】34,500/38,000
【状態】正常
【能力】攻撃魔法(Lv2) 防御魔法(Lv2) 補助魔法(Lv2) 特殊魔法(Lv3) 剣術(Lv3) 体術(Lv3) 鑑定 龍鱗剣ペンドラゴン 勝者の簒奪
【加護・補正】物理耐性(Lv2) 魔法耐性(Lv1) 精神耐性(Lv2) 光属性耐性(Lv3) 火属性耐性(Lv3) 空属性耐性(Lv3) 軍神オグマの加護 職業補正 職業レベル補正
【BP】31
【名前】ジャン
【年齢】13 【種族】人間
【職業】冒険者(Lv9) 戦士(Lv9) 魔法使い(Lv7) 【クラス】新米冒険者
【属性】メイン:光 風 サブ:火 雷 水
【魔力】23,800/26,000
【状態】正常
【能力】攻撃魔法(Lv1) 防御魔法(Lv2) 補助魔法(Lv3) 特殊魔法(Lv2) 斧術(Lv2) 体術(Lv2) 彫金術(Lv4) 鑑定 古の合成の秘技
【加護・補正】物理耐性(Lv2) 精神耐性(Lv1) 光属性耐性(Lv2) 風属性耐性(Lv2) 全状態異常耐性(Lv1) 工芸神ベリサマの加護 職業補正 職業レベル補正
【BP】24
俺の予想通り、1つの職業のレベルが1つ上がるごとにポイントも1上がるみたいだ。
けど、やはり盗賊団やベルクドラゴンの時のような劇的なレベルアップはあれ以降ない。
まあ、そう都合よくレベルを上げられる敵に遭遇してたら命がもたないけどな。
「――――――とりあえずケビンとロルフと合流するぜ!向こうも何か収穫があったかもしれないしな?」
「収穫と言っても、薬草か古い銅貨ぐらいだろ?」
「そう言うなって、銀貨も見つけたこともあっただろ。今日は金貨を拾ってくるかもしれないぜ?」
ケビンとロルフの2人は俺達と別行動をとっている。
主に採取依頼に出ていた薬草の採取だが、ついでにロルフの《トレジャーダウジング》も使って森の中に隠れている宝も探している。
けど、見つかるのは古い銅貨や銀貨などの過去に森に来た人の落し物ばかりだった。
そう都合よく埋蔵金とかが出てくるわけがないよな。
「・・・・期待しないでおくよ。」
「だな。」
ん~~~。
そういう時に限って、また何かがあったりするんだよな~~~。
チュド~~~ン!!
ほら、やっぱり!
2人がいる方角から何だかギャグっぽい爆音が聞こえてきたぜ!
「「!?」」
「・・・行ってみるぞ!」
さてさて、今度は何が起きたんだろうな?
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あれ?
爆音が聞こえた方に向かってたら、盗賊団やドラゴンと戦った場所に来ちゃったな?
「・・・確かこの辺からだったよな?」
「ロルフもケビンもいないな。何所かで間違えたのか?」
確かにこの辺りから爆音が聞こえてきたんだけどな~~?
けど、どこにも2人の姿は見えないな?
「・・・なあ、あの洞窟は何だ?」
ジャンは目の前の洞窟を指差して訊いてきた。
ああ、あれは確かベルクドラゴンが出てきた洞窟だな?
そういえばちゃんと調べなかったけど、ずっとここに棲んでたのか?
「あれはこの前倒したドラゴンが出てきた洞窟だけど、もしかして中にいるのか?」
俺達はとりあえず洞窟の中に入ってみた。
お、結構涼しいな?
「・・・ドラゴンが棲んでた割には普通の洞窟みたいだな?」
「なあ、何か奥から風が流れてきてないか?」
「ん?そういえばそうだな。もしかして、ここって洞窟じゃなくてトンネルになってるのか?」
よく見れば、あちこち崩れているけど、日本でもよく見るトンネルの形をしてるな?
もしかして、ここって大昔の遺跡か何かなのか?
それに気のせいか、道が少し下に傾いていないか?
「おい!奥の方が明るくなってるぜ!」
「やっぱトンネルだったのか・・・・・?」
俺達は駆け足で奥へと進んでいく。
すると、辺りには何だか明らかに人工物らしき物がたくさん散らばっていた。
そして更に先に進んだ場所にあったのは・・・・・
「―――――――――――扉?外?」
そこにあったのは、錆ひとつなく、大きく開いた状態にある金属製の扉だった。
そしてその向こう側に見えたのは大草原、いや、大高原だった!
「――――――って、高原!?」
俺は思わず扉を越えた。
うわっ!本当に大高原!山がいっぱい見える!!
「おい!どうなってるんだよコレ!?俺ら、森の洞窟を歩いてたんだよな!?」
「ここ、どう見ても山の上だぜ!?」
ヒューゴとジャンも戸惑い気味だ。
俺だってビックリ!森の洞窟を抜けたら山の大高原でしたって、どうなってるんだ!?
とにかく、来た道を確認するか!
「・・・遺跡?」
振り返ってみると、そこには古代の遺跡っぽい物があった。
中央には金属製の扉が立っている。
いや待て、あの扉、どう見てもおかしいだろ?
「どこ〇もドア・・・・・・?」
遺跡に真中に扉だけ・・・・・。
その扉の向こう側は俺達がさっきまでいた洞窟だ。
形状は違うが、いわゆるあの国民的アニメに出てくる秘密道具っぽい感じだ。
「一体どうなって・・・・・・・ん?」
「どうした?」
「・・・今、あっちから声が聞こえなかったか?」
「声・・・・?」
気のせいかも知れないが、確かにあっちから声が・・・・・
『ギャォォォォォォォォォォォォォォ!!』
「うわぁぁ~~~~~~~~!!」
「逃げろ~~~~~~~~~!!」
あ!ケビン&ロルフ発見!
って、何か後ろに大きい怪獣軍団が~~~~~~!!
どういう訳か、ケビンとロルフは空飛ぶドラゴン軍団に追われていた。
再びVSドラゴン!