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ボーナス屋、勇者になる  作者: 爪牙
魔龍王ヴリトラ編
286/465

第276話 ボーナス屋、ハッとする!

新章開始です!

――ファル村――


「あれ?ロルフ、久しぶり!」



 正午が過ぎ、俺は酒場で昼食をとろうと壮龍をおぶって外に出ていた。


 すると、久しぶりにロルフとばったり出くわした。


 今ではセットな感じでクリスピーくんも眠たそうに横に立っている。



「よう!ヒューゴ達から聞いたけど、本当に子供ができたんだな?」


「そっちこそ、何時の間に彼女(・・)ができてたんだ?」


「ちょっと!だ、誰が彼女よ!!」



 そしてもう1人、ロルフと同い年くらいの金髪美少女が不満そうな顔で立っていた。


 ロルフが父を尋ねて何とやらの際に出会った、亡国(・・)の皇女、マルグリッドちゃんだ。


 自分の国が戦争を始めようとした直後に大魔王ファミリーの襲撃に遭い、国は一瞬で乗っ取られてロルフの父さんの家に居候している女の子だ。


 家族の生死も不明な現在、命の恩人である(*173話参照)ロルフ以外に頼る人がいない彼女は今、徐々にロルフにデレてきているようだ。(*チートが勝手に報告してくる)



「まあ、それはいいとして、今日は何の用で来たんだ?ヒューゴなら帝都にいるぞ?」


「知ってる。今日はお前に用があるんだよ。主にコイツの件で」



 曰く、マルグリッドちゃんが何時までもロルフの家に居候している事が後ろめたくなったらしく、自分の生活費位は自分で稼ごうと立ち上がったらしい。


 そして早速冒険者になろうとしたのだが、マルグリッドちゃんは家族の中でも断トツ1番の落ちこぼれだそうで、魔法はそこそこだけど武術等は運動オンチなのでダメ、他に出来る事と言えば趣味のハーブ栽培とお茶ぐらいらしい。


 だから、俺の能力で自立しやすくなるようにと頼みに来たそうだ。


 取り敢えず、彼女のステータスを確認してみるか。



【名前】マルグリット=T=クランティア

【年齢】13  【種族】人間

【職業】旧・クラン帝国第一皇女  【クラス】居候皇女・改 New!

【属性】メイン:氷 風 サブ:水 火 土 雷

【魔力】7,900/7,900

【状態】正常

【能力】攻撃魔法(Lv2) 防御魔法(Lv2) 補助魔法(Lv2) 特殊魔法(Lv1) 剣術(Lv1) 槍術(Lv1) 体術(Lv1)

【加護・補正】物理耐性(Lv1) 魔法耐性(Lv1) 精神耐性(Lv1) 氷属性耐性(Lv2) 水属性耐性(Lv2) 毒耐性(Lv1) 凍傷耐性(Lv1) お調子者 トラウマ 初心

【BP】56



 『居候皇女・改』……自立しようとしているからか?


 《お調子者》と《トラウマ》は凄く分かり易い。


 特に《トラウマ》、よっぽど恐ろしい目に遭ったんだろうな。


 さてと、どう弄るか?


 補正には載ってないけど運動オンチみたいだし、魔法寄りでいいかな?


 それとも他のに……?


 そういえば、ハーブ栽培とかもできるっていうし、農業系……いや、調合系の方がいいか?


 ロルフ達と相談した結果、調合系のボーナスする事にした。


 だけどポイントの都合上、チート化は未だ無理だからコレにしてみるか。



〈見習い調合士セット〉 20pt

・今日から調合士を始める人の為のボーナス詰め合わせセット。

・〈調合術(Lv2)〉、〈初級調合器具一式(バッグ付き)〉、〈調合知識(初級)〉、〈植物図鑑〉が入っている。



 似たような物に〈見習い鍛冶師セット〉や〈見習い料理人セット〉とかもあった。


 チートじゃないけど、結構お買い得なセット内容だな。


 さて、これに決定っと!



【名前】マルグリット=T=クランティア

【年齢】13  【種族】人間

【職業】皇女(仮)(Lv1) New! 魔法使い(Lv1) New! 調合士(Lv1) New!  【クラス】居候皇女・改

【属性】メイン:氷 風 サブ:水 火 土 雷

【魔力】7,900/7,900

【状態】正常

【能力】攻撃魔法(Lv2) 防御魔法(Lv2) 補助魔法(Lv2) 特殊魔法(Lv1) 剣術(Lv1) 槍術(Lv1) 体術(Lv1) 調合術(Lv2) New! 鑑定 New!

【加護・補正】物理耐性(Lv1) 魔法耐性(Lv1) 精神耐性(Lv1) 氷属性耐性(Lv2) 水属性耐性(Lv2) 毒耐性(Lv1) 凍傷耐性(Lv1) お調子者 トラウマ 初心 職業補正 New! 職業レベル補正 New!

【BP】6



 こんなところだな?


 『皇女(仮)』は意味不明だけど。



「終わったぞ!」


「嘘……!?本当に力が湧いてきたわ……!」


「じゃあ、早速迷宮でスライム狩りでもしに行くか?」



 そして、ロルフ達はレベル上げの為に村の地下遺跡の方へと向かった。


 やっぱりあの2人って、付き合ってるんじゃないのか?



『……(。-ω-)zzz』


「あ!お前ら、クリスピーくんを忘れてるぞ!!」



 俺は、最早鶏だったころの面影が殆ど残っていないクリスピーくんを持ち上げてロルフ達を追いかけていった。




――――ピロロ~ン♪



▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

『報告:大魔王、ミストラル王国を去る』


 ミストラル王国を乗っ取っていた大魔王は、一身上の都合により王国から完全撤退しました。

 国王及び、王都にいた一部の貴族達は依然行方不明のまま、王女はアメリカ合衆国ボストンにお持ち帰りされました。

 大魔王が去る際、民衆からは彼が居なくなるのを惜しむ声が沢山押し寄せました。


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲




――――ピロロ~ン♪



▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

『報告:大魔王一家、ダーナ大陸より完全撤退』


 大魔王一家に乗っ取られていたクラン帝国及びアルバン帝国は今から1分前に解放されました。

 理由は一身上の都合としか判明していない。

 両国の皇族及び元・過激派貴族はダーナ大陸より抹殺され、天空大陸やニブルヘイム大陸に投げ捨てられた模様。

 尚、両国の国民からは彼らが去る事を惜しむ声が沢山出ています。


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲




「え!これって、世界が平和になったってことか!?」



 突然の事態に、俺は唖然となった。


 一身上の都合ってあるけど、きっと大魔王の奥さんの仕業な気がする。


 もしくは、魔王達の奥さんかだ。



「ぅ~」


「お?おねむか、壮龍?」


「ぅ~~」



 壮龍が眠たそうなので、俺は一旦家に帰ることにした。


 さて、クエストの続きを始めるかな?



――――ピロロ~ン♪



 今度は何だ?



▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

『急報:神聖グラディウス皇国にて、龍王ヴリトラ暴走!』


 神聖グラディウス皇国北部にあるアネモス湖東岸にて龍王ヴリトラが活動を開始しました。

 龍王ヴリトラは地球にて『創世の蛇』による精神支配を受けており、精神支配は解かれているが後遺症で現在暴走している。

 龍王ヴリトラのいる地域では大豪雨が発生、近隣の町や村では川の水位が急上昇している。

 現在、龍王ヴリトラはアネモス湖に入り、船舶等を襲いながら皇都に向かって南下している。


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲



 忘れてた!


 世界の意志から発注されていたクエストにはコイツの事もあったんだった!


 大迷宮の方にばかり意識が集中してて、今の今まで忘れかけていた!



「これ、俺が行かないとダメだよな?」


「ぅ~」


「……まずは、ベッドだな」



 取り敢えず、今は家に戻るのが先だな。







そういう訳で、今回から「ヴリトラ編」開始です。

シリアスにはならない予定ですので、今まで通り楽しんでもらえると幸いです。


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