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ボーナス屋、勇者になる  作者: 爪牙
番外編Ⅶ
274/465

第265話 ボーナス屋、告白する(される)?

――ファル村――

1、アンナの告白


 その日、アンナちゃんは聖女ファッションで俺の下にやってきた。


 そして息を吸うのと同じ感じで訊ねてきた。



「勇者様、私達は恋人なんでしょうか?」


「ぶはぁ!!」



 思わず飲んでいたハーブティーを吹きだしてしまった。


 ナニヲイッテルンデスカアンナチャン?



「今朝起きたらこんなものが出ていたんです」

「こんなもの?」



 アンナちゃんは目の前にウインドウを表示させた。



最愛の人(勇者)と結婚しよう!』

・貴方の恋人、勇者シロウ=オオバに告白して結婚しよう!

・達成条件:告白して結婚する♡

・達成状況:告白(達成済)、婚約(未達成)、結婚(未達成)、H(達成済)

・報酬:貴方を見守る女神達からの祝福



「ハイイイイイイイイ!?」



 これってアレだよな!?


 最近追加された新機能の仕業だよな!?


 俺にもハーレム作れとか色んなクエストが出てきてるけど、これは何だ!?


 確かにアンナちゃんとは一線超えた関係だけど、こんなクエストは余計なお世話だろ!!



「これはつまり、私と勇者様は『恋人』……なんですよね?」



 アンナちゃんが純粋無垢な瞳を向けてきている。


 この状況、どう考えても「ハイ」か「Yes」しか選択肢が無いな。



「――――あの夜(・・・)にもお伝えしましたが、私は勇者様が好きです。最初は私の勝手な都合でこの世界に呼んで酷い事をしたと、好きになるなんていけないことだと思ってましたが、それでもやっぱり好きです」



 「ハイ」か「Yes」しかないな。



「お、俺も……アンナちゃんが好き、です!」



 しまった!


 恋愛慣れしてないから妙な返答になってしまった!



「本当ですか!!やった~!!」



 物凄く喜ばれた。


 どうやら微塵も怪しまれなかったようだ。



「これで私は勇者様の恋人、いえ婚約者ですね!お母さん達にも教えないと!」


「え!?いや、まだ婚約の……」


「愛してます!勇者様♡」



 アンナちゃん、只今暴走中!


 なんだか、やっぱりバカ皇帝の血が流れているんだなって思うんだけど、俺の気のせいじゃないよな?


 と、久しぶりに神様メールだ!



▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

From:隠居中のヌアザ

Sub:☆おめでとう☆


 結婚式には召喚してくれ。

 皆で行くから♪


 P.S. ルー、知らない?


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲



 “皆”って、誰だよ!?


 つーか、あの太陽神はまだ行方不明なのか!?






--------------------------


2、ステラの告白


 それはお昼の事だった。


 《全自動料理之達人(スーパー・オート・クッキング)》で作った行列のできるお店のイタリア料理を食べていると、ステラちゃんが騎士達を率いてやってきた。



「食事中だったか?」


「ん?どうしたんだステラちゃん?」


「シロウ、私と結婚してくれ!」


「ブフゥ!?」



 俺は口の中のパスタを吹きだした。


 イキナリナニヲイッテルンデスカ?



「――――私もこの歳だ。貴族達の間では、私の婚約者を決める話が持ち上がっているのだ」


「モグ……ああ、そういえば今のステラちゃんはお兄さんやお姉さんがバカやったお蔭で継承権が兄弟で1番なんだっけ?皮肉だよな。王位を狙ってなかったステラちゃんが次期女王なんてさ?」


「「「………」」」



 狙う気満々だった人達は漏れなく先代夫婦にOSHIOKIされたんだよな。


 自業自得だ。



「そういう訳で、私はシロウと結婚しようと思う!いいか?」


「偽装結婚じゃないよな?」


「怒るぞ?」


「……ゴメン」



 俺は素直に謝る。



「それで、本気?」


「本気に決まっているだろう?私は既に、身も心もシロウに捧げているのだからな!」



 ステラちゃんの背後から「おお!!」とか「キャ~♡」という声が聞こえてきた。


 お前ら、面白がってるだろ?



「私と結婚すれば、シロウはフィンジアス王国の次期国王だな!相手がシロウなら、父上も貴族達も文句を言わないだろう!なにせ、救国の英雄なのだからな!」


「いや、実はついさっき、アンナちゃんにも告白されたばかりなんだけど……」


「―――!!何だと!?では、シロウはファリアス帝国の皇帝になるのか!!」


「何でそうなるの!!俺がバカ皇帝の後を継ぎたいを思ってるのか!?」


「あ………!」



 あ、意外と簡単に納得したな?


 しかし、今日だけでアンナちゃんだけじゃなくステラちゃんにまで告白されるなんて……まさか、どこぞの神の仕業か?



――――ピロロ~ン♪



▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼


 No!


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲



 違うらしい。


 ただの偶然……なのか?



「私と、結婚してくれないか?」


「……いや、俺には既に……」


「大丈夫だ!王国も帝国も一夫多妻は合法だから、何人とでも結婚はできるぞ!」


「え?一夫多妻が前提なのか?」



 ステラちゃんは既に心のスタンバイはOKらしい。


 まあ、あの夜を過ごした時点で覚悟は出来ていたのかもしれない。


 それ以前に、この世界の人の価値観が俺とは違うからかもしれないが。



「いいよ。俺、ステラちゃん()好きだし」


「よし!父上と母上にに報告だ!」


「「「ハ!!」」」


「殿下、おめでとうございます!!」


「やりましたね♪」



 ステラちゃんは満面の笑みで帰っていった。


 騎士達も嬉しそうに騒ぎながら帰っていった。


 途中まで食べていたランチはすっかり冷めてしまった。



 追記、今のステラちゃんのステータスは以下の通りだ。



【名前】『戦姫』ステラ=W=フィンジアス

【年齢】16  【種族】人間

【職業】進撃之王女(Lv16) 聖姫騎士(Lv25) 召喚士(Lv40)  【クラス】告白王女♡

【属性】メイン:光 風 サブ:水 火 雷

【魔力】5,820,000/5,820,000

【状態】正常

【能力】戦姫之魔法(Lv5) 戦姫之属性術(Lv5) 精霊術(Lv2) 闘気術(Lv3) 剣術(Lv5) 槍術(Lv4) 盾術(Lv2) 体術(Lv4) 弓術(Lv2) 投擲(Lv2) 調合術(Lv1) 祈祷術(Lv1) 虹晶之姫剣(レインボーセイバー) 召喚 極光 同調(シンクロ) 修練眼 大鑑定 

【加護・補正】物理耐性(Lv2) 魔法耐性(Lv3) 精神耐性(Lv3) 光属性耐性(Lv2) 全状態異常耐性(Lv2) 回復力上昇 詠唱破棄 思考加速 女の勘 竜殺し 魔獣ハンター 悪魔殺し 修練者 幸せ者♡ 銀の女神アリアンロッドの加護(*強制) 恋愛神エーンガスの加護(+1) 職業補正 職業レベル補正

【BP】104






--------------------------


――唯花の告白?――


「私の場合、今更じゃない?好きに決まってるじゃない」


「………」


「それとも、私の事は嫌いなの?」


「いいえ、す、好きです!」



 反論の言葉すら思い浮かばなかった。


 まあ、する気は無いけど。


 ここ数日、壮龍の育児を一緒にしているうちに気付いたんだが……



「……俺の初恋って、唯花なんだよな~」


「え!ホント!?」



 めっちゃ食いついて来た。


 ちなみに嘘じゃない。


 実際に俺は過去に何度も唯花に告白している。(*207話参照)


 そういえば、俺は何度も告白してるけど、その度に唯花にはぐらかされて返答は一度も受け取ってなかったな?



「――――ってことなんだけど、今返事聞かせてくれる?」


「な……何を言ってるのよ!!」


「いや、だから俺の過去数度の告白の返事を、今聞かせてって……」


「~~~~!!」



 真っ赤だな。


 かなり可愛いから、後でこのメモリーをプリントアウトしとおこう。



「……はい、に…決まってるじゃない……」


「だよな。前に「本気で好きなのか?」って聞いた時、おもいっきり怒ってたからな」


「分かってるなら訊かないでよ!!」


「……分かってても、お前の直の声で聞きたかったんだよ♪ああそれと、夫婦になるなら散財はしないでくれよ?というか、お前ってあんなに散在する女じゃなかったよな?むしろ逆」


「う……!それは……」


「まあ、どっち道好きだけど♪


「…………のばか」



 唯花は顔を真っ赤に染めながら部屋から出ていった。


 俺は後を追いかけず、ベッドで寝ている壮龍の頭を撫でながら幸せを実感していた。


 その晩、唯花は俺のために豪華なディナーを作ってくれた。


 材料はテンションが最高潮になった唯花の犠牲者達である。








〈勇者はヨメヲ3人ゲットした♪ byスサノオ〉








 五月蠅いのがまた増えた!?








『ハーレムを作ろう!』

・貴方に恋心を抱いている人達に告白し、一つ屋根の下でみんなで暮らそう!

・達成条件:10人以上に告白成功する。

・達成状況:3/10(人)

・報酬:マイホーム


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