第23話 ボーナス屋、立会人になる
いろいろあったがヒューゴとジャンのボーナス交換も終わった!(詳細カット)
あ、面倒だからカットしたわけじゃないからな?
2人は揃ってステータス向上だけにポイントを費やそうとしたが俺はすぐに止めた!
何故だって?それはリスクがあるからだ!
〈魔力上昇〉はステータス画面でどれ位上がったか確認できるけど、体力や攻撃力はそうはいかない。
日本にいた時にも試したが、1ptあたりの上昇率がいまいち分からない。
魔力と違ってすぐに何倍に上がるってことはないと思うが、どの程度上がるか分からない以上、下手をすれば無駄遣いに終わる可能性だってあるんだ。
それに、2人には神様の加護による補正もある。
俺は2人が早まらないように説得させると、とりあえずはケビンとロルフと同じボーナスに加え、固有技能っぽいのを1つずつ選ばせた。
【名前】ヒューゴ
【年齢】13 【種族】人間
【職業】冒険者(Lv1) 戦士(Lv1) 【クラス】新米冒険者
【属性】メイン:火 光 空 サブ:風 土 水 雷
【魔力】7,300/7,300
【状態】疲労(微)
【能力】攻撃魔法(Lv2) 防御魔法(Lv2) 補助魔法(Lv2) 特殊魔法(Lv3) 剣術(Lv3) 体術(Lv3) 鑑定 龍鱗剣ペンドラゴン 勝者の簒奪
【加護・補正】物理耐性(Lv2) 魔法耐性(Lv1) 精神耐性(Lv2) 光属性耐性(Lv3) 火属性耐性(Lv3) 空属性耐性(Lv3) 軍神オグマの加護 職業補正 職業レベル補正
【BP】6
【名前】ジャン
【年齢】13 【種族】人間
【職業】冒険者(Lv1) 戦士(Lv1) 【クラス】新米冒険者
【属性】メイン:光 風 サブ:火 雷 水
【魔力】6,300/6,300
【状態】疲労(中)
【能力】攻撃魔法(Lv1) 防御魔法(Lv2) 補助魔法(Lv3) 特殊魔法(Lv2) 斧術(Lv2) 体術(Lv2) 彫金術(Lv4) 鑑定 古の合成の秘技
【加護・補正】物理耐性(Lv2) 精神耐性(Lv1) 光属性耐性(Lv2) 風属性耐性(Lv2) 全状態異常耐性(Lv1) 工芸神ベリサマの加護 職業補正 職業レベル補正
【BP】2
本当はもっとポイントを残しておきたかったが、当人達が望んで選んだ以上は何度も止めるのも悪いのでこうなった。
【勝者の簒奪】
・倒した相手のオーラを吸収して自身の能力を向上させる。
・より強い相手を倒すほど効果が高く、運が良ければ能力や補正にも変化が起きる。
・ただし、いくら吸収しても人間の枠を超える事はない。
これはヒューゴにだけあったボーナスだ。
倒すの基準が相手を殺す事なのか、それとも相手が敗北を認める事なのかは検証が必要だな。
けど、短期間で強くなるにはピッタリの能力かもな。
ちなみに、ヒューゴの《軍神オグマの加護》は腕力や回復力、成長速度を向上させたり、語学知識を与えてくれる加護だった。
うん、ステータスにポイントを使わなくても良かったな。
次はジャンの能力だ!
【古の合成の秘技】
・2つ以上の素材に触れた状態で《合成開始》と唱えると1つ別の素材を生み出す事ができる。
・合成の材料にできるのは非生物の素材に限る。
・合成で生み出される素材は既存の物から未知なる物と幅が広く、材料によって異なる。
RPGとかでよくある『〇金釜』や『合成の〇』みたいな能力だな。
生産系の才能のあるジャンにはピッタリかもしれないな。
なお、本人はこれで大金を一気に稼げるかもしれないと考えているようだ。
そんなに都合よくいくのか?
なお、ジャンの持つ加護である《工芸神ベリサマの加護》は知力や器用度を向上させる効果があるようだ。
さて、ここで疑問に思うのが【職業】の欄だ。
ケビンの時同様、3人の職業が冒険者以外にも増えている。
ロビンくんに剣術や体術を教わったからという理由は違うだろうな。
それなら俺やケビンの職業にも“戦士”がないとおかしい。
大体、ケビンは魔法を教える前から“魔法使い”になっていた。
考えられるとしたら、意識か?
後は《職業補正》と《職業レベル補正》の影響だろうな。
確か《職業補正》は職業の変更が可能とか説明に書いてあったな?
物は試しだ!俺も職業が変わるように意識してみるか!
俺は剣士!俺は魔法使いだ!
よし、確認!
あれ?“高校生”が消えて“剣士”と“魔法使い”と“冒険者”の3つになった。
一度に付けられる職業は3種類までのようだ。
よし、検証終了!
とりあえず、ヒューゴ達の魔法修行はどうするかな?
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あれからさらに1時間以上経ち、辺りは夕焼け色に染まっていた。
俺達はと言うと・・・・・・
「―――――《ウィンド》!よし、出た!!」
「これで全員基本魔法は一通り覚えたな。じゃあ、後は魔力が空になるまで反復練習だけど、できるか?」
「全然余裕だ!!」
大丈夫みたいだな。
他の2人も疲れが溜まっているみたいだけどヤル気は十分あるみたいだな。
さてと、そろそろケビンの方も見てくるかな?
結局、俺は自分の修業はあんまりできなかったな。
・・・・・夜にこっそりやるか。
「じゃあ、俺はケビンの所に行ってくるからサボるなよ~~~?」
「「「サボらねえよ!!」」」
息ピッタリだな!
さてと、ケビンはどうしてかな~~~と!
俺はケビンがいる場所へ向かった。
すると、そこは・・・・・・・・・
「―――――――って、何だこりゃ!?穴だらけ!?」
「あ、シロウさん!」
そこは辺り一面が穴だらけになっていた、
俺が用意した標的用の的は跡形もなくなっていた。
何これ!?全部ケビンがやったのか!?
「・・・・ケビン、この惨状は一体・・・?」
「え、え~~と、練習してたらいきなり威力が少し上がって・・・・・・・壊れました♪」
壊れましたって・・・・・・。
まさか、補正によって一気に強くなったのか?
まずはステータスの確認だ!
【名前】ケビン
【年齢】10 【種族】人間
【職業】冒険者(Lv1) 魔法使い(Lv3) 【クラス】新米冒険者
【属性】無(全属性)
【魔力】0/27,600
【状態】正常
【能力】攻撃魔法(Lv3) 防御魔法(Lv3) 補助魔法(Lv4) 特殊魔法(Lv3) 剣術(Lv2) 体術(Lv2) 賢者の指輪 鑑定
【加護・補正】魔法耐性(Lv3) 精神耐性(Lv2) 全属性耐性(Lv2) 王の直感 知恵の器 魔法神マナウィダンの加護 職業補正 職業レベル補正
【BP】20
アレレ~~~!?
魔法使いのレベルが2つも上がってるし、魔力の最大値が8000以上増えてる!
そうか!魔法の修業をしたからレベルが上がって魔力も増えたのか!!
「レベルアップだな!」
「れべる・・・あっぷ?」
知らない単語らしい、当たり前か!
俺は簡単に説明するとすぐに理解したようだ。
あれ?そう言えばボーナスポイントも増えていないか?
まさか、レベルが上がるとポイントも増えるのか!?
だとすればラッキーだ!ドンドンレベルをあげてボーナス交換しまくれる!!
「勇者様~~~~~~~!」
「アンナちゃん?」
するとそこに、慌てた様子のアンナちゃんがやって来た。
何だ、バカ皇子が何かやっちまったのか?
あれ?アンナちゃんと言えば、何か重要な事を忘れている気がするけど、何だっけ?
「どうしたアンナちゃん、バカ皇子が問題起こしたのか?それとも甲冑1か!?」
「・・・・いえ、帝国兵の方々は疲れ果てて立ち上がる気力もないようです。ヴィルヘルム様も灰のように真っ白に・・・・・・」
村長、俺がいない間にどれだけスパルタやったんだ?
「じゃあ、どうしたんだ?」
「実は・・・・・私、さっき初めて《ステータス》を使ってみたんですが、そうしたら私が皇帝陛下の娘だって載ってたんです!私だけじゃありません!弟や妹達も調べてみたら同じだったんです!!」
「えええ!?」
あ、声をあげたのは俺じゃなくてケビンだ。
しまった!その事を忘れてたぜ!!
いくら村長に口止めされていたといっても、その時点でアンナちゃんは《ステータス》が使えるんだから意味ないじゃん!!
ていうか、よく今まで気付かれなかったな!?
さっき初めて使ったって、あんまり興味がなかったのか?
「・・・・・あのう、一緒にいる子は?」
「あ・・・・・・・!」
アンナちゃんはケビンに気付いたようだ。
ケビンも今の話をしっかり聞いている。マズイか!?
こうなったら4人のことは落ちついてから話した方が・・・・・・
「シロウさん、この人も僕のお姉ちゃんなの?」
「え!?」
ハイ、アウト!!
こうなったらロビンくんも入れて全部バラスしかないな!
もうどうにでもなれ!
・・・・・いや、それでバカ皇子だけは抜かしておこう。
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――ファル村 村長宅――
と言う訳で、俺と村長の立ち合いで「異母兄弟姉妹初面談会」、または「ファリアス皇帝被害者の会」が始まった。
「―――――――――――以上が私の知っている事です。アンナ皇女殿下、殿下達の身の安全の為とはいえ、今まで欺いてきた事を、このロン、御望みとあれば命を持って償う所存です!!」
おい村長!
小さい子もいる中でおっかないことしようとするな!
ニールとエレンなんか今にも泣きそうになってるよ!!
「や、やめてください村長!!私は村長を責めたりとかはしません!」
「そうです村長殿!村長殿のお蔭でみんなこうして出会えたんです!感謝はしても恨んだりする点などありませんよ!」
ハラキリしそうな村長をアンナちゃんとロビンくんが必死に説得する。
ヒューゴ達はと言うと、いろいろショックが大きすぎて複雑な顔をしていた。
というかマイカ、何ケビンにガン飛ばしてんだ?
「うう・・・・・!殿下達の御慈悲、このロン、生涯忘れはしません!!」
あ、何とか説得できたようだ。
それにしても、今後はアンナちゃん達を殿下って呼ぶのか、村長?
しかし、ここにいるメンバーの内9人が兄弟姉妹って・・・・・。
ヒューゴ達のことは村長も知らなかったようだし、他にも知られていない隠し子がいそうだな。
「あ、あの・・・・・・・!」
この中で最年少のエレンが口を開いた。
よし!この空気を何とかしてくれエレンちゃん!!
「わ・・・・わたし、名前はエレンです。は、初めまして、お兄ちゃん・・・・・・!」
ズキュン!!
今、見せない矢がヒューゴ達の胸に突き刺さったような音がした、気がする!
幼女特有の癒し系オーラが村長宅に充満していく、気がするぜ!!
「僕はケビンです!よろしく!」
「お、俺はジャンだ!」
ケビンとジャンも挨拶していった。
しかし、何だか合コンみたいな気がするのは俺の気のせいだよな?
「俺はマイカだぜ!勇者の兄ちゃんの一番の仲間だぜ!!」
マイカ、一言余計だぞ?
「・・・私はリンです。」
「ぼ、僕はニールです!」
「・・・・ヒューゴだ。」
あ、ヒューゴの奴、仏頂面してたけど顔が少し赤くなってるな?
照れ屋め!
その後、夕飯の準備ができるまでの十数分間で9人はそれなりに打ち解けあえた。
バカ皇子がいたらこうはいかなかったろうな?
――――――――村長怖い・・・・村長怖い・・・・・村長怖い・・・・・・怖い・・・・!
――――――――殿下逃げましょう!このままだろ死ん・・・・・・ウゲェ~~!
外から何か聞こえるが気のせいだろ。
さて、明日はファルの森に薬草の採取に行くか!
バカ皇子は逃げられなかった。
バカ皇子の仲間は過労で嘔吐した。
バカ皇子達はすぐに村長に捕まった。
次回は明日か明後日の予定です。