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ボーナス屋、勇者になる  作者: 爪牙
ダーナ大陸漫遊編
230/465

第223話 ボーナス屋、エルフの里を散策する

 豊穣神アヌ――――日本にいる時にちょっと調べたら、大地母神でダーナ神族の母神であるダヌと同一視される事の多い女神だそうだ。


 その女神が今、クロウ・クルワッハと一緒に俺達の前に降臨した。


 何故か花吹雪が舞ってるけど。俺はそれ以上に気になるものを見つけてしまった。



――――豊穣神アヌは『爆乳』だった!!



 女神らしい衣装で隠しているけど完全には隠し切れていない。


 何アレ!?


 あんなサイズって、現実的に有り得るのか!?


 まさか、あれが俗に言う『爆乳』を超える『超乳』……!?


 いやいや、落ち着くんだ俺!!


 今はそんな事を気にしている場合じゃない!!


 落ち着け、落ち着くんだ俺!!






--------------------------


 魔法で強引に冷静になった。


 ふう、危うく色んな意味で危なくなるところだった。



『――――で、今回はどんな用で呼んだんだ?』


「神なら言わなくても解ってるんじゃないか?」


『…まあな。随分と誤解されているようだ、な?』



 クロウ・クルワッハは視線を俺からエルフ達に向けた。


 そのエルフはと言うと、全員が「The DOGEZA」だった。


 いや、全員じゃなくて一部は真っ白になって昇天しかけているエルフもいた。


 そして若エルフは全員失禁していた。



『――――森の子らよ、こうして直に話すのはお前達は初めてですね』


「ハハッ!!アアアアア、アヌ様!!私は、当代の長をしているアングと申しますっ!!偉大な豊穣の女神、アヌ様、龍神、クロウ・クルワッハ様ににじじ直に……ここ、光栄の極みであります!!」



 長は額を地面に埋めながら声を震わせていた。


 あれだけ豊穣の神を連呼してたから豊穣神を呼べば、と思ったけど予想以上だな?



『――――さて、森の子らよ、貴方達に先日の異変の真実を語りましょう』


『俺の契約者に冤罪が掛かっているようだしな。当事者の1人として話してやろうか』



 そして龍神&女神はエルフ達に聖都での事件の顛末を語っていった。


 お蔭で俺達の冤罪は張れた。


 ちなみにクロウ・クルワッハ、俺がドジ踏んだ点については触れないでくれた。



「――――では、愚息達が精霊から聞いた話と言うのは?」


『それは術者(そいつら)が未熟なのを良い事に、好き勝手に弄ばれただけだろう。噂をすれば来たようだな』


『ヤッホ~!クロウちん、アヌちんオッヒサ~~~♪』


「あ、シルフィード!!」


「「「風の精霊王様!!」」」



 呼んでもいないのに、シルフィードはバサバサと背中の羽を羽ばたかせながら俺達の前に現れた。


 その手には、どっかで見た様なプチ精霊達が泡を噴きながら掴まれていた。


 あ!あれは何時ぞやの精霊ズ!!



『この子達、シロウに逆恨みして根も葉もないデマをエルフ達に流してたんだよ~♪あ、ちゃんと罰を与えるから安心してね♪でも~、精霊にアッサリ騙されるなんて、エルフとしては駄目過ぎじゃな~い?』


『―――だ、そうだ』


「か、返す言葉もありません……」



 長は顔を真っ赤にしながら頭の半分を地面に沈めていた。


 自分の後継者である息子や、その仲間達の未熟ぶりに穴があったら入りたい心境のようだ。



『さ~て、シロウを貶めようとした罰、たっぷりやっちゃうからね~♪最初はイフリート特製、マントル風呂の刑だよ~♪』


『『『ヒィィィィィィィィィ!!!』』』



 シルフィード達は帰っていった。



『じゃあ、用が済んだようだから俺達も帰るとしよう。また何かあれば呼べ。俺も呼ぶから』


「おう!またな、クロウ・クルワッハ!」


『クロウでいい。じゃあな』


『では私も。そうそう、今までのルーヴェルトでの功績を評し、貴方への加護を増やしておきました。勇者大羽士郎、此度は私の友人を救っていただき、ありがとうございました。では、また会える日をお待ちしております』



 クロウ・クルワッハとアヌも何処かに帰っていった。


 加護を増やした?


 ちょっと確認してみよう。




【名前】『ボーナス屋』大羽 士郎

【年齢】16  【種族】人間

【職業】英雄(Lv70) 神器王(Lv68) 神殺之勇者(Lv70)  【クラス】大人になった勇者

【属性】無(全属性)

【魔力】6,900,000/6,900,000

【状態】正常(完全健康体)

【能力】大魔王流勇者之魔法(Lv5) 勇者之属性術(Lv5) 勇者之精霊術(Lv5) 剣聖流勇者之武術(Lv5) 勇者之闘気術(Lv5) 隠形秘術(Lv3) New! 錬金術(Lv3) 祈祷術(Lv4) 勇者之大召喚術 支配の秘法 魔獣使いの秘技(テイマースキル)  真・応報之絶対真理(ネオ・トゥルース・リウォード) 吸収之超人(ドレインマスター) 命無き物の可能性(アイテムエボリューション) 進化する可能性(スキルエボリューション) 摩訶不思議な情報屋(エクセレントリポーター) 真・光の魔剣(クラウ・ソラス) 真・貫く光(ブリューナク) 戴冠石(リア・ファル) 神代之真眼(レジェンド・アイ) New! 黒蛇鞭ナーガ

【加護・補正】物理耐性(Lv4) 魔法耐性(Lv4) 精神耐性(Lv5) 闇属性無効化 土属性無効化 時属性無効化 他全属性耐性(Lv5) 全状態異常無効化 全能力異常無効化 精力増強 完全健康体 神速再生 神速回復 思考加速 完全詠唱破棄 危険察知 柔軟な肉体(ソフトボディ) 神殺し 魔王殺し 竜殺し 魔獣ハンター 悪魔殲滅者 呪詛殲滅者 浄化大王  黄泉返り(笑) 救世主 超克者 大魔王(剣聖)の弟子 試練に打ち克った者 土神ハニヤスの加護(+2) 豊穣神アヌの加護(+2) New! 銀腕神ヌアザの加護 母神ダヌの加護 太陽神ルーの加護 知恵神オモイカネの加護 七福神弁財天の加護 漬物女神カヤノヒメの加護 冥府神????の加護 コッコくんの加護 龍神クロウ・クルワッハの契約  万能翻訳 職業補正 職業レベル補正

【BP】1473



 おお!


 確かに《豊穣神アヌの加護(+2)》になってる!


 内容はどうなってるんだ?



【豊穣神アヌの加護(+2)】

・《土壌改良》、《品種改良》、《成長促進》、の3種類の魔法が使えるようになる。

・土・木・闇属性に対する耐性が大上昇する。

・土・木属性の効果が中上昇する。

・陸に生息する魔獣との相性が上がる。



 能力上昇系の加護と、魔獣と仲良くなれそうな加護が追加されたようだな。


 それにしても、《冥府神????の加護》は相変わらず名前が伏せられたままだな。


 一体、どういう神様なんだろう?






--------------------------


 エルフの長と重鎮達が領主さん達に謝罪している間、俺はこっそりとエルフの里の中を散策した。


 エルフの住居は木造建築が殆どで、半分くらいはツリーハウスだた。


 その住人達はと言うと、自分達が信仰している神様の降臨のショックで未だに放心状態だった。



「ああ………神様………」


「これは……夢………?」


「……………あはは」



 エルフは魔力を鋭敏に感じる分、そのショックが大き過ぎたんだろうな。


 閑話休題


 暫く里の中を歩いていると、里の一角に他の住居と比べて遥かにみすぼらしいボロ屋の集落があった。


 そしてそこには、ボロボロの服を着たエルフ…っぽい人達が暮らしていた。


 近付こうとすると、俺の跡をついてきたらしいエルフが止めに入った。



「―――御客人!ここは立ち入り禁止でございます!」


「なあ、あそこにいるのって、ハーフエルフ?」



 その集落に住んでいたのはハーフエルフだった。


 主に里を出たエルフがエルフ以外の種族と交わって生まれたハーフエルフを隔離する場所らしく、里のエルフ達も滅多に近寄ろうとはしない場所らしい。



「ハーフはエルフの血を引きながら魔法を一切使えない半端者、長は里の一部に住まわせる事を許してはいますが、我々には理解できません。あのような者達をこの里に住まわせるなど……」



 エルフの男はあからさまに不快な表情をした。


 エルフの里では、ハーフエルフは差別の対象らしい。


 だけど俺には関係ないのでハーフエルフ達に近付くと、ハーフエルフ達は一斉にボロ屋の中に隠れだした。


 怖がってるのか?


 俺は窓から顔を覗かせている1人のハーフエルフの少女に話しかけてみた。



「……誰なの?私達を始末しに来たの?」


「いやいや、只の通りすがりの観光客だよ。というか、始末って?」


「……みんな言ってる。エルフは私達が嫌いだから、こっそり森に連れて行って殺すって」


「物騒だな!本当にそんな事があったのか?」


「ううん。けど、みんなそう信じてるわ。エルフは皆、私達を「忌み子」って呼んで邪魔者扱いしているから……。それに、外に逃げようとした人はエルフ達に魔法で容赦なく攻撃されてしまうから、皆何時殺されるのか怯えているわ」



 酷いな。


 差別をする上に、里の外に出そうともしないのか。


 ハーフエルフは存在自体がエルフの恥だから外に出したくないってことなのか?


 だけど、あの長を見る限りじゃ、そんな酷いことを率先するとは思えないんだよな。


 実際、他のエルフが嫌がってるのにハーフエルフ達を里の中に住ませているんし……まさか、また一部のエルフが長の目を盗んでやってるのか?


 調べてみよう。



▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

『検索:エルフの里でのハーフエルフ』


 エルフの里に住んでいるハーフエルフは、その大半は里の外に出たエルフの女性が人間を含めた異種族と交わって生んだ子供である。

 現在のエルフの長は、里の外でハーフエルフが奴隷にされたりしていることを恐れ、また、自分の子供の保護を願う親達の願いを聞き届けて里の中にハーフエルフの集落を作り、ハーフエルフ達が外の世界に出ないようにエルフの戦士達に監視させた。

 だが、一部のエルフ達は長の指示を邪推し、集落を一族の恥であるハーフエルフを軟禁する為の場所だと勝手に判断してハーフエルフ達に非道な行為を働いていた。

 その誤解は暫くして解けたが、非道を働いたエルフの戦士達は長に裁かれる事を恐れ、口裏を合わせて誤魔化している一方、偶にハーフエルフ達に暴行をしてストレスの発散を行っている。

 しかし数分前、その非道なエルフの戦士達は里に降臨した豊穣神アヌの断罪を受け、加護と魔法の力の全てを失った。

 そして現在、それを生で目撃した『風の精霊王』シルフィードは世界中の精霊やエルフ達にその事を喋りまくっている。


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲



 やっぱりそういう事か。


 しかも何時の間にか天罰が落ちてるし。


 アヌ様グッジョブ!!


 そしてシルフィード、お前は何をしている?



「……あなたは、外の世界から来た人?」



 ハーフエルフの少女は何時の間にか俺に対して怯えず、逆に何かに目を輝かせていた。



「そうだけど、君は里の外に出たいの?」


「……うん。私、里の外に出てお父さんに会いに行きたいわ。だけど、それは無理な夢よ。出て行こうとしたら、あのエルフ達に殺されてしまうわ。他の人は死ななかったけど、次は殺されるかもしれない」


「ああ、その人達ならさっき神様に裁かれたから大丈夫だぞ?」


「え!?」


「さっき、あっちで神様出たのは見たよな?(クロウ・クルワッハが)デカかったし。それで、神様が君達を虐めてた人達に天罰を落としたから、もう外に出ても殺されたりはしないぞ?一応、長に話をしてからの方がいいかもしれないけど」



 ハーフエルフが外に出ないように命じたのは長だし、勝手に出ていくよりはちゃんと話をしてからの方がいいよな。


 すると、さっきから隠れていたハーフエルフ達が一斉に飛び出してきた。



「今の話は本当!?」


「外に出られるの!?」


「俺見た!!さっき、むこうに大きいドラゴンがいた!!」


「世界樹から綺麗な人が出たのも見た!!」


「ままに会えるの?」


「ぼく、父ちゃんに会いたい!!」


「俺も!」


「あたしも!」



 みんな家族に会いたいんだな。


 俺にはもう親はいないからこの子達の気持ちは分かる。


 親が生きてるなら、一目でも会いに行きたいし、可能なら一緒に暮らしたい。


 この子達の目を視て、俺は決意した。



「よ~し!!俺がお前達を家族に会わせてやるぞ!!」


「「本当!?」」


「ああ、本当だ!ついでに、お前達全員を魔法が使えるようにもしてやる!」


「え?できるの。そんなこと?」


「ああ、勿論!」


「嘘……魔法が使えるの…お母さんみたいに…!」


「じゃあ、早速始めるぞ!ええと、そういえば名前を聞いてなかったな?俺はシロウだけど、君は?」


「私はアイリス、アイリス=ウッズよ」



 彼女、アイリスは希望を思い出したかのような明るい笑顔で俺に名前を教えてくれた。


 さっきまでは暗くてよく見えなかったけど、よく見ると可愛いな。


 今は汚れているけど、洗えば綺麗そうな銀髪に碧眼、それにアヌ様には遥かに劣るけど確実にD以上はある大きな……あれ。


 いやいや、今はソレのことよりもボーナス!ボーナス!



「――――終わった!」


「え、もう終わったの?」


「ああ、《ステータス》って叫んでみろよ?」



 手早くボーナス交換を終え、俺はアイリス達に自分達のステータスを確認させた。


 それを俺も横から見る。


 手早く終わらせたから、ちゃんと確認してないんだ。


 まずはアイリスからだ!










*『超乳』…人知を超えた、この世には存在しないはずの領域に至った伝説の乳。女神の中でもこの域に達しているものは少ない。


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