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ボーナス屋、勇者になる  作者: 爪牙
聖国編Ⅲ-????の章-
210/465

第203話 ボーナス屋、契約する

――聖都上空――


 オリンポス十二神の1柱、ヘルメスが命名した『金色のスーパージャイアントコッコくん』は巨大な翼を羽ばたかせながら飛翔した。


 その姿は雄々しく、放たれる輝きは暖かく目映い。


 地上に金色に輝く雪を降らせながら飛び、標的の下まで数秒とかからず追いついた。



『オオオオ!!??』



 逃走中のクロウ・クルワッハⅡはもう逃げられない。


 すぐ後ろには、自分よりも大きい巨大鶏がいたのだから。



『ゴォ~~~ケェ~~~!!』



 大きく嘴を開ける金色のスーパージャイアントコッコくん!


 そして―――



『オオオ――――』


『ゴゲ!!(パク!!)』



 美味しく食べました。


 おしまい。



〈クロウ・クルワッハⅡを倒した!〉


〈『魔神』バロール(魂&力)達は撤退した!〉






--------------------------


――聖都――


 戦いは終わった!


 邪悪は消え、空を覆っていたも暗闇も消滅して綺麗な夕焼け空になった。


 勝利した俺達は地上に下りてブラスの介抱をしていたアンナちゃん達と合流した。


 そして、『魔神』から完全に解放されたクロウ・クルワッハを交えてのお話会を始めた。



『なるほど、当代の勇者は人間を辞めたか。』


「いや、辞めてないから!」


『どう見ても辞めてるだろ?やっている事が人間の域を越えている。』


「それ、大昔基準だから!今はまだまだ人間の域だから!」


〈だが、勇者は人間を辞めつつあった!〉



「うるさい!」


『その声はヘルメスか?そこで何をしてるんだ?』



 俺はその後も「俺は人間だ!」とクロウ・クルワッハに説いていった。


 幾ら俺がチートでも、まだ人間は辞めてない!



『まあそれはいいとして、今回は本当に助かった。まさか、あのバロールの呪縛を消すことができる者がいるとは思ってもいなかった。心から感謝する。』


「いやあ、それほどでも~♪」


『盛大に礼をしたいところだが、今の俺は神格を失っている。できる礼は微々たるものでしか……』


「あ!それ、取り戻せるぞ?」


『何!?』



 俺は戦いの最中に進化した俺の能力、《真・応報之絶対真理》を起動して、新たに追加された神様系ボーナスの中から、次のボーナスを選択し、交換した。



〈神格復活(神&元神専用)〉 1000pt~

・過去に失われた神格の一部、または全てを復活させる。

・復活させる神格の数や種類によって必要なポイントは異なる。

・これは神格を失った者にしか交換できない。



 こうしてクロウ・クルワッハは無事に神様に復帰したのだった。



〈クロウ・クルワッハは正式に再び龍神になった!(Σ( ̄□ ̄lll) マジ!?)〉



 ちなみにステータスは以下の通りだ。



【名前】『太陽と月の龍神』クロウ・クルワッハ

【年齢】193,085,225  【種族】龍族(金の氏族)

【職業】龍神 太陽神 豊穣神  【クラス】復活した龍神 New!

【属性】無(全属性)

【魔力】5,110,000/9,560,000

【状態】回復中

【能力】龍神之神魔法(Lv5) 龍神之武芸術(Lv5) 龍神術(Lv5) 太陽神之御力(Lv5) 豊穣神之御力(Lv5) 冥府神之御力(Lv4) 生命神之御力(Lv4) 龍神眼 黄金の太陽 白銀の月 神之息吹 生命の息吹 生命創造 奇跡の雫 祝福の煌き 龍神の宝物庫 etc

【加護・補正】物理耐性(Lv5) 魔法耐性(Lv5) 精神耐性(Lv5) 光属性無効化 土属性無効化 他全属性耐性(Lv5) 全状態異常無効化 全能力異常無効化 完全詠唱破棄 超速再生 超回復 不老長寿 金色の鱗光 悠久の記憶 神の威光 神ハンター 悪魔ハンター 天使ハンター 天魔ハンター 超次元ハンター 龍の王 神代の龍 悠久の龍 天地の覇龍 神と魔を喰らう者 龍神 New! 太陽神 New! 冥府神 New! 豊穣神 New! 生命神 New! etc

【BP】3999



 神様はポイントがたっぷりあるから、余裕で神格を全部復活させられた。



『やっぱり人間辞めてるだろ?』


「人間だよ!」


『まあいい、そういうことにしておこう。』



 俺、人間だよ?



『―――よし!勇者、俺と契約をしないか?』


「え!」


『元来、並の人間が龍神(オレ)と契約するのは奇跡に近いが、勇者なら問題なくできるだろう。以降は、お前の求めに応じて(都合がよかったら)何時でもお前の力になろう!(その逆もあるが)』


「……今、最後に何か隠さなかったか?」



 まあ、そんな流れで俺はクロウ・クルワッハと契約する事になった。


 これは後で知った事だが、並の人間がクロウ・クルワッハと契約した場合、龍神の圧倒的な力に心身が耐え切れずに即死、良くても廃人になってしまうそうだ。


 チートで助かった。



『――――それと、これは忘れ物だ。』


「あ!『魔釜』!」


「そういえば、すっかり忘れてたな?」


「本来の目的なのにな?」



 クロウ・クルワッハはポンと俺達の前に『ダグザの魔釜』を出した。


 戦いにばかり気がそれて、『至宝』のことはすっかり忘れていた。


 ヒューゴ達を見ると、あいつらも俺と同様に忘れていたようだ。



『俺には必要のない代物だ。本来の持ち主であるダグザも、今は所有権を放棄しているようだからお前達で好きにすればいいだろう。』



〈勇者は『ダグザの魔釜』を手に入れた!〉


〈勇者は『四至宝』を全て集めた!〉



 最後は簡単に手に入れちゃったな。


 さてと、どんな能力があるのかな?



【ダグザの魔釜】

【分類】魔法の釜(神器)

【属性】無

【魔力】∞

【ランク】SSS

【品質】最高品質

【用途】――

【詳細】ダーナ神族の最高神ダグザが持っていた釜。

 ダーナ神族に伝わる『四至宝』の1つである。

 この世の理すら無視した力を秘めているとされている。

 封印から完全に覚醒しておらず、能力はまだ不完全な状態である。

 この釜を置くと、どんな荒れ地や汚染された大地も浄化されて作物が育つようになる。

 釜の中からほぼ無限に食糧が出てくる。(ただし、野菜や果物といった大地で収穫できる物に限る。)

 中に入れた存在を半永久的に封印する事ができる。

 死者を入れると蘇生させる事ができる。(ただし、死後12時間以内で死因が老衰などによる自然死意外に場合で、尚且つ魂が消滅していない場合に限る。)



 これはまたチートだな。


 不完全な状態でも死んだ人間を生き返らせることができるとは…。



「完全覚醒にはまだ時間がかかりそうだな?」


『いや、今すぐにでも完全覚醒させられるぞ?」


「え?」



 できるの?


 なんて思ったら、クロウ・クルワッハは視線を俺からロルフの方に向けた。



『そこの小僧、お前はダグザの眷属(・・・・・・)の末裔でダヌの加護を持っているな?お前の血を使えば、『魔釜』はすぐに覚醒させることができるぞ?』


「え、俺が?」


「ロルフがか!」


『キュア?』



 みんな、ロルフの方を見て驚いている。


 そうか!


 そういえばロルフの父さんはミストラル王国の王弟、つまりロルフは王族だ!


 俺の情報屋さんも「()ミストラル王国の王家に2名」って言っていたしな。


 その2名の中にロルフが入っていたってことか。



「……そうか、父親は王族か。」


「ブラス?」



 すると、回復したブラスが苦笑しながら呟いた。



「皮肉な話だ。あの一族(・・・・)が彼の国を落としたお蔭で、彼の国やアリアドナは我らの魔手から逃れられたとは……。いや、奴のことだ。全て知っていた可能性もあるか」



 なんだかブツブツと独り言を始めたな。


 要約すると、大魔王一家がミストラル王国を乗っ取ったお蔭で、ブラスは妻や孫の居る国を襲撃しなくて済んで安心したってことか?


 そして大魔王は全てお見通しってこと?



〈大魔王は何時でも見ている………〉



 …ということだそうだ。



『ホウ?お前はバロールの手駒をしていたのか?』



 呟きが聞こえたのか、クロウ・クルワッハはブラスを睨んだ。


 あ、まさか処刑とかする気なんじゃ……?


 クロウ・クルワッハにとっては仇敵の手下な訳だし、敵と思ってもおかしくは無い。



「その通りだ。私はお前の仇敵である7柱の神の捨駒の1人だ。察しの通り、今回の一件の主犯でもある」


『…………』


「最早、私には彼の7柱に従うつもりはないが、犯した罪から逃れようとは思っていない。如何様な罰でも甘んじて受けよう。」


『―――ならば、見せろ(・・・)。』


「!!」


「お祖父ちゃん!!」



 一瞬、クロウ・クルワッハの両目が光ったと思った直後、ブラスは急に全身を硬直させた。



〈クロウ・クルワッハは《龍神眼》でブラスの全てを視た!〉


〈クロウ・クルワッハは現代知識を覚えた!〉



 ブラスの記憶を覗いたってことか。



『――――成程(・・)。もう、それだけの時が経っていたか。ブラスといったな。お前はもういい。俺の気が変わる前に消えろ。』


「……感謝する。」



 ブラスはクロウ・クルワッハに頭を下げると、その場を去ろうとして不意に足を止めた。



「―――この者達を頼む。」



 俺達の前に、意識を失っている2人の女と1人の老人が現れた。


 あ、そういえば教皇が攫われていたんだっけ?


 クリスピーくん以上に忘れてた。


 ああ、ちなみに『魔釜』の“鍵”だったもう1人の王女様は俺の四次元倉庫の中にいる。



「……待てよ、お祖父ちゃん!」



 そして立ち去ろうとするブラスをロルフが止める。


 あ、なんだかテンプレな展開になってきた気がする。



〈(神は空気を読んで黙っている!)〉



 ……ある意味読んでねえよ。



「どこに行くんだよ!?」


「……ロルフ、私の事は忘れろ。アリアドナにも、お前の祖母さんにもそう伝えておけ。」


「嫌だ!!」


「私とお前は一緒にいるべきではない。私の近くにいれば、浴びなくてもいいものを浴びる事になる。私のことは忘れ、幸せに暮らせ。」



 ブラスはそのまま《転移》を使ってこの場から消えようとした。


 きっとブラスも本当はロルフの傍に居たいけど、自分は犯罪者だから一緒に居たらロルフを不幸にすると考えているんだろう。


 幸い、ロルフとブラスの関係を知っている人間はまだ一握りだから、このままブラスが消えればその他大勢にばれる心配はない。


 けど、それってハッピーエンドじゃないから俺も納得できないな。



「――――Adios(さらばだ)



 そしてブラスはこの世界から姿を消して―――



――――ガシャ!



 いかなかった。



「!?」


「逃がすか!!」



 転移の直前、ブラスは全身を鎖で縛られていた。


 あれった確か、戦闘前にロルフがボーナスで交換した能力だよな?



〈ロルフはブラスを獲ったど~!〉



 ヘルメス……。


 と、そこに大勢の人達が転移してきた。



「シロウ!!無事か!?」


「シロウ殿!急に聖都に繋がる転移穴(ゲート)が消えましたが、御無事ですか!?」


「おらあああ!!敵は何所だあああああああ!!??」




〈出番の無い人達が現れた!〉



 ヘルメス、いい加減にしろ!







 士郎は龍神と契約しました。

 契約の効果により、士郎は更にチートになりました。


 聖国編はまだ続きます。




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