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ボーナス屋、勇者になる  作者: 爪牙
聖国編Ⅲ-????の章-
209/465

第202話 ボーナス屋、最終攻撃(ファイナルアタック)!

 これは後になって発覚するのだが、俺はちょっと頑張り過ぎたようだ。


 相手が邪悪な大ボスだったこともあり、俺は攻撃の全てに“聖なる力”を練り込んでやった。


 正確には光属性をちょっと応用させた力だが、コッコくんと合体した――それに加え、3つの『至宝』や沢山の加護の効果――俺が放ったそれは下級悪魔なら刹那で即死、中級悪魔も瞬殺、上級悪魔も長くて5秒で死んでしまうほどの強烈なものだった。


 特に強かったのが全属性を融合させた攻撃と、止めに使った光の柱の2つだ。


 空間すら歪ませたあの攻撃の影響はダーナ大陸全土に広がり、その時点でダーナ大陸に存在した悪魔やアンデッド系魔獣は例外なく全て浄化されて消滅した。


 さらには呪いという呪いも消滅し、呪われた人は一瞬で復活、呪いのアイテムはガラクタと化し、呪いや禁忌に手を出した人々にはすぐに代償が襲い掛かった。


 そして“聖なる力”の定番の1つである癒しの効果も炸裂し、大陸全土に生きる全ての人々…どころか野生動物や魔獣も元気100%になった。


 そのせいもあり、この1年後には絶滅危惧種の魔獣が大量発生するという問題が発生するのだが、それはまた別の話だ。


 さらに付け加えると、直にこの光を浴びた聖国中の鶏がコッコ団化してたりもする。


 だけど、これよりももっと凄い事があの後起きていた。






〈チーム魔王モドキが全滅した!〉



「おいシロウ!こっちも巻き添えくらう処だったんだぞ!!」


『キュア!』


「ゴメン!!」



 どうやら、魔王モドキ達の一部は俺の攻撃の巻き添えで消滅したらしい。


 それ以外は超コッコ団(仮称)と合体したヒューゴ達の手で倒したそうだ。



『『『ゴケェ~!』』』



 合体を解除した超コッコ団(仮称)の嘴には生贄にされた敵モブズを加えながら飛んでいた。


 気のせい……いや、気のせいじゃないな。



「…なあ、こいつら、何か変わってないか?なんか、スッゴク神々しく光ってるんだけど?」


『『『ゴケェ~!!』』』



 超コッコ団は滅茶苦茶輝いていた!


 バーニング&ゴールデンに!



「ああ、なんか魔王を喰ったらああなった!」


「またか!」



 何それ!?


 魔王って、超コッコ団(仮称)を進化させる奇跡の食材なのか!?



〈コッコ団は神鶏から神鳳凰鶏に進化した!〉



 鳳凰なのか鶏なのかハッキリさせてほしい。


 それはそうと、これで戦いは終わりだよな?



〈あ!世界の外にヤング魔王×10が現れた!〉


〈ヤング魔王(DD)は聖剣カーテナを抜いた!〉


〈ヤング魔王(JD)は慈愛の天使(ガブリエル)を強制召喚した!〉



 ヤング魔王……。



「シロウさん、まだ魔王がいるみたいです!!」


「嘘だろ!?10体もいるのかよ!?」


「いや、あれは魔王だけど魔王じゃないんだ!というか、絶対に敵にしちゃいけない人たちだから!」


「ワケ分かんねえ。」



 そういえば、ヒューゴ達は大魔王一族のことを知らないんだっけ?


 あの一族でみんなが知ってるのはルチオだけだからな。


 今説明しても分からないかもしれないな。


 というか、何であの一族はみんな伝説級の聖剣や魔剣を持ってるんだ?



〈………………聞かないで。 by神〉



 なんか、凄く悲しい声が聞こえた気がする。



『ゴケゴケェ!ゴケッゴォ!』


「ん?」


「シロウさん、テバサキくんが何か言いたいそうです!」



 超コッコ団(仮称)の1羽が何か慌てた様子で俺の下に飛んできた。


 何かあったのか?



『ゴケゴケゴケェ~!(クリスピーの姿がありません!)』


「え?」


『ゴケゴケゴケェ~!(地上に出たあたりから見てません!)』


「………」



 クリスピー、何所いった!?



――――ピロロ~ン!



▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

『クリスピー、クロウ・クルワッハと友達になる!』


 エオカイド遺跡に1羽置いてけぼりにされていたクリスピーは、同じく残っていたクロウ・クルワッハと友達になり、一緒に地上に向かって動き始めた。

 クリスピーはクロウ・クルワッハが分離した際のドサクサで仲間からはぐれてしまい、一緒に転移してもらえずに遺跡の中に置いてけ堀にされてしまった。

 その後、仕方なく昼寝をしていたがクロウ・クルワッハの呻き声で目を覚まし、ゆっくり昼寝する為に回復させながら言葉を交わすと意外にも仲良くなり友達になった。

 クリスピーはクロウ・クルワッハの頭の上で昼寝しながら地上に向かって来ている。

 尚、クリスピーは回復のお礼としてクロウ・クルワッハ秘蔵の『太陽の果実』を貰い食べた。


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲



「「「…………」」」



 これを見た俺達は一斉に言葉を失った。


 クリスピーくん、ゴメンなさい!!


 あの時はみんな一緒だと思ってたんだ!



〈クリスピーは《(元)龍神クロウ・クルワッハの加護》を獲得した!〉


〈あ!クリスピーは鳳凰に進化した!〉


〈クリスピーは《人化》を獲得した!〉



「は?」



 クリスピー、俺の知らない内に鶏を卒業しちゃったのか?


 1羽だけ本当に鳳凰に進化?


 それ、コッコくんよりもスゴイの?


 なんて考えた直後、空から何か嫌な感じがしてきた。



「―――う!何だこれ!?」


「おい!空が歪んでないか!?」



 空を見上げると、空の空間が波打つように歪んでいた。


 おかしい。


 バロール(体)も魔王モドキも全滅させたのに、空がまだ真っ暗闇だ。



〈あ!ブチギレたバロール(魂&力)が世界(ルーヴェルト)に無理矢理穴を開けた!〉


〈バロール(魂&力)が暗黒龍クロウ・クルワッハⅡを生み出して放り込んできた!〉



 おいおい、Ⅱって何だよ、Ⅱって!!


 体を倒された魔神がやけくそで暴走し始めたみたいだな。


 なんて考えている間に、時空の穴から敵さん登場だな!



『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!』



 デカい!


 姿形はクロウ・クルワッハと同じだけど、サイズは二回りは大きい!


 ブチ切れて放り込んでくるだけはあるな。



『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!』



〈クロウ・クルワッハⅡは《破滅の轟砲(デストラクション・ブラスター)》を放とうとしている!〉



「全部リセット!!」


『オオオ――――!?』



〈クロウ・クルワッハⅡの攻撃は不発に終わった!〉


〈クロウ・クルワッハは混乱した!〉



 リセット最強だな!


 ステータス調整の方も、当然全部ゼロにしておく。


 これで後は叩き放題だ!



〈邪悪な軍勢の一部がルーヴェルトに侵入した!〉


〈龍王(銀)は魔王マモンを倒した!〉


〈龍王(銀)の《魔王殺し》は《魔王ハンター》になった!〉



 敵もそう甘くはないようだ。


 クロウ・クルワッハⅡが出てきた穴から、無数の触手の化け物みたいなものが出てきた。


 キモ!?



「何だよアレ!?気持ち悪!!」


「あからさまに邪悪だな……」


「シロウさん、アレも倒すんですよね?攻撃していいですか?」


「あ、ああ…!キモイからさっさと倒すぞ!!」



 俺は翼を羽ばたかせて急上昇しようとした。


 だがその時、地上から轟音と共にその声が聞こえてきた。



『―――――その必要はない!』


『ゴケ?』



 教皇庁があった場所から金色に輝く元祖クロウ・クルワッハが飛び出してきた。


 頭に進化したてのクリスピーくんを乗せて。



『滅びよ!バロールの眷属ども!!』



 頭の上に寝起きのクリスピーくんがいなければかなりカッコいい元祖クロウ・クルワッハは、混乱しているクロウ・クルワッハⅡやキモイ触手の化け物に向かって特大のブレスを放った。


 それはまるで太陽の焔を撃っているようなブレスで、聖都全域を金色の光で飲み込みながらそのブレスは敵を貫いた。



〈クロウ・クルワッハの《黄金に輝く光の星屑(シャイニングゴールドスターダスト)》は時空を貫いた!〉


〈邪悪な軍勢は全滅した!〉


〈『魔神』バロール(魂&力)に大ダメージを与えた!〉


〈悪魔マステマを倒した!〉


〈ヤング魔王(OL)はベストショットを撮影した!〉



 とんでもない破壊力だな。


 ヘルメス、まだ忙しく喋っているけどよくかまないよな?


 だけど、このとんでもない攻撃を凄い幸運で生き延びていた奴がいた。



〈クロウ・クルワッハⅡは逃げ出した!〉



『オオオオオオオオオオオオオ………!!!』


『ム!そうか、紛いなりにも俺の模倣品(コピー)、俺の攻撃では致命傷を受けないように生み出されていたということか。』



 どうやら能力や補正と関係なしに、あのⅡは元祖の攻撃では死なない体をしているようだ。


 流石は神が生み出しただけはあるな。


 限定的にチートだ!



〈ゴケェ!(勇者様!)〉


「ん?どうした、コッコくん!」



 突然、頭の中にコッコくんの声が聞こえてきた。



〈ゴケェゴケゴケェ~!(僕達で止めを決めましょう!)〉


「おお!?クラウ・ソラスとブリューナクが!!」



 すると、俺の両手にあったクラウ・ソラスとブリューナクが光りだして1つに合体した。



〈コッコくんは最終兵器形態(ファイナルウェポンモード)になった!〉



 それは俺の身の丈を超えるサイズの、光り輝く黄金の大剣だった。


 柄が長く、刀身の先端が5つに分かれている。



「これを使えってことか!コッコくん!」


〈ゴケェ!(はい!)〉



 俺は大剣を持つと、時空の穴に飛び込もうとするクロウ・クルワッハⅡに向かって勢いよく振るった。


 確実に倒す為、魔力を全部込めた。



「イケェェェェェェェェ!!!」



 そして、この戦いにおける俺の最後の攻撃が放たれた。


 金色に輝く魔力の塊、それが聖都だけでなく聖国全土を明るく照らした。


 そして――――






『ゴォ~~~~ケェ~~~~~~~~~~!!』






 大剣から放たれたそれは、大きな声を上げながら天に向かって飛翔した。


 何アレ!?



〈金色のスーパージャイアントコッコくんが発射された!(ちょ!何アレ!?)〉







『ゴォ~~~~~ケェ~~~~~~~!!』









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