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ボーナス屋、勇者になる  作者: 爪牙
聖国編Ⅲ-????の章-
205/465

第198話 ボーナス屋、間に合わなかった

 変な声が聞こえてきた!



〈コッコくんは《神聖なる食事(レジェンド・イーター)》の効果を発動した!〉



 ほら、また!


 誰の声だ!?



「…勇者様、不思議な声が聞こえてきます。」


「あ、俺だけじゃないんだ!」



 どうやら、声は俺以外にも聞こえているようだ。



〈コッコくんは《霊体化》を獲得した!〉



 おお!


 声の主は不明だけど、コッコくんがまたパワーアップした!



〈コッコくんは《大減衰》を獲得した!〉


〈コッコくんの《物理耐性(Lv4)》は《物理耐性(Lv5)》になった!〉


〈コッコくんの《魔法耐性(Lv4)》は《魔法耐性(Lv5)》になった!〉


〈コッコくんの《精神耐性(Lv4)》は《精神耐性(Lv5)》になった!〉


〈コッコくんの《全属性耐性(Lv4)》は《全属性耐性(Lv5)》になった!〉



 ………無敵?


 コッコくん、もう弱点が無くなってるんじゃない?



『ゴケエ?』



 コッコくんはポカンと首を傾げてる。



〈コッコくんは《生産胃袋》を発動した!〉



 …はい?



『ゴケ!』



 コッコくんは何かを吐きだした。


 これは…石?



〈コッコくんは『《怠惰》の黒珠』と『《嫉妬》の銀珠』を生産した!〉



 コッコくんが吐き出したのは、黒色の珠と銀色の珠だった。


 レアアイテムっぽいけど、何に使うんだ?


 というか、この声の主は誰!?



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『検索:謎の声』


 ギリシャ神話の神、

 オリンポス十二神の1柱、ヘルメス

 新大陸から、暇潰しでこちらを観賞中

 超遊んでます。


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲



 また神様か!


 暇なの!?


 神様って、全員暇なのかよ!?



――――ピロロ~ン♪



 今度は何だ!?



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『エオカイド遺跡最深部、解放』


 『ダグザの魔釜』が封印されている最深部が解放された。

 解放したのはロホ王国第五王女モニカ=C=ロホ。

 モニカ王女はブラス=アレハンドロの収納空間に監禁中、隠れていたもう1体のベルフェゴール・レムナントに憑依され、直接最深部へ転移した。

 現在、『魔釜』の封印を解除しようとしている。


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲



「えええええええええええ!!??」


『ゴケッ!?』


「ゆ、勇者様!?」


「みんな大変だ!!もう1体の魔王モドキが王女に憑依して『至宝』を奪おうとしてるぞ!!」


「「「!!!」」」



 このままだとラスボス(仮)が完全復活だ!


 そうはさせるか!



「魔王モドキだけ貫け!ブリューナク!!」



 遺跡の最深部に向かって、俺はブリューナクを放った。


 間に合え、俺のチート!!










--------------------------


――エオカイド遺跡 最深部――


 結論から言おう。


 コンマ数秒の差で間に合わなかった。


 いや、本当はギリギリで間に合ったんだ!


 魔王モドキに憑かれた異国の王女様をブリューナクの光で貫いて、出てきた魔王モドキをコッコくんが遠距離吸飲(コッコバキューム)で吸い込んで倒したんだ!


 おかげでコッコくんはまた強くなった!


 けど、魔王モドキが抜けた王女様が後ろじゃなく前に倒れちゃってさ!


 丁度切れたばかりで血が流れ出した王女様の右手が封印状態の『至宝』にペタッ!って感じに触れちゃったんだよ!



「ゆ、勇者様……」


「シロウさん……」


「おい、これって……」


『ゴケェ……』


「………」



 みんなが俺を見ている。


 東京ドーム並に広い最深部の部屋のど真ん中で、みんなが俺を見ている。


 いや、そもそも『魔釜』は俺達が回収する予定だったからむしろ結果オーライ?


 中に封印されているモノとかも、すぐに出てくる訳じゃ……



〈『ダグザの魔釜』の第一の封印が解かれた!〉


〈『ダグザの魔釜』の中に「闇の力」が少し流れ込んだ!〉


〈『ダグザの魔釜』の中身が解放され始めた!〉



「うわあああああ!!大変だああああ!!」



〈勇者はパニックになった(笑)〉



「この声の人、絶対遊んでるよな?」


「ああ、遊んでるな。神のくせに。」



 ヒューゴとジャンは俺の後ろで神に愚痴を零している。


 気持ちは分かるが、天罰が落ちても知らないぞ?



〈神ヘルメスは心が広かった!(太平洋並に)〉



 心を読むな!


 なんて心の中で怒鳴っている間に、俺の目の前にある『魔釜』が怪しい光を放ち始めた。


 『ダグザの魔釜』は見た目は大きな金属の釜…というか壺や水瓶だ。


 最初はブリューナクと同じ石膏像だったけど、王女様の血に触れた瞬間に眩く光りだした。


 そして今、輝きはあからさまに怪しい黒ずんだ色に変わっている。



「―――――『魔釜』から離れろ。」


「ブラス!?」



 声に驚いて振り返ると、そこにはロルフに支えられながら立つボロボロブラスがいた。


 あの暴走族(・・・・・)の轢き逃げダメージは思ったよりも大きいようだ。


 ロルフの方はほとんど無傷だ。



「どういう事だ?やっぱ、ラスボス復活?」


「勇者様、ラスボスって何ですか?」


「いや、こっちの話!」


「状況は大体理解している。部下にネズミがいる可能性は気づいていたが、アドルフの配下とは……いや、それよりも早く『魔釜』から離れろ。『魔神』よりも先に、龍が出てくる。」



 それって、例の『龍神』っ奴か!



「…そうだ。かつて、太陽神でありながら、大地と豊饒をも司っていた神。今は《盟主》の1柱、『魔神』バロールが生み出した“闇の人格”を植え付けられ『暗黒龍』と化してるそうだが…」


「そういえば、遺跡の壁画にも……」



 ファル村の遺跡の壁画には、確か色違いの龍が描かれていた。


 あれって、同じ龍だったのか。


 ダークサイドに堕ちてしまった龍神ってことか?



「―――急げ!急いで外に転移を……」



 と、ブラスが俺達に脱出を促した直後、ポンと『魔釜』の蓋が弾け飛んだ。


 シャンパンかよ。



――――ピロロ~ン♪



 ここで速報。


 内容は大体予想できる。



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『暗黒龍、復活』


 勇者大羽士郎のドジのせいで、『ダグザの魔釜』に封印されていた『太陽と月の龍神』クロウ・クルワッハ(暗黒龍(ダークネス)モード)が解放される。

 血肉に飢えた状態なので要注意、外に出たら推定100万人が喰い殺されてしまう。


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲



 …………。


 …………。


 さあ、血に飢えた暗黒龍への対策を考えねば!


 強制オールリセットだけでイケるかな?


 仮にも()だし、徹底的にステータスを下げまくった方がいいよな?



「――――間に合わないか!」


「おい!何か出てくるぞ!?」


『ゴケェ!?』


『キュア!』



 そして、そいつは『魔釜』の中から飛び出してきた。






『ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!』






 デカい!!


 俺が今まで出会ったどのドラゴンよりもデカい!!


 あのバカ龍王よりもずっとデカい!!


 東京ドームと同じくらい広い筈の部屋が狭く見えるほど、兎に角デカい!!


 コイツがクロウ・クルワッハ!?



【名前】『太陽と月の龍神』クロウ・クルワッハ(暗黒龍)

【年齢】5,225  【種族】龍族

【職業】邪龍  【クラス】神格を失った龍神 『魔神』の家来

【属性】無(全属性)

【魔力】7,529,000/7,529,000

【状態】暗黒龍モード 神格喪失

【能力】邪龍之魔法(Lv5) 邪龍之武術(Lv5) 邪龍之仙術(Lv5) 神龍術(Lv5) 神術(Lv5) 邪龍眼 豊饒之大地 冥府之門 災厄之波動 天地暴食 死之息吹 死之創造 暗黒ノ太陽 破壊ノ龍鱗 誘惑ノ邪光 眷属創造 千変化

【加護・補正】物理耐性(Lv5) 魔法耐性(Lv5) 精神耐性(Lv5) 全属性耐性(Lv5) 全状態異常無効化 全能力異常耐性(Lv5) 完全詠唱破棄 超速再生 超回復 不老長寿 闇の人格 同族殺し 神ハンター 悪魔ハンター 天使ハンター 天魔ハンター 超次元ハンター 大虐殺者 暴食者 暗黒龍 龍の王 神代の龍 天地の覇龍 神と魔を喰らう者 神格を失いし者 災厄の化身 ダーナ神族の制約 魔神バロールの支配

【BP】-9999(MAX)



 ……《超次元ハンター》って、何!?


 まあいいや、取り敢えずは…



『ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!若くてイイ肉があるねえかあああああ!!!肉塊にしてくれ―――――――』


「(マイナス)リセット!!」


『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!????』


「(強制オール)リセット!!」


『グギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!????』



 クロウ・クルワッハは、真っ白い雷に撃たれたかのようになりながら絶叫した。


 あれ?


 龍神なのに、効果は抜群?








〈全て加護の力が流れ込み、《応報之絶対真理(トゥルース・リウォード)》は超過駆動(フルスロットル)した!〉









【現時点を持ちまして、《応報之絶対真理(トゥルース・リウォード)》は《真・応報之絶対真理(ネオ・トゥルース・リウォード)》に進化しました。】






 クロウ・クルワッハは本作ではドラゴンですが、実際はどんな姿をしているかは不明だそうです。記録などをキリスト教がほとんど消し去ってしまったのが原因だそうです。


 コッコ団の新名称募集中!



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