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ボーナス屋、勇者になる  作者: 爪牙
聖国編Ⅲ-????の章-
198/465

第192話 黒幕(の刺客)、動き出す

 今回は短いです。


――エオカイド遺跡 地下99階――


 ブラス達は、最下層の手前で足を止めていた。


「――――ブラス様、遺跡を守護する力が急に弱くなりました。」


「どうやら、例のネズミ達が守護獣を片付けたようだ。行くぞ。」


「「「ハ!」」」



 《隠形術》で気配を絶ちながら、ブラス達は最下層へと続く階段を下りはじめた。



(先を越されたが、それだけなら左程問題は無い。“鍵”はこちらにあるのだからな。それよりも・・・)



 階段を下りながら、ブラスはその先から伝わってくる複数の魔力の中の1つに、ある違和感を感じていた。


 それは今のブラスほど強い魔力ではなかったが、その波長は独特の特徴を持っており、それはブラスが良く知る魔力によく似ていた。



(ありえん。だが、現に・・・)



 ブラスの静かな動揺は、さらに大きくなり、普段の冷静沈着な思考を更に乱していった。


 だが同時に、ブラスの心の奥底では、とうに失われたはずのものが、小さいながらも再び生まれ始めていた。


 それは期待や希望といった、小さな心の灯火だった。



(―――この目で確かめるしかない。)



 疑問の答えを得るため、ブラスは先へと進む。




――――そろそろ、奴も捨て時だな。




 その様子を、《嫉妬》の眷属はブラスのすぐ後ろから眺めていた。


 ブラスは気付いていない。


 自分の部下の中に間者が紛れ込み、似て非なる任務を遂行しようとしているということを。




――――《盟主》バロール様の御神体の確保、決して失敗は許されない。




 《嫉妬》の眷属は任務に―――主に忠実で、役目を果たすためならどんな犠牲もいとわない覚悟だった。


 それが例え、幹部の側近であるブラスだとしてもだ。




――――誰も気付いていない。全て、計画通りだ。




 《嫉妬》の眷属は計画の成功を確信していた。


 ここまで、誰もこの者の正体には気付いていない。


 それが根拠だった。


 仮にこの先、ブラスが部下共々敗北したとしても、《嫉妬》の眷属の正体さえ誰にもばれていなければ任務は達成される。


 《嫉妬》の眷属―――ポーレット=H=ブーヴェはそれを微塵も疑っていなかった。






--------------------------


――エオカイド遺跡 地下100階(最下層)――




――――ピロロ~ン♪




▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

『ブラス=アレハンドロの背後に黒幕の手先が!』


 ブラス=アレハンドロは《隠形術》で隠れながら最下層へと下り始めた。

 ブラスは最下層から流れてくる実の孫であるロルフの魔力に動揺している様子で、平静を失いつつある。

 そしてブラスと共に行動する部下の中には、今回の一件の黒幕、正確には真の黒幕の手先が紛れ込んでいた。

 黒幕の手先の名はポーレット=H=ブーヴェ、ダーナ大陸の各国首都に魔獣の軍勢をブラスには内密で放った張本人である。

 ポーレットは『創世の蛇』の最高幹部の1人であり、今回の黒幕である《嫉妬》のアドルフの部下であり、アドルフより悪魔の力を授かっており、その力を使って『ダグザの魔釜』に封印されている『魔神』バロールの肉体を解放しようと企んでいる。

 尚、ポーレットが授かった力は大きく分けて3つ、「聖なる力の無効化」、「生物への融合」、「魔王化」であり、彼は『魔釜』を入手した人物と融合してバロールの肉体を解放しようとしている模様。

 対策としては、オリジナルの劣化版なので事前に魔力60万以上を消費して対抗する魔法を掛ける事で防ぐ事ができる。


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲



「なるほど~。そういうことか!」



 勇者には全部筒抜けだった。


 士郎達はブラス達が来る前にしっかりと対策をするのだった。


 こうして、黒幕の策略はあっさりと破られる方向へと流されていったのだった。



「コッコくん、後はよろしく~!」


『ゴケェ~!!』


『『『わあ~~~!!』』』



 ちなみに、コッコくんは新能力《神鶏の無限吸飲(コッコ・バキューム)》で守護獣の残った力の全てを喰い尽くしていた。







 無限吸引ではなく吸飲です。誤字ではありません。

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