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ボーナス屋、勇者になる  作者: 爪牙
聖国編Ⅱ-エオカイド遺跡の章-
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第191話 ボーナス屋、エオカイド遺跡を進む7

――エオカイド遺跡 地下100階(最下層)――


 最下層には何重にも侵入者を迷わせる古代魔法が掛けられていたが、俺は手当たり次第に無効化していった。


 ついでに、今は失われたらしい魔法なので、ケビンがチートを使って全部美味しく習得しましたとさ。


 フクロウはなんかショックを受けてたけど。



「―――止まれ!」



 超コッコ団(仮称)に乗って進むこと約2分、次の敵の気配を感じた俺は全員を停止させた。


 数は2つ、さっきまで倒しまくってきた雑魚――この世界的にはランクA越えの魔獣ばかりだが――とは別格の相手だ。



『……どうやら、彼らの陣地に入ったようじゃな。』



 ショックから立ち直ったフクロウはキリッとした目つきで呟いた。


 ちなみにこのフクロウ、何時の間にか俺の肩の上を定位置にしているせいで、さっきからコッコくんに小さな殺気を向けられてたりする。



『(ゴケェ……。(おのれぇ……。))』


『~~~♪』



 逆にフクロウは優越感に浸っているようにも見える。


 余談だが、この日を機に「コッコくんVSフクロウ」が俺の知らない場所で行われ続けることになるのだが、それは今はどうでもいい話だ。


 それはそうと、隠れている敵がゆっくりとその姿を現した。



『――――侵入者よ。』


『――――今すぐ立ち去れ。』



 出てきたのは2体の巨大蛇だった。


 片方はフクロウよりも真っ黒な蛇、もう片方は逆に真っ白な蛇だった。



「フクロウ、あいつら説得してどかせろ!」


『無理!』


「即答!?」


『彼らは我々守護獣の中でも別格の存在であり、同時に(ダグザ)様の一番の信奉者でのう。例え相手が身内でも、その命に忠実に従い排除するのじゃ』


「話し合いは不可能か……」



 確かにこっちの言葉なんか聞く耳持たんって目で睨んできてるからな。


 試しに手乗りフクロウを投げたら一飲みにされるのが簡単に想像できるな。


 つまり、力ずくで通るしかないって訳だ。



『――――再度言う。去れ』


『立ち去らぬのなら、その命諸共排除する』


「――――だそうだぞ?」


「返り討ちにしようぜ!」


「蛇革にして高く売ろうぜ!」


()りましょう、勇者様!」


「お姉ちゃん!?」


『ゴケゴケェ!!(先制攻撃!!)』


『『『ゴケェ~!!(おお~!!)』』』


「あ!!」



 超コッコ団(仮称)は先制攻撃を開始した。


 獲物に飢えた鶏達が両翼を広げて跳び、蛇守護獣に襲い掛かった。



『『『ゴケェ~!!(エサ~!!)』』


『――――排除』


『罪人に、死を』



 黒い蛇からヤバそうなオーラが溢れ出た。


 何か知らないけど、アレはヤバい!!



「危ない!!」


『『『ゴケ!?』』』



 俺は守護獣に襲い掛かろうとする超コッコ団(仮称)をバリアの中に閉じ込めた。


 直後、あからさまに「触れるな危険!」って感じの真っ黒いオーラが大量に溢れ出た。



『侵入者を排除。』


「おっと!」


『ゴベッ!!??』



 同時に牙を剥いて来た白蛇守護獣を蹴り飛ばす。


 舌を噛んだのか、血を吐きながら白蛇は吹っ飛んでいった。


 痛ッ!


 結構硬いな!?


 物理攻撃は効きにくいタイプか?


 なら―――



「―――魔法で攻撃だ!!」


「は、はい!!」


「分かった!!」



 俺達は魔法で一斉攻撃をする。


 取り敢えず、99階にいた魔獣を10回は殺せるほどの威力での集中攻撃だ。


 爆発に雷、竜巻、蛇だから吹雪で徹底的に攻撃していった。



「やったのか!?」


「いや、まだ奴らの気配が消えてない!」



 目の前は煙で何も見えなくなっているが、守護獣の気配は全然消えていない。


 上位竜(ファイヤー・ドレイク)が骨しか残らない――というか、骨すら残らないくらい――の威力で攻撃した筈なんだけどな。



『―――無駄じゃ。お主らが幾ら強くても、彼らを殺す事はできん』


「どういう事だ?」


『…我に頼らずとも、自分で調べられるじゃろう?』


「それもそう………ム!?」


『『排除!!』』


「うお!?勇者スラッシュ×100!!」


『『ブッ……!?』』



 煙から飛び出して魔法攻撃をしてくる守護獣だったが、クラウ・ソラスで切刻んで吹っ飛ばしてやった。


 そしてその直後、俺達は奴らの能力の一端を目の辺りにした。



「ちょ!アレ見ろよ!」


『キュキュ!?』


「傷が…再生してます!!」



 俺達の目の前で、2体の守護獣の傷が物凄い速さで再生していった。


 それだけじゃない。


 白蛇から切り落とされた尻尾も再生して、白蛇守護獣が2体に増殖した。


 攻撃を受けたら高速再生&増殖か?


 遅くなったけど、鑑定開始!



漆黒の冥府より来る死(ダークオン・オルクストート) ♂】

【分類】神の眷属

【属性】闇 空

【魔力】4,839,900/5,000,000

【ランク】SSS

【状態】正常

【用途】――

【詳細】エオカイド遺跡を守護する5体の守護獣の内の1体であり、最高神ダグザの眷属。

 死の力を持ち、その瞳を見た者や近付く者を己の意志に関係なく無差別に即死させる。

 その体は一種の不老不死であり、心臓や脳を破壊されても決して死ぬことは無い。

 そして全ての攻撃には即死効果があり、直撃を受けると不死であるか、または上位の神の加護を持ってるなどの体制が無い限り問答無用で死んでしまう。

 総合的な戦闘力は国ひとつを一夜で滅ぼすことも容易なほど。

 また、死んだ者を冥府より呼び戻す事も出来る。

 基本的に倒すことは不可能と思われがちだが、「不老不死」は【補正】に分類される為、【補正】を一時的に封じる術があれば倒す事は可能である。

 また、不死ではあるが神のように不滅ではない。



純白に染まる命の再生(ヴァイス・ライフサイクラー) ♀】

【分類】神の眷属

【属性】光 時

【魔力】4,798,000/5,000,000

【ランク】SSS

【状態】正常

【用途】――

【詳細】エオカイド遺跡を守護する5体の守護獣の内の1体であり、最高神ダグザの眷属。

 生命と再生の力を持ち、致命傷を受けてもすぐに再生して復活する。

 体の一部が切り離されると、切り離された部分(肉片)も再生して増殖する。

 魔力がある限り擬似的な不老不死であり、即死効果を含め、状態異常は全て完全に無効化される。

 また、死後24時間以内で、尚且つ天命以外での死なら死者を蘇生させる事もでき、死者の魂を転生させることもできる。

 光属性の戦闘系魔法も得意であり、単独で国家を滅ぼす事もできる。

 倒すには、まず相手の魔力を全て消費させてから攻撃するか、相手の再生速度を超える攻撃で肉片も残さずに消滅させる必要がある。



「どっちも不老不死かよ!」


「不老不死!?」


「そんなの、どうやって倒すんだよ!!」



 不老不死という情報に、ヒューゴ達は動揺している。


 まあ、不老不死なんて反則だよな。


 漫画とかだと、不死身の敵は封印とかして倒すのが定石だけど、俺の場合はその必要はない。



「いや、黒蛇に関しては、むしろ余裕かもしれないぞ?」


「「「え?」」」


「さすが勇者様!良い考えがあるんですね?」


「まあな」



 というか、もっと早く鑑定しておくべきだった。


 ちゃんと弱点が載っていたからな。



『――――侵入者に、死を』



 なんて考えている間に黒蛇が魔法を使い始めた。


 周囲が金ぴかの遺跡から、床も天井もない異次元空間に変っていった。



『――――蘇れ。同胞達』


『オオオオオオオオオオオ!!』


『グオオオオオオオオオオ!!』


「あ!倒したはずの守護獣が!?」



 そして白蛇は両隣に、ロルフが倒した牡鹿の守護獣と、俺達が倒したドラゴンの守護獣が現れた。


 わあ、大ボス戦のお約束、途中で倒した他のボスキャラの復活参戦か。


 これでフクロウが加わったら……は、ないな。



『さあ、この状況をどうするのじゃ?』


「お前、思いっきり楽しんでるだろ?」



 この肩乗りフクロウ、次に俺が何をするのか楽しんでいるな?


 本当に好奇心の塊だな。



『――――主に代わり、罰する』


『罪人に、等しき死の裁きを』


『血の断罪を』


『裏切り者も裁かれよ!!』



 4体の守護獣は一斉に破壊光線を発射しようとしているけど、そうはさせるか!


 俺は《応報之絶対真理(トゥルース・リウォード)》を起動させ、毎度お馴染みの機能を守護獣達に向かって使った。



『『『『天誅!!』』』』


「ホイ、リセット!」


『『『ぶぎゃあ#?&!*!!??』』』』



 守護獣達は一斉にズッコケた。


 フウ、やっぱ強制オールリセットは便利だな♪







 士郎の前では敵のスペックはまるで意味なし!(大魔王を除く)


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