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ボーナス屋、勇者になる  作者: 爪牙
聖国編Ⅱ-エオカイド遺跡の章-
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第181話 ボーナス屋、番人と戦う

――聖国 聖都中心部――


『ゴケゴケェ~!(みんな集まれ~!)』


『『『ゴケェ~!!』』』



 コッコくんはコッコ団を召喚した!


 コッコ団は戦闘態勢に入った!



『『『ワオォォォォォォン!!』』』



 上位魔獣、群れる銀の大牙狼(レギオン・シルバー・ガルー)がコッコ団に襲い掛かる。



『ゴケェ!!(発射!!)』


『『『ゴケェ!!』』』



 コッコ団はソーラー・トサカビームを一斉掃射した。


 群れる銀の大牙狼は全滅した。



『ゴケェ、ゴケゴケェ!ゴケェゴケェ!(勇者様、ここは任せてください!終わったらすぐに追いかけます!)』


「おう!任せたぞコッコくん!」



 聖都の騎士団――正確には聖騎士団――が1体でも大苦戦する上位魔獣達を駆逐しながら聖都の街を駆け抜けていった俺達は、残る魔獣達への対処をコッコ団に任せ先を急いだ。


 数多の魔獣に襲われる聖都で大暴れのコッコ団、普通に考えたら凄い光景過ぎるな。


 なんか、全部片付いたら、コッコくん達が救世主として祭られそうだな…。



「あれが教皇庁!」



 なんて事を考えている内に、俺達は教皇庁の前に到着した。


 見た目は白亜の石造りの宮殿、教科書とかで見たバチカンにある建物に似た感じだ。


 大体、5階建てってとこか?



「シロウさん、ここにも結界があります!」


「よし!シャインちゃん、食べちゃえ♪」


『キュア!』


「おい、勝手に命令出すな!」



 教皇庁の建物全体にも侵入者防止用の結界が張ってあった。


 この真下に遺跡があるんだから、当然の対応だな。


 だけど、結界はシャインちゃんに食べて貰えば無問題♪


 早速結界を食べてくれている♪


 敵も、まさか結界を食べて抜けられるとは思ってもいないだろうな。



『―――――ガオオオオ!!』


「うお!?」



 そこに突然、瞬間移動したかのように1体の巨大ライオンが現れた。


 なんかゾ〇ドっぽい、全身装甲(フルアーマー)のライオンだ。


 どうやら、侵入者を排除する門番のようだ。



『ガオオオオオオオオ!!』



聖鋼の森王獅子(アダマント・ガーディアン・バロン) ♂】

【分類】聖獣型魔獣

【属性】光 木

【魔力】1,500,000/1,500,000

【ランク】S+

【状態】洗脳(強)

【用途】各種装備の素材、血液は秘薬・霊薬の素材、肉は滋養強壮、魔石は超高純度

【詳細】獅子(ライオン)系の魔獣の間で極めて稀に誕生する聖獣に近い性質を持った上位の魔獣。

 生命力も戦闘能力が高く、その高さは上位竜に匹敵し、知能に関しては全魔獣の中でもトップクラスである。

 全身を覆う鎧は伝説の金属である聖鋼(アダマント)でできており、あらゆる物理攻撃を防ぎ、魔法に対しても高い防御力を誇る。

 聖なる力と植物を操る力に長け、特に森林地帯などでは無敵に近い強さを発揮する。

 足も速く、瞬間最高速度は音速を軽く超える。

 だが、普段は基本的には温厚な性格で、縄張りに侵入されてもすぐには襲わない。



 なんか凄そうなのが出てきた。


 全身を覆っている鎧っぽいのって、RPGとかでミスリルやオリハルコンと同じ位よく聞くアダマントだったのか。


 しかも最高速度が音速越えって……。



『ガオオオオオオオオオ!!』


「うおっ!」



 方向と共にライオンの口から白い衝撃波が放たれた。


 俺は反射的に対光属性のバリアを出して防ぐ。


 避けられもしたけど、避けたら後方にいる一般人達が巻き込まれてしまう。


 こういう直線攻撃は防いでいくしかない。



「大人しくしやがれ…って硬い!!」



 ジャンはライオンに首に斧で一撃を与えるがまり効果は無かったようだ。


 流石アダマント、普通の物理攻撃が通じる防御力じゃないようだ。



『ガオオオオオオオオ!!』


「うわ!?」


「何だ、木の根…!?」



 次の方向の直後、地表の石畳を突き破って大量の植物の根が飛び出して襲い掛かってきた。


 根の一つ一つが意志を持っているかのように、俺やヒューゴ達に襲い掛かってくる。


 俺は余裕で回避できるけど、ヒューゴ達にはきつそうだ。



「《火炎(フレイム)》!!」



 だから全部灰にしてやった。


 全部の根に照準を合わせてからの魔法攻撃、これなら見方を巻き込まずに邪魔な根だけを排除できる。



『ガオオオオオオ!!』


「ガオガオ五月蠅い!《加重》×10!!」


『ガホッ!?』


「《重力(グラビティ)》!!」


『ガッ……!!!』



 ライオンを周囲の地面ごと押し潰す。


 だが、流石は上位の魔獣なのか、それともアダマントの装甲のお蔭なのか、ライオンは全身を押し潰す高重力や数十倍は増えている筈の自身の体重に耐えながらまだ立ち上がった。



「あれで立つのかよ!?」


「何か来るぞ!!」


『ガオオオオオッ!!』



 ライオンの咆哮とともに、空から光の矢の雨が降り注いできた。



「クラウ・ソラス!」



 だけどそれはクラウ・ソラスの一振りで難なくかき消した。


 うん、最早俺には光属性による攻撃はそうそう効かないな。



『ガルルルルルルルルルル………!!!』



 ウッソ~


 あの状態で歩き始めたよ。


 流石は敵が用意した番人(ガーディアン)だな。



「ケビン、魔法で一斉攻撃だ!」


「うん!」



 だけど、そこにヒューゴとケビンの魔法の嵐が襲い掛かった。


 雷の嵐に爆発、吹雪、重力と容赦ない魔法攻撃を与える。



『ガオオオオッ!!!』


「うわ!何か出た!!」



 だけどライオンは本当にしぶとかった。


 一瞬、全身が発光したかと思ったらライオンの体から光のライオンが飛び出してきた。


 しかも飛び出してきたのは1体だけじゃなく、次々に光のライオンが飛び出してくる。


 あれは分身というよりは、攻撃魔法の塊みたいなものだろうな。


 つまり魔力の塊、俺には全然意味が無い技だ。



「吸収~♪」



 《吸収之超人(ドレインマスター)》でライオンの悪足掻きを1つ残らず吸収する。


 そしてもういい加減にしてほしいので、加速してライオンに近付いて胴体にクラウ・ソラスを突き刺した。



「体力も魔力も精神力も全部吸い取れ!」


『ガァッ………!!』



 ライオンの力の全てをクラウ・ソラスに吸収させる。


 《吸収之超人》の応用の一つで、こうするとクラウ・ソラスも力をつけて成長するんだ。



『ガ…ル……』


「よし!やっと大人しくなったな!」


「シロウさん!この魔獣の様子が変です!」


「え?」



 俺はすぐにライオンの様子を確認する。


 すると、さっきまで俺達に向けられていた敵意はライオンから完全に消えていたが、ライオンの額の部分から、小さい別の何かの敵意と魔力があった。


 その直後、ライオンの額を突き破って何かが飛び出してきた。



『ギ、ギィ~!!』


「ホイ!」


『ィ………』



 飛び出してきた蛇っぽい何かを俺は瞬殺した。


 寄生(パラサイト)している奴は速攻で倒さないと、後々厄介事になるのはお約束だからな。


 すると、ライオンの体が淡く輝き始めて二回りほど小さくなった。



『…ル……ルルゥ……』


「なんだか急に可愛く(?)なったな?」



 小さくなった――と言っても象と同じくらいの大きさだが――ライオンからは危険な感じは一切しなかった。


 なんだか止めを刺すのを躊躇ってしまうな。



「シロウ、ちょっと魔獣から降りてくれるか?」


「ヒューゴ?」



 俺はヒューゴに言われた通りにライオンから飛び降りると、ヒューゴは右手に光の球体を出現させた。


 え?


 止め刺すの?


 一瞬、そう思ってしまったが、どうやら違うようだ。



「《捕獲(ゲット)》!」



 ヒューゴは光の球体をライオンに投げつけた。


 するとライオンの体は光に包まれながら光の球体の中に吸い込まれていった。


 そして光の球体は地面に落ちて転がる………ポ〇モンか!



「よし!捕獲成功!」


「やったね、兄さん!」


「おう!初めてだったけど、上手くいったぜ!」


『キュア!』



 ヒューゴはケビンとハイタッチする。


 そうか、ヒューゴの能力には魔獣を捕獲する《魔獣使いの秘技(テイマースキル)》があったな。


 実際に使うのを見るのは初めてだから気付かなかったな。



「よく捕獲できたな?その能力、上位の魔獣でも捕獲できるんだな?」


「みたいだな!一か八かだったけど、なんかカッコよかったから使ってみたんだ!」



 確かにあのライオンはデザイン的に見てもかなりカッコいい。


 しかもかなり稀少(レア)な魔獣みたいだし、ドラゴン並に強くてしぶといからいい戦力になりそうだ。


 俺もこの能力欲しくなったな。


 後で交換しておこう。



「―――さてと、さっさと結界を破って中に入るぞ!」


「おう!シャイン、頼んだぞ!」


『キュア!』



 そして教皇庁を覆う結界を破り、俺達は建物の中へと突入した。


 余談だが、聖都を囲む結界より弱かったのか、それともシャインちゃんが進化したせいなのかは知らないが、今度の結界はシャインちゃんだけで破る事が出来、シャインちゃんの魔力は更に上昇した。








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