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ボーナス屋、勇者になる  作者: 爪牙
聖国編Ⅰ-ロルフの章-
175/465

第169話 ボーナス屋、修業を終える

 お待たせしました。

 いよいよ「聖国編」スタートです!

 とはいっても、最初の数話は聖国以外の話ですけど。


――名古屋地下迷宮『新・天岩戸』――


『グォォォォォォォォォォォ!!』



 階層ボスの大鬼が肉切り包丁を振り回しながら俺に襲い掛かってくる。


 並の人間なら大鬼の放つオーラに気圧された隙にミンチになっているだろうが、俺にはこの程度の()は微塵も効かない。


 大魔王の理不尽とも言える地獄修行を乗り越えた俺に、この程度のこけおどしは通じない。



「消えろ!!」


『グオォォッ!?』



 一撃必殺!


 俺の斬撃により、大鬼は骨も塵も残さず消え去った。



「よし!50階層クリアだ!!」



 地獄の修業が始まってから現実時間で(・・・・・)1週間、俺は血反吐を吐く日々を生きぬいて見せた!


 生きているって素晴らしい!


 今の俺なら、どんな苦難があっても乗り越えられる自信がある!



「さてと、地上に戻るか♪」



 クラウ・ソラスの代わりに使っていた剣を仕舞い、俺は懐かしき外界へと戻っていった。


 ああ、早く白いご飯が食べたい!


 ゲームで遊びたい!


 兎に角息抜きがしたい!



「ダ~~~ッシュ!!」



 俺は駆け足で走り出していった。



【名前】『ボーナス屋』大羽 士郎

【年齢】16  【種族】人間

【職業】神話戦士(Lv140) 神器之主(Lv147) 超勇者(Lv153)  【クラス】別の意味でも勇者 超克者

【属性】無(全属性)

【魔力】6,090,000/6,090,000

【状態】正常(完全健康体)

【能力】大魔王流勇者之魔法(Lv5) 勇者之属性術(Lv5) 勇者之精霊術(Lv5) 剣聖流勇者之武術(Lv5) 勇者之闘気術(Lv5) 応報之絶対真理(トゥルース・リウォード) 吸収之超人(ドレインマスター) 命無き物の可能性(アイテムエボリューション) 進化する可能性(スキルエボリューション) 摩訶不思議な情報屋(エクセレントリポーター) 真・光の魔剣(クラウ・ソラス) 貫く光(ブリューナク) 戴冠石(リア・ファル) 勇者之大鑑定

【加護・補正】物理耐性(Lv4) 魔法耐性(Lv4) 精神耐性(Lv4) 全属性耐性(Lv4) 完全健康体 思考加速 完全詠唱破棄 危険察知 神殺し(仮) 魔王殺し(仮) 竜殺し 魔獣ハンター 黄泉返り(笑) 超克者 大魔王(剣聖)の弟子 試練に打ち克った者 土神ハニヤスの加護(+2) 豊穣神アヌの加護 銀腕神ヌアザの加護 母神ダナの加護 太陽神ルーの加護 知恵神オモイカネの加護 七福神弁財天の加護 漬物女神カヤノヒメの加護 冥府神????の加護 万能翻訳 職業補正 職業レベル補正

【BP】23






--------------------------


――名古屋市 繁華街――


 遊んだ・・・・・・。


 今日は遊び尽くした・・!!


 地下迷宮(ダンジョン)、というか大魔王の地獄ブートキャンプから解放された俺は、その日が休日だったこともあって遊びまくった。


 え?


 ブートキャンプ中は学校はどうしたかって?


 忘れている人もいるかもしれないが、そこはボーナスでゲットした「影武者ダブルくん人形」のお蔭で解決している!


 俺と繋がっているダブルくんが代わりに学校に行ってくれたし、神様先生達の理不尽な課題もやってくれて万事解決だ!


 授業内容もバッチリ頭の中に入っているから、俺は気兼ねなく友人と一緒に遊べるって訳だ!


 映画にカラオケ、ゲーセンと遊び尽くしたぜ!



「じゃあな大羽!」


「また学校でな~♪」


「おう!またな!」



 一緒に遊び尽くした友人と別れ、俺は我が家に向かって歩き始めた。


 「またな!」と言ったけど、あいつ等と次に会うのは当分先になる。


 俺は明日、日本を発って再び異世界に向かうからだ。


 アンナちゃん達には近い内にまた行くって約束したし、何より俺が居ない間に向こうで何かが起きていないか心配だから、それを確認する為にも行かなきゃいけない。


 というか、『四至宝』がまだ1つ残ってるから絶対また何かが起きるはずだ!


 これはお約束だ!



「それに鬼の居ぬ間に行かないとな♪」



 正確には鬼じゃなくて大魔王だけどな。


 現在、俺を地獄に引きずり込んだ大魔王は日本にはいない。


 大魔王は大魔王より最強な人に引っ張られてヨーロッパに連行されたのだ。




--------------------------


――数日前 地下迷宮『新・天岩戸』――


 それは体感時間で(・・・・・)約3日前のことだった。


 身も心も磨り減り、何度かあの世に行ってその度にあの美女さんに送り返された俺を、大魔王はモ○ハンをしながら見下ろしていたときの事だった。


 その人は不意に現れた。



「――――ここで何をしているの、アナタ(・・・)?」


「・・・・・・。」



 その人は一言で言うなら美人だった。


 腰の近くまで伸ばした綺麗な見た目は20代後半の美女、その人は大魔王の奥さん、御年134歳だった。


 若過ぎ!!



「私が友達と旅行に出かけている間に、貴方はここで何をしているんですか?」


「・・・・・・・・・。」



 大魔王は相変わらず不遜な態度を見せながらモ〇ハンをやっていたが、明らかに奥さんから視線を逸らしていた。



「これで何千回目(・・・・)?地元の人に迷惑を掛けた挙句、貴方基準の修業メニューを普通の人達に課してボロ雑巾にしたのは?」


「・・・・・・・・・・・・。」



 大魔王は全く動揺を見せていないが、さっきから一言も喋らない。


 聞こえないフリをしているのか?



▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

From:☆SUSANOO☆

Sub:大魔王は嫁に弱い(笑)


( ゜∀゜)アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒゴッ!!!ゴホッ!ゴホッオ!!!



▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲



 この神は・・・。



「ルチオが教えてくれなかったら、また異世界まで捜索の網を広げるところだったのよ?」


「・・・・・・・・・・・・・・・(‾へ‾;)。」



 あ、汗が流れ始めた。


 どうやら本当に奥さんには弱いらしい。



「行きましょう。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(コクリ)。」



 こうして大魔王は日本から去っていったのだった。




--------------------------


――現在 名古屋市 某住宅街――


 あの時は呆気にとられたな~。


 大魔王、今頃は奥さんに尻に敷かれているのかな?


 プ!想像しただけで笑いが弾ける♪



「―――――ん?」



 繁華街から住宅街に入り我が家が近くになった頃、俺は近くの公園を横切ろうとして足を止めた。


 昼間は小さな子供で賑わっている公園だが、夕方の今はすっかり静まり返っている。


 だが、よく見ると若い数人の男女がブランコに乗って落ち込んでいた。


 って、何か見覚えのある顔が!



「―――って、佐原!?」


「・・・・・・大羽?」



 そこにいたのは、この世の全てに絶望した・・・とまでは言わないが、色々大変な目に遭って暗くやつれてしまったチーム佐原だった。


 お前ら、ここで何してんの?






--------------------------


――異世界『ルーヴェルト』 ()・ミストラル王国――


 場所は変わってここはミストラル王国・・・だった場所。


 国王の軽率すぎる行動のお蔭で呆気なくその歴史に幕を閉じ、今は国名も定まらない無名の国となっているこの場所に、その男は音も立てずに現れ歩いていた。



(・・・これ以上は近付けないか。)



 男――――『創世の蛇』のブラス=アレハンドロは王都があった(・・・・・・)方を一瞥すると、それより先は進もうとせず、今来た道を引き返した。



(元より確認しに来ただけだからな。態々リスクを冒してまで深入りする意味はない。)



 あれ以上は進めない。


 それをよく理解しているからこそ、ブラスは遠目で要注意人物の存在を確認するだけに止めて引き返そうとしているのだ。


 ここは元・ミストラル王国の王都ミスティの隣に位置するジェダイト公爵領の中心都市ジェイド。


 ミストラル王国最後の国王の異母弟が治める領地は幸か不幸か王国終焉(カタストロフィ)の直接的な被害は受けず、また、領主が健在だったことから普段と変わらない様相を見せていた。



(・・・良くも悪くもだがな。)



 都市の外れに来たブラスは、賑やかな中心部とは正反対の空気が漂うスラム街を目にした。


 元々厳しい環境な上に、四大国と比べると国力が低いミストラル王国には各地にスラムが点在していた。



(それでも、ここは領主が優秀なお蔭でかなりマシのようだな。他のスラムだとは、ある意味天地の差だ。)



 ブラスは足を止めてスラムの一角に視線を向ける。


 スラムでは教会が炊き出しを行い、小さな子供が木を削って作った器にスープを盛ってもらって笑顔を見せていた。



(・・・時間を無駄にしたな。戻るか。)



 スラムから視線を戻し、ブラスは再び歩き始める。


 彼が戻るのは最後の『四至宝』が封印されている国、聖国。




(――――最後の1つ、あの(・・)『魔釜』だけは必ず手に入れる。中身も(・・・)。)




 多くの人が歩く通りで、ブラスの姿は来た時と同様に音も立てず静かに消えたのだった。


 そしてブラスと行き違いになるかのようなタイミングで、彼らはこの町に到着した。



『ゴケェ~~~!』


「やっと着いた~!」








――――聖国に眠る最後の『四至宝』を賭けた戦いがいよいよ幕を上げようとしていた。








 余談ですが、☆SUSANOO☆さんはあのメールを送信した直後、自分の奥さんに締められました。


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