第15話 ボーナス屋、賞金を稼ぐ
祝ユニーク1万突破!!
おかげさまで総合ユニークアクセス数が1万を超えました。
今後もボーナス屋をよろしくお願いします。
いや~~~、近道しようとしたら不良に絡まれちゃったよ♪
数は4人、全員俺より年下っぽいな?
全員が刃こぼれしたナイフを持って俺達に向かって金品を要求してくる。
「おい、聞いてるのか!?」
「持ってる金出しな!」
「聞いてるのか、ボケ!?」
金と言っても、俺は無一文なんだよな(笑)
ロビンくんはそれなりに持ってそうだけど、払う義務なんかない。
と言う訳で、やっちゃうぜ♪
「―――――おい、いい加減にしないと・・・・・・!」
「―――《落とし穴》!」
「「「「うわぁ!?」」」」
ズドンッ!!
イノシシの時よりは浅めの落とし穴に全員落下!
と言うか、この魔法は結構使えるんじゃね?
「おい!こっから出せ~~~~!!」
「こっちにこい馬鹿野郎!!」
あ~~、スッゲー怒っているけどしょうがないじゃん、俺被害者だし♪
「ロビンくん、この場合こいつらどうすればいいんだ?」
「本来なら衛兵や軍の詰所などの然るべき場所に突き出すのですが、今は戦時中なので子供の路上強盗ぐらいでは相手してくれないかもしれませんね。それなりに有名な強盗だと賞金がでるんですが・・・・・・。」
「マジで?取り敢えず突き出した方が得か?」
ラッキー!
これで無一文から脱出だぜ!!
「・・・ま、待ってくれ!それだけは勘弁してくれ!!」
「強盗は初めてなんだ!!まだ誰も殺したりとかはしてねえよ!!」
「捕まったら処刑されちまう!!」
あ、自分の身が危なくなったから焦りだしたな。
まあ、まだ小学生くらいの子供もいるようだし、この歳で処刑と言うのも可哀想だな。
それに、こういう連中には絶対バックに誰かいるんだよな。
「―――――おい、何しくじってるんだお前ら!!」
「あ、兄貴・・・・・・!」
ほらな。
呼ばなくても向こうからゾロゾロと出てきたよ。
いかにも不良の頭っぽいごつい筋肉ダルマやスキンヘッドが10人くらい出てきた。
「お前ら見ねえ顔だな?俺の縄張りで好き勝手やって無事で済むなと思うなよ!?」
「好き勝手やってるのはそっちだろ?」
「何だと!?」
「テメエ、兄貴に逆らうと痛い目を見る――――――」
「《ホール》!!」
「「わ~~~~~!?」」
「お前ら――――――――!?」
雑魚っぽい連中は穴に落として捕獲完了♪
あとは兄貴さんとやらだな。
「テメエ・・・・どうやら死にたいようだな!?お前ら、出て来い!!」
「「「ヘイッ!!」」」
うわっ!
何かベタな感じで雑魚キャラがゾロゾロと出てきた!!
しょうがない、全員モグラになってもらうか・・・・って、ロビンくん、何で前に?
「―――――ここは私が相手をします。」
「え、でも俺がやった方が早い・・・・・・」
「確かにシロウ殿は強いですが、本来は私の仕事ですので。」
確かにそうだな。
俺、また調子に乗っちゃってたかも。
召喚されて勇者になったからって、何でも自分だけでやろうと知らないうちに思ってたみたいだ。
「何だテメー?1人でこの数を相手にするってのか!?」
「そうです。―――――――《虚空の銀槍》!」
ロビンくんの右手に銀色の槍が出現した。
あれがロビンくんのスピリットウェポン、《虚空の銀槍》だ!
「―――――――行きます!!」
「いい度胸だ!お前ら、やっちまえ!!」
「「「おおおおおおお!!!」」」
ゴロツキどもが一斉に襲い掛かってきた。
危ない、と思ったらロビンくんが一瞬で背後に移動していた。
あれは瞬間移動だな。
「なっ!?何時の間に!?」
「―――――覚悟!」
「「うわぁ~~~~~~~~!!」」
凄い!ロビンくん強い!
ファル村では見られなかったけど、ロビンくんは凄い手練れだな?
雑魚をどんどん槍で捌いていってるよ!
宙に飛ばされたり穴に落っことされたり、あっという間に筋肉ダルマだけになったな。
「―――――――降参しなさい!」
「くっ・・・・・・・!」
ロビンくんカッコイ~~~~!!
喉に槍を突き付けて見事に決めてるぜ!
「わかった、降参する。」
「――――――それでいいです。」
「なわけねえだろ馬鹿が!!」
ロビンくんが槍を下げた直後、筋肉ダルマが隠していたナイフで斬りかかってきた。
「何!?」
「―――――無駄です。」
だが、ナイフはロビンくんには届かない。
見えない壁に阻まれているみたいだ。
さっきの瞬間移動といい、ロビンくんは《空術》使うの上手いな。
あ、《空術》って言うのは空属性の属性術のことだぜ?
「ぐはっ!」
筋肉ダルマの腹にロビンくんの拳がめり込んだ。
ふう、これでゴロツキは全滅だな。
あれ?筋肉ダルマのポケットから何かはみ出てるな?
「ロビンくん、そいつのポケットに何か入ってるぞ?」
「何でしょうか・・・・?」
ロビンくんが筋肉ダルマのポケットからはみ出ている物を取り出した。
見た感じ、羊皮紙のようだな。
というか、羊皮紙って初めて見たな。
「・・・・・これは!」
「何だったんだ?もしかして、極秘文書とかだったか?」
「似たような物です。これは『ドゥンケル商会』の闇取引の契約書です!それも、帝国が法で厳重に規制している品物や、違法奴隷の契約書ばかりです!」
あれ?どっかで聞いた事のある商会の名前だな?
あ!フライハイトさんに呪いをかけたり奥さんに毒盛ったりした連中か!
「・・・と言うことは、こいつらは『ドゥンケル商会』で雇われているか、裏の仕事を手伝っている連中ってことか?」
「そのようですね。おそらく隙を見て盗んでおき、もしもの時の保険に使おうと企んでいたんでしょう。他にも何か持っているかもしれませんね!」
「よし、持ち物検査だ!!」
俺達は筋肉ダルマの持ち物を徹底的に調べた。
その結果、出るわ出るわ、裏帳簿やら商会からの指令書など悪事の証拠が山ほど出てきた。
「・・・・・悪事している割に、うっかり盗まれ過ぎじゃね?」
「この手紙の内容だと、どうやら領主は無関係のようですね。領主の目を盗んで悪事を繰り返していたようです。どうやら、一部の役人や騎士などもグルのようですね。」
「なら、この証拠は領主に直接渡した方がいいかもな。で、こいつらはまとめて詰所にでもつきだそうぜ♪」
「そうですね。子供の方はともかく、ゴロツキの方は賞金が出る可能性がありますからね。」
よし!
これで多少なりと賞金ゲットだぜ!!
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てなわけで詰所に来たぜ!
戦争中なだけあって、兵やら騎士やらがたくさん出入りしてるな?
「ガハハハハ!たった2人だけでこいつら全員を倒しちまったのか!若いのにやるじゃねえか?」
「余裕だったぜ!」
「まあ、確かに数が多いだけの集団でしたね。」
詰め所で衛兵にゴロツキどもを引き渡した俺達は、熊のオッサン衛兵に事情聴取を受けさせられていた。
え?どうやって運んだかって?
面倒だから詰所の前までロビンくんの四次元倉庫に無理矢理詰め込んできちゃった♪
ロビンくんは物覚えがいいのか、空属性を着々と使いこなしているぜ!
「それで、子供達の方はどうなるんですか?」
「ああ、おそらくあの坊主どもは借金の担保として無理矢理悪事を手伝わされてたんだろうな。こっちも戦争でそんなに暇じゃねえし、適当に話を聞いたら解放するつもりだ。」
「なるほど。」
今までの事からすると、きっと親とかが『ドゥンケル商会』に騙されて多額の借金を背負わされたってとこか。
それで、返せなくなった借金の代わりに子供を攫って裏仕事の手伝いをさせようとしたわけだな。
『ドゥンケル商会』、100%悪党で決定だな!
「そんじゃまあ、賞金を渡しておくか。」
待ってました!
さてさて、一体おいくらになるのかな?
「―――――頭の男は大銀貨2枚に銀貨5枚、他の雑魚どもはちょっと色を付けて全部で大銀貨1枚だな。」
おお!
つまり日本円で換算すると35万円か!?
日本人の俺には十分大金だ!
「思ったより賞金が高いんですね?」
「まあな。」
ん?そうなのかロビンくん?
俺には分からないが、ゴロツキどもの賞金は結構高いようだな。
「あいつらは何年もこの町で悪事を繰り返していたんだが、後ろに役人や商人がついているらしくてなかなか捕まらなくってよ、冒険者どもも手が出せずに賞金額だけはゴロツキの割に上がっていったってわけだ。まあ、あいつらも捕まった以上は後ろ盾の力も頼れねえだろうよ。」
「・・・・・そうですか。」
お!この世界にも冒険者はいるのか!?
あとでギルドとかに行ってみようかな?
「そう言うことだ!んじゃ、俺は他の仕事があるからよ、お前らも他の連中の邪魔にならないうちに出てった方がいいぜ?」
「分かりました。では失礼します。」
「じゃあな~~~♪」
俺は初収入をロビンくんと分けてからしまった。
割り切れない金額だったので、一番活躍したロビンくんが多めに受け取っている。
「それじゃあ、遠回りになったけど、今度こそ領主に会いに行こうぜ!」
「ええ、この不正の証拠も渡さないといけないですしね。」
あのヤバい書類の数々はなくさない様に俺の四次元リュックの中にしまってある。
さあ、今度こそ領主の館へ行くぜ!!
シロウは無一文から脱出しました!
次回は日曜日に更新します。