表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ボーナス屋、勇者になる  作者: 爪牙
日本編
169/465

第163話 ボーナス屋、鍛えられる

――名古屋市 某公立高校――


 俺が超強制的(笑)に大魔王の弟子にされてしまったその日、暗い気分で学校に登校すると黒板には担任が急病で休みだと書かれていた。


 俺はそれを見て、すぐにその裏の意味に気付いてしまった。



「あの担任、(大魔王から)逃げやがった・・・!!」



 知恵を司る神様である俺のクラスの担任は、逸早く大魔王名古屋襲来を察したらしく、昨日の内に一目散に名古屋から逃げたのだった。


 仮にも教師の癖に、生徒()を見捨てやがったよ!!


 ちなみに余談だが、他の神様先生は・・・



『―――大魔王?そんなのむしろ好都合ね。ストーカー避け(・・・・・・・)にサイコーよ♪』


『実は彼とは数百年前から美食研究会の同志で―――――』



 女神先生達は逞し過ぎた。


 それに引き替え・・・担任。


 それはそうと今日も学校生活が始まるんだけど、なんだかみんなが騒がしいな?



「なあ、何かあったのか?」


「ああ、よく知らないけど、他のクラスの奴が全裸で伊勢湾を漂流してたらしいぜ?」


「・・・は?」



 その瞬間、俺の脳細胞は瞬時に何が起きたのか理解した。


 全裸、漂流、事件の犯人は大魔王(アイツ)だ!



「それとさ、別の奴もビルから宙吊りにされてたらしいぜ?」



 一体、この学校の生徒のうち何人が大魔王の犠牲になったんだ?


 その後、昨夜の内に何があったのかを検索してみると次のような結果が出た。



▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

『検索:昨夜の大魔王の行動』


1、賄賂でご機嫌をとろうとした著名人達を「生意気」「ウゼエ」という理由から役畜(・・)化する。

2、繁華街の一角をプライベートエリアにする。

3、大魔王の宴を始める。

10、酔った勢いで近く――半径150km圏内――にいた犯罪者達を1人残さずハンティングし処分する。

11、某軍神と某海神と飲み比べをする。

12、視界に入った不良少年達を皆で(・・)ハンティングする。

18、よからぬ計画を皆で立てる。

26、酔い覚ましに獲物を吊るす。

▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲



「・・・・・・。」



 なんか、とんでもない共犯者が加わっているのは気のせいか?


 明らかに酔った勢いで無差別に日本人をハンティングしている気がする・・・。


 それよりも、“よからぬ計画”って一体何なんだ?


 物凄く、嫌なフラグが立ってしまった気がするんだけど?


 あと、酔い覚ましに人をビルから吊るすな!!



――――ピロロ~ン♪



▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

『ホワイトハウス、大歓声!』


 大魔王がしばらく日本に滞在するという情報がホワイトハウスに伝わり、米大統領を始めとするアメリカの要人及び、ホワイトハウス勤務の職員達は大歓声を上げた。

 そして尊い犠牲になった駐日大使に黙祷をし、その後はシャンパンを開けるなどして大宴会が開かれた。

 大統領曰く、「大統領人生で一番嬉しい日だ!」とのこと。


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲



 おい大統領!


 こっちに厄介払いができたからって調子に乗るなよ!!



「お~い!代理の先生来たぞ~!」



 と、ここでホームルームの時間になった。


 ガラッと教室の扉が開き、大魔王から逃亡した担任の代理が入ってきた。



「暇潰しで臨時教師になったスプロット先生だ!ガキ共、1秒以内に黙って席に座らないと()るぞ!」


「ギャアアアアアアアアアアアアアア!!!!」


「ウルセエ!!」



 俺のおでこにチョークライフル弾が直撃した。


 神様先生の代理は大魔王先生だった。


 そしてその日から1週間、名古屋市内の某高校にとっては悪夢の1週間が始まったのだった。


 ちなみに大魔王、長生きしているせいか、地球の現代公用語がペラペラだったりする。


 日本語も、チート無しで喋っているのだ。


 大魔王、パネエ。



――――ピロロ~ン♪



▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

『名古屋市に地下迷宮(ダンジョン)出現!』


 某神達により、名古屋市内に地下迷宮『ニュー天岩戸(笑)』が出現した。

 詳細は不明、既に一部の日本人が強制的に内部に放り込まれている模様。


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲



 某神って誰だよ!





--------------------------


――名古屋の地下?――


 濃すぎる学校での1日を終えた俺に待っていたのは、濃すぎる修業だった。


 この世のものとは思えないハード授業を終えた俺が『紡ぐ者達の家』に帰宅すると、そこにはとんでもないパワーを放った剣を持った大魔王が待ち構えていた。


 そして否応なく、俺は大魔王と共に地下(?)に放り込まれた。



「さあ、修業(あそび)の時間だ!」


「うわあああああああああああああああああ!!」



 俺はすっかり大魔王がトラウマになりかけていた。


 多分天国にいるお父さんとお母さん、俺は死んでも無事にそっちに行ける気がしなくなりました。


 きっと、死んでも魂を大魔王に捕まれる気がします。


「バカが?技の名前を喋ったら回避されるのは当たり前だろ?」


「スペックだけで俺に一本入れられるとでも思ったのか?」


「俺の分身1000人抜きだ。俺がケーキ食ってる間に全部倒しておけよ?」


「バカか?そんなんでよく勇者なんて名乗っていたな?ギネス級の名前負けじゃねえか?」


「隣の半島潰して来るから、その間は俺の龍(リンドヴルム)達と戦っていろ!言っとくが、こいつら全員龍王クラスだから、隙見せたら即死だからな!」


「―――――チッ!生きてやがったか。今夜はもう寝ろ!」








 通算で1349回死にました。


 正確には死んでないが、腕が吹っ飛んだり、胸に剣が刺さったりして死んだも同然みたいな状況がそれ位繰り返されていた。


 どうやらこの地下空間には大魔王の魔法が常時発動しているらしく、心臓が破裂しても瞬時に再生して復活できる、常時死者蘇生魔法(ザオ〇ク)発動状態のようだ。


 殺されても死ねない恐怖の修業空間、そこでの俺の強制地獄修業はまだ始まったばかりだった。





 余談だが、この地獄修行が開始される直前に、俺は大魔王のステータスを視たのだが、その内容はとんでもないものだった。



【名前】『剣聖』『大魔王』ラートン=B=スプロット

【年齢】340  【種族】(多分)人間

【職業】大魔王(Lv99) 剣聖(Lv99) 医薬王(Lv99)  【クラス】というか大魔神?

【属性】無(全属性)

【魔力】9,999,000/9,999,000

【状態】正常(完全健康体)

【能力】大魔王之超魔力(Lv5) 剣聖之最強武術(Lv5) 大魔王之創造力(Lv5) 我ハ何処ニモ居ル(ハイド・ロード) 精霊之主君(エレメントマスター) 纏之大魔王 世界之眼 神浄化 獣使ノ大魔王 勝者之王(ジ・ウィナー) これが俺のリアルだ(ジ・リアライズ) 俺が世界の理だ(ルール・メイカー) 滅ビノ黒キ炎(カタストロフィ・フレイム) 絶対通行者 超次元図書回廊(インフィニティライブラリー) 善行への特別褒賞(エフォートエクスチェンジャー) 大鑑定神 神龍殺剣アスカロン 大魔剣サモセク 巨魔剣エッケザックス 王剣ジョワユーズ 倶利伽羅剣(くりからけん) etc

【加護・補正】物理耐性(Lv5) 魔法耐性(Lv5) 精神攻撃無効化 全属性耐性(Lv5) 全状態異常無効化 全能力異常無効化 龍殺し 神殺し 天使殺し 魔王殺し 幻獣殺し 不良殺し 家内安全 万能翻訳 不老長寿 王の器 剣の王 王の直感 完全健康体 超回復力 教育者 指導者 契約大王 制圧王 大魔王様 主神ユピテルの加護 軍神ウィツィロポチトリ()下僕 象頭神ガネーシャを下僕 酒神ディオニュソスを下僕 万能神マルドゥクを下僕 悪神ロキの契約 軍神スサノオの契約 月神ツクヨミを下僕 etc

【BP】5622



 大魔神だな!


 もう間違いない!


 地球が吹っ飛んでも問題なく生き残っていそうだ。



「――――ガキはさっさと寝ろ!!」


「ギャアアアアアアアアアアアア!!」



 そして、こんな生活が現実時間で1週間以上続いたのだった。




 だがこの1週間の修業の末、俺は今までとは比較にならないほどのパワーアップを果たす事になる。





 そして、俺が再び異世界ルーヴェルトに出発する日がやってきた。







 一応、これで日本編は終わりです。

 次回からは番外編です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ