第161話 ボーナス屋、あの世に行く
名古屋市に大魔王が現れた!
そして空から降ってきたらいけない物が沢山降ってきた!
【*ここからの数秒間は士郎にも認識できなかったので簡潔に説明します。by作者】
1、大魔王により遠隔操作された戦闘機が爆撃をする。
*注:大魔王は無詠唱無動作で結界を展開済みだったので野次馬を含めた一般人は誰1人としてそれ以降の出来事は認識できない。
2、乱暴者達とチームお嬢は爆撃に飲まれて宙を舞う。
3、大魔王の神速打撃により乱暴者達の全身の関節が粉砕される。
4、そして魔法ですぐに完治させられる。
5、これを1秒以内に何セットか繰り返される。
6、次に空から5体の飛龍が神速アタック!
7、さらに大魔王の昇〇拳!
8、乱暴者たちは一瞬で雲の上へ。
*注:大魔王は彼らの体に魔法をかけていたので物理法則は色々無視されます。
9、乱気流でシェイキング♪
10、雲の上で大魔王の△◇×○□!
11、地上に生ける屍セット完成!←今ココ
【以上!】
「「「~~~~~~!!(ピクピク)」」」
「――――チッ!まだ生きてやがる!相変わらず日本のガキは頑丈だな?」
この数秒間に何があった!?
気が付いた時には乱暴者達は大魔王の屍にされていた。
なんか、巻き添えくらった人が沢山いる気がするのは気のせいか?
「あ、大爺ちゃま!」
「ここで何やってんだバカチビ!」
大魔王はルチオをコンと軽く拳骨した。
そして撫でる。
「よし、帰るぞ!」
「うん!」
そして大魔王は去っていった。
両手に人間の脚を掴んだまま・・・・え?
「って、ちょっと待てぇぇぇぇ!!何を引き摺ってるんだ!?」
「あ゛?」
思わずツッコんだら睨まれた。
ヤバい!
今まで生きてきた中で最大の危機な感じがする・・・!!
というかルチオんとこの爺さん、何で「何ツッコんでんだ、コイツ?」、みたいな顔をしてるんだよ。
あ、「どっか可笑しなところがあんのかよ?」みたいな顔になった。
「大爺ちゃま、その人達は?」
「ああ、これか?役畜だ。」(*役畜:農耕や運搬などの労役に用いられる家畜。牛や馬など。)
人間扱いすらされてねえ。
「ま、待て!」
「しょ、傷害・・いや、殺人未遂の現行犯だ!!」
と、ここでさっきまで呆然としていた警官達が動き出した。
ああ、確かにあれは普通に考えれば思いっきり違法行為だよな。
だけど・・・
「――――あ゛?」
―――――パタッ!×5
警官5名、大魔王の覇気で瞬殺です♪
公務執行妨害も追加だな。
「大爺ちゃま、あれいいの?」
「あ?貧血で倒れたんだろ?」
「って、何でジャグリングしてんだよ!?」
大魔王、屍になっている乱暴者達の体をボールか何かのようにジャグリングしている。
こらバカ兄弟、ハシャグな!!
「おいガキ、さっきからウルセエが、死ぬか?死ね!」
「うおっ!!??」
こっちの返答を待たずに攻撃してきた!?
俺は当然の如く避けようとするが、気付いた時には俺の体は宙を舞っていた。
あ・・・お花畑で手を振っている父さんと母さんが見える・・・♪
「士郎~~!幻じゃなくて、本当にあの世に送られてるよ~~~!物理的に~~~!」
・・・・はい?
・
・
・
--------------------------
――あの世?――
あの世って、本当にお花畑が広がってるんだな・・・って違う!!
死んだの!?
俺、マジで死んじゃったの!?
大魔王に殺されちゃったの!?
『―――おお勇者よ、死んでしまうとは情けない!』
何所からともなく某有名RPGの某王様の有名セリフが聞こえてきた。
『おお勇者よ、大魔王に瞬殺されるとは情けない!』
「五月蠅い!!お前が戦え!!」
俺は声のする方を振り向いてツッコむと、そこには一本の案山子が立っていた。
テンプレな王様の格好をした案山子が・・・。
「……何だこれ?」
『おお勇者よ、イイ年を勇者とは恥ずか……●×▲◇!!』
「やかましい!」
俺は案山子を踏みつけた。
何なんだ、この案山子は?
【ヘルメスのイタズラ案山子】
【分類】置物
【品質】普通
【用途】イタズラ
【詳細】神ヘルメスが作った案山子。
イタズラ以外の意味の無い、ちょっとイラッとするだけの案山子。
本当にイタズラ以外の意味はない。
「………。」
神って一体……。
そこに、また新たな声が聞こえてきた。
『――――お帰り下さい。』
「誰!?」
振り向くと、そこには美女が立っていた。
後ろには何頭もの猛犬やらドラゴンっぽい魔物やらを率いているけど、それさえも飾りに見えるほどの美女が立っていた。
『ここは死者の世界、生者である貴方が居ていい場所ではありません。すぐにお帰り下さい。出口はあちらになります。』
美女は横を指差し、その方向を見るとこれまた某RPGとかに出てくるような出口の渦巻きが出現していた。
何アレ、何の扉?
『念の為に申しますが、本来なら生者はここに訪れた時点で即死します。そしてそのままここの住民になります。』
「マジで!?」
『マジです。普通は死にます。デッドエンドです。』
あの大魔王~~~~!!
本気で俺を殺す気だったのかよ!?
ん?
じゃあ、何で俺は無事なんだ?
『―――貴方は、多くの神々に護られているので冥府の理の影響を受けていないのです。ですが、長居は危険です。すぐにお帰り下さい。』
ああ、俺は沢山の加護を持っているからな。
そのせいか。
『お急ぎください。ここと現世では時の流れが異なるので。』
「え!それって浦島太郎みたいな!?」
『そうなります。』
ヤバい!
急がないと帰ったら未来でしたってオチになってしまう!
俺は急いで出口の渦巻きに飛び込んだ。
「――――あ!そういえば、君は……」
目の前が真っ白になる直前、俺は美女に名前を訊こうとしたが、最後まで言葉を言いきれずに俺はあの世から消えた。
『――――ルーヴェルトのこと、よろしくお願いします。当代の勇者様。』
--------------------------
――名古屋――
帰ってきたら深夜になっていた。
俺の感覚じゃ5分も経っていなかったはずなのに、現実では6時間近く経っていたようだ。
「……で、俺がいない間に何があったんだ?」
「あ〜、士郎お帰り〜!」
出口は入口と繋がっていたようだ。
俺は大魔王に瞬殺された場所に戻り、そして見てしまった。
俺があの世に行っている間に、繁華街が大魔王城と化していた。
(犯行現場だった)テナントビルが1つまるごと改造され・・・というか思いっきり原型を失い、RPGとかでありそうな大魔王の玉座の間を真っ白にしたような・・・兎に角、斜めにカットされたビルが大魔王の玉座になっていて、最上階だった場所にはどっから持って来たのか分からないような、あからさまに高級感あふれるドデカイ椅子に大魔王が脚を組んで座っていた。
そして玉座と化したビルの周りにはドラゴンが何体も囲んでいる。
赤、白、青、黄、緑の5色のドラゴンが・・・・
「―――って、特撮の戦隊かよ!?」
「飛龍戦隊ラートンファイブ~~~♪」
銀洸はコーラをジョッキで飲みながら馬鹿な事をほざいていた。
いや待て、よく見たら宴会会場になってないか、ココ!?
ドラゴン達も馬鹿でかいジョッキやグラスで高そうな酒を飲んでいる。
俺の周りでも、高そうなスーツを着た大人達が全身を震わせ顔を真っ青にしながら飲食している。
「・・・どういう状況なんだ?なあ、どういう状況なんだ銀洸?」
「ん~?大魔王降臨~!大魔王蹂躙~?大魔王君臨~♪」
「分かり難い!!」
大魔王が大暴れしたのだけは何となく分かるけど。
あれ?
よく見たら、玉座に座っている大魔王の足の下に何かがある……?
なんか、テレビで見た事がある様な……
「……まさか。」
俺は恐る恐る大魔王の足元にあるモノ達に《ステータス》を使ってみた。
そして見てしまった。
【名前】伊藤 斉三
【年齢】55 【種族】人間
【職業】愛知県知事 【クラス】大魔王の新・下僕in日本134号
*以下略
【名前】吉田 晋太郎
【年齢】60 【種族】人間
【職業】防衛大臣 【クラス】大魔王の新・下僕in日本391号
*以下略
【名前】ロナルド=S=デイビス
【年齢】45 【種族】人間
【職業】駐日アメリカ大使 【クラス】USAの人身御供
*以下略
【名前】稲垣 怜治
【年齢】49 【種族】人間
【職業】名古屋市長 【クラス】大魔王の新・下僕in日本3号
*以下略
・
・
・
他、日米の政財界の大物達が揃いも揃って大魔王の足に踏み付けられていた。
色んな意味でヤバい・・・って、大魔王、こっちを見た!
「――――あの世から帰って来たか、ガキ?」
「―――――ッ!!」
「さあ、どうする~?
1、戦う(Let's自殺行為) 2、逃げる(ムリ~) 3、従う(M?) 4、掘られる(あ――!)
どっち?」
「最後のは何だ!?」
そしてワクワクするな!
どれにワクワクしてるんだよ!
「――――ん?ガキ、面白そうな能力持ってるな?」
「え?」
――――ビービー!!
【警告!《応報之絶対真理》がハッキングされています!】
な、何ぃぃぃぃぃぃぃ!!??
クイズです!
士郎があの世で出会った美女は誰でしょうか?
ヒント:外国の神話に登場する女神です。