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ボーナス屋、勇者になる  作者: 爪牙
日本編
165/465

第159話 ボーナス屋、強制転送される

――繁華街 マク〇ナルド――


 野次馬の中から抜けた俺と女子高生姫奈ちゃんはマ〇ドナルドでお茶をしながら自己紹介をし、そこで俺は姫奈ちゃんが捜していた『ハッピーハンター』のプレイヤーである事を知った。



「そんな・・・このアプリがそんなに怖いものだなんて・・・!」


「そうか、姫奈ちゃんは何も知らなかったんだな?」



 俺は姫奈ちゃんに『ハッピーハンター』が起こしている問題を説明した。


 どうやら本当に危険なものだとは思っていなかったらしく、凄くショックを受けていた。



「じゃあ、彼女達が言っていた事は・・・・私のせいで成績が下がっちゃったんですね。」


「いや、それは全然関係ないと思うぞ?」


「え?」



 俺は話をしながら《摩訶不思議な情報屋(エクセレントリポーター)》で調べたが、あのお嬢達の成績が下がったのは解答の記入欄をずらしたり、カンニングしたり、教師に便宜を図ってたり、勉強してなかったりと、全部自業自得だった。


 幸運が減ったとかは関係ないだろ。



「だから、姫奈ちゃんは気にするなよな?」


「・・・優しいのね。」


「そうか?」


「優しいわよ。さっきだって、普通ならみんな見て見ぬふりをするのに・・・」


「いや、そっちは明らかに普通じゃないだろ?助けるのが普通だろ?」


「・・・そうよね。」


「それに、俺よりもあいつ等を心配している姫奈ちゃんの方が優しいと俺は思うぜ?」


「・・・(ポッ!)。」



 あれ?


 姫奈ちゃんの顔が真っ赤になったけど、まさかフラグを立てちゃった!?


 もしかしなくても、最近の俺って・・・・いや、今はそんな事を考えている場合じゃない!


 本題に戻らないと!



「・・・兎に角、このアプリを消すけどいいよな?」


「はい。私も他人の幸せを奪うのは嫌です。このゲームはもうしません。」


「じゃあ、消去っと!」



 俺は姫奈ちゃんのケータイを操作して『ハッピーハンター』を消去しようとする。


 だが、何度やっても消去できなかった。



「もしかして、呪われてる?」


「えっ!?」



 俺は慌てて《鑑定》を使って確認してみる。



【幸喰いの携帯電話(Do○○Mo)】

【分類】魔法具

【品質】普通

【詳細】デジタル情報型魔法『ハッピーハンター』がインストールされているDo○o○oの携帯電話。

 携帯電話を操作することにより、『ハッピーハンター』が使えるようになる。

 携帯電話本体の操作による消去は不可能。

 魔法の本体である人工電子精霊が内部に潜んでいる。



 ふう、呪われてはいないようだ。


 けど、中に精霊が隠れているようだな?


 だったらこの手だ!



「(―――《吸収之達人(ドレインマスター)》!)」



 周りの迷惑にならないようにケータイの中から魔力を吸収を開始しる。



『キャッ―――――』


「え!?」


「わ!」



 ビックリした!


 いきなりケータイの中から声が聞こえたかと思ったら発光するんだもんな!



「あ、アプリが消えた!」



 どうやら成功したようだ。


 やはり精霊や魔法には吸収系が効果抜群だな♪


 これで残りは19か。


 今日中に終わるかな?



「はい、ケータイ!」


「これでもう大丈夫なのよね?」


「ああ、これはもうただのDo○oMoのケータイだ。アプリは消えて無くなったから安心していいぞ♪」


「本当にありがとう。大羽くんに会えなかったら、私はきっとアプリを使い続けて取り返しのつかない事をしてたわ。」



 姫奈ちゃんは何度も頭を下げてお礼を言い続けた。


 そしてコーヒーを――俺の奢りだ!――飲み終えた後、姫奈ちゃんは家で家族が待っているそうなのでマク〇ナルドの前で別れた。



「さてと!残り19人は何所にいるかな?」



 夕飯までには帰りたいし、検索してさっさと終わらせるかなっと!



〈――――ピンポンパンポン♪〉



 その時、俺の頭の中に気が抜けるような声が聞こえてきた。



〈臨時ニュースです!臨時ニュースです!〉



 この声、銀洸か。


 臨時ニュース?


 あ!ついに大魔王が名古屋に襲来したのか・・・・!?



〈事件が発生しました!現場に勇者を強制転移させます!〉



 ニュースじゃねえよ!!


 って、もう転移始まってるし!



〈尚、現場は18歳未満には一部不適切なシーンがあるので修正が入ります。ご了承下さい。〉



 どういう意味だ?



〈じゃあ、行ってらっしゃ~い♪〉



 そして俺は消えた。


 尚、後で知ったが、銀洸は俺の消える前後に一般人には俺を認識されないようにしていたらしい。


 そのせいで転移を目撃した者はゼロだった。





--------------------------


――繁華街 とある溜まり場――


 銀洸に強制転移されて着いたのは妙に薄暗い場所だった。



「ああ゛?何だ、テメエは?」


「うわっ!なんじゃこりゃ!?」



 そしてそこはモザイクランドだった。


 部屋にあちこちがモザイクで埋め尽くされていて、そこにいた人達の大事な場所がしっかりとシークレットされていた。


 って、ここ発展場かよ!?


 いや待て、ここにいる連中の顔はどれもこれも魂が抜かれた様な、正気じゃないような顔をしている。



「誰だっつってんだよ!」


「おっと!」



 乱暴者さんがいきなりイスを投げてきた。


 よく見ると、なんだか禍々しいオーラを纏っている。


 悪魔にでも憑りつかれたのか?


 そして下半身にモザイクが!



「危ないだろ!誰だよお前!?」


「こっちが訊いてんだよ!!面倒くせえ、テメエも俺の奴隷になれ!」


「は?」



 乱暴者の眼が怪しく光った!


 だが、何も起きない!



「何!?クソッ!ちゃんと俺を見ろ!!」



 また光った!


 だが、また何も起きない!



「何でだ!?」


「ああ、魔眼ってヤツか!」



 俺は乱暴者のステータスをチェックする。



【名前】松尾 信愛

【年齢】19  【種族】まだ人間

【職業】無職  【クラス】ゲスニート

【属性】メイン:雷 サブ:風 水 闇

【魔力】1,432/3,110

【状態】精神侵食(中) 肉体変異(中)

【能力】念力 召喚 魅了の魔眼 支配の魔眼 房中術 魔進化 魔改造

【加護・補正】物理耐性(Lv3) 魔法耐性(Lv1) 精神耐性(Lv1) 雷属性耐性(Lv2) 毒無効化 麻痺無効化 堕ちた魂 絶倫 略奪者 支配者 剛力 強健ボディ 俊足 幸福を喰らう者 変態 人工電子精霊の侵食

【BP】-77



 魔眼を2つも持っていた。


 そして見た目通り《変態》もしっかりと載っていた。


 何か、他にも変なのがあった気がするが気のせいだろう。


 それよりも、こいつの名前は『ハッピーハンター』のプレイヤーの中にあったな。



「クソ!クソ!何で効かねえんだぁ!!??」



 乱暴者は地団太を踏んでいる。


 どうやら俺には奴の魔眼が効かないようだ。


 あ、そうか!


 確か俺はクラウ・ソラスの効果で状態異常は無効化されるんだったな。


 “魅了”や“支配”も状態異常に分類されるってことか。



「クソッ!!お前ら、そいつを取り押さえろ!!」


「「「―――はい。」」」


「変態軍団!?」



 虚ろな目をした露出男(・・・)達が俺に迫ってくる。


 色んな意味でヤバすぎる光景だ!!



「《加重(ウェイト)》×2!!」


「「「ガ――――!?」」」



 露出どもは体重に耐え切れず床に沈んだ。


 ふう、危ない処だった。


 というか、こいつらは乱暴者に操られているみたいだな?



「調子に乗ってんじゃねえええ!!」



 乱暴者は不思議な波動を使ってきた。


 《念力》ってヤツなんだろうけど、俺には全然効かなかった。



「《ショット》!」


「グハッ!!」



 ちゃんと手加減した無属性基本魔法(ショット)をぶつける。


 うん、圧倒的勝利だな!


 さてと、後はスマフォを没収してアプリを消去すれば・・・



「グソ・・・調子・・に、乗っ・・・・ねえ・・・!!」



 加減したせいかまだ意識があったようだ。



「・・・ま・・・《魔進化》!!」


「ん?」



 乱暴者が何かを呟いた直後、乱暴者の持っていたスマフォから禍々しい力が解放され、一瞬で乱暴者や露出達を飲み込んでいった。



「何だ、これは―――!?」



 そして、何処からともなく人間じゃない何かの声が聞こえてきた。





――――実験体ノ魔精霊(デモンスピリット)化シークエンスヲ開始スル・・・







~その頃の大魔王~

大魔王「・・・まあまあだったな。」

幕僚長「む、無念・・・」

自衛隊「「「幕僚長~~~!!」」」

大魔王「―――発進!」


 大魔王は名古屋に向かって発進した。


自衛隊員「一佐!他の機体が無人のまま発進しました!」

一佐「何だと!?」

自衛隊員「しかも実弾を・・・」

一佐「だ、大臣に報告!!」



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