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ボーナス屋、勇者になる  作者: 爪牙
港町ヴァール編
16/465

第14話 ボーナス屋、取引する

1時間ほど早く更新です。

あと、《エフォートエクスチェンジャー》の新機能の設定を少し変更しました。


〈《ステータス》との同期機能〉

・ステータス画面にポイント残数が表示されます。

・ただし、過去にポイントの交換をした方か、システムが自動で認識した方限定です。


〈ポイントサーチ機能〉

・一定範囲内にいる生物(・・)の中から一定以上のポイント保有者を探知します。

・近くにいる当能力を最も必要とする者上位3名を探知します。

・探知した人物のステータスにはポイントが表示されるようになります。


変更前は、交換した事のある人物のステータスにしかBPが表示されない設定でしたが、前回うっかりウツさんのステータスにも表示させちゃったので変更しました。

混乱した方、すみませんでした。


 落ち着け俺!


 よく見れば似ているのは髪型と色だけじゃないか!


 オッサンがト〇ネコっぽいから子供もポ〇ロっぽく見えただけだ!



「クルト、この馬車の積荷を倉庫まで運ぶのを手伝いなさい。」


「わかったよお父さん!」



 よし、今は荷物を運ぶことを優先しよう。うん。


 俺達は馬車を店の裏の倉庫まで移動させて積荷を運び出していった。


 調子に乗ってたくさん収穫しまくったらからかなりの量があるんだよな。


 しかも魔法で軽くしてるから運ぶのは楽チン♪



「ふう、これで全部ですか?」


「全部ですぞい!」


「では、中身を見せてもらいましょう。」



 オッサンは袋の1つを開けて中身を見て驚愕する。



「・・・・これは中々上等な麦ですね?これほどの物は滅多に出ませんよ。一体どうやって・・・・?」



 予想通りの反応だな。


 戦争で半年以上顔を見せなかったのにいきなり上質な小麦を大量に持ってきたらそうなるよな。


 ここは俺の出番だな。



「それは俺が説明するぜ!」



 会ってから1時間も経ってないけど、俺の勘だとオッサンは良い奴だ。


 BPから見ても真っ当に生きているのは間違いないだろうからな。


 俺は関係ない連中に聞かれないように注意しながらオッサンに説明していった。



---------------------


        チャリ―――ン!



 あ!今の音は俺の想像だ。


 オッサンの頭の中でそんな音が鳴ったような気がしただけだ。



「・・・・・・・なるほど。」



 俺は一通りの事情をオッサン、あ、流石にオッサンだと失礼だからフライハイトさんだな。


 俺としてはトル〇コさんとも呼んでみたいが我慢する。


 とにかく一通りの事情を説明した。


 俺が異世界人である事は話さなかったが、ファル村で起きた事と大量の小麦ができた理由は説明した。


 ついでに俺の能力についてもだ。


 きっと今、フライハイトさんの頭の中ではどれだけの儲け話になるか計算中のはずだ。


 まあ、《高速暗算》があるからすぐに計算は終了するだろうけどな。



「分かりました。先代からの付き合いもあるでしょうし、私どもも協力しましょう。」


「ホントですか!?」



 ロビンくん大喜びだな。


 まあ、タダじゃないんだろうけどさ。



「ただし、いくつかの条件付きですが。」



 ほらやっぱり!


 商人はタダじゃ動かないのは常識だぜ!



「まず1つ目ですが、シロウ殿が改良した作物の種を当商会にも分けて戴きたい。」


「いいぜ?他の村でも栽培したりするんだろ?後は他の商人に売ったりとか?」


「その通りです。欲を言えば大量の小麦を独占したいところですが、それだと敵を多く作ってしまいますし、地域によって貧困の格差を大きくしてしまいます。それに、この地域だけで麦などが大量に仕入れられたらそれこそ他の商人や貴族に怪しまれてしまいますからね。」


「他の地域でもたくさん栽培して注意を引くってわけか。」


「そうです。」



 まあそんなに単純じゃないだろうけどな。


 ファル村とは遠く離れた地域でファル村より大量の麦が採れれば少しは安全だろうな。


 まあ、細かいところは専門家に任せるしかないか。



「2つ目は不定期にですが、当商会からの依頼を引き受けてもらうことです。もちろん報酬は出します。内容は魔獣の討伐や情報の提供などです。」


「情報?」


「“連作障害”でしたか?そのような言葉は私も聞いた事はありません。それに“肥料”という言葉もです。そして“根菜”もです。知識も利用次第では財になりますので、知ってる限りの事でいいのですので教えてもらいたいのです。まあ、簡単に言い換えれば相談相手になってほしいと言うことです。」


「なるほどな。」



 確かにこの世界の農業は現代日本と比べるとかなり差が大きいからな。


 「収穫量を増やす方法」とかも金を払ってでも知りたい人はたくさんいるだろうな。



「そして3つ目ですが、シロウ殿の能力を利用させてもらいたいのですが・・・・・。」



 あ~、まあ、当然の要求だよな。


 あまり誇張はしなかったけど、魔法が使えるようになるとか貴重な薬が手に入るとかは教えちゃったからな。


 本当と分かれば利用したくなるのは当然だよな。


 ポイントを見る限り、かなり頑張って働いているようだしな。


 まあ、俺の倍以上生きてるからってのもあるんだろうけどな。



「それって自分に?」


「いえ、私ではなく、妻と息子に使ってほしいのです?」


「お父さん?」



 フライハイトさんの隣に立っていたポ〇ロ・・・・じゃなくてクルトくんはポカンとした。


 そう言えば、奥さんの姿は見かけないよな?


 と言うか、奥さんもネ〇っぽいとかじゃないよな?



「――――実際に見てもらった方が早いでしょう。ついて来て下さい。」



 フライハイトさんは俺達を2階の住居スペースへと案内した。


 うわっ!ここも暗いな!?


 1階は悪魔を倒したら明るくなったけど、まさか他にも悪魔がいるのか?



「この部屋です。入るぞ!」


「―――――――ゴホッ!あなた・・・・・?」


「・・・これが妻です。」



 案内された部屋にいたのは、矢印の刺さった(・・・・・・・)顔色の悪いやつれた女性だった。


 あれ?ネ〇っぽくないな?



「話せば長くなるのですが、この店は元々父が作った小さな商会でした。私は父の下で修業して跡を継いだだけの運の良い男でした。ここまで商会を大きくできたのは、偏に妻の献身のお蔭なのです。彼女のお蔭で息子を持つ事もでき、商会もここまで大きくすることができました。」



 フライハイトさんの目に涙が浮かんできている。


 何だかイイ話になってきたな。



「ですが、1月ほど前に無理が祟ってとうとう病を拗らせて倒れてしまったのです。その頃からでしょうか、商会の経営が急に悪くなって・・・・・結局それは呪いだったのですが、妻の方は日に日に弱っていてこのままだと・・・・・!」


「なるほどな、それでボーナスで元気になる薬を手に入れたいって訳か!」


「はい。」



 アンナちゃんの時と似たようなもんだな。


 けど、この病気も案外呪いとかかもしれないから、まずはステータスを確認だな!



【名前】カヤ=フライハイト

【年齢】36  【種族】人間

【職業】商人  【クラス】賢夫人

【属性】メイン:火 サブ:風 雷 木

【魔力】4,900/4,900

【状態】魔法毒による病弱化

【能力】攻撃魔法(Lv2) 防御魔法(Lv2) 補助魔法(Lv2) 特殊魔法(Lv3) 体術(Lv1) 杖術(Lv2) 調合術(Lv2)

【加護・補正】精神耐性(Lv4) 火属性耐性(Lv2) 風属性耐性(Lv2)

【BP】175pt



「・・・・・・フライハイトさん、奥さん毒盛られてるぜ?」


「ええ!?」



 しかも普通の毒じゃなくて、“魔法毒”って何か性質悪そうだ。


 う~ん、持ち合わせの薬には合いそうな薬はないな。


 犯人はきっと悪魔と契約した奴だろうな。



「何か、魔法の毒で病弱になったみたいだな?ロビンくん、何か知ってるか?」


「・・・特殊な毒ですね、販売は禁止されてますが、裏ルートで売買されていると聞いた事があります。」


「間違いない!こういう事をするのはドゥンケル商会の連中だけだ!奴ら、他人の成功を妬んでは汚い手で邪魔するだけじゃなく、妻に毒を・・・・!!」



 フライハイトさん激怒してるな。


 当然だろう、悪魔で呪うだけじゃなく毒を盛って奥さんを苦しめたんだからな。


 ボーナスにいい薬があればいいんだけどな。



「とにかく試してみるか!」


「お願いします!!」



 いや、まだ成功するか分かんないから頭下げられてもな~~。


 とにかく奥さんにも軽く説明しておかないとな!



---------------


 結果から言えば薬は手に入った。


 10pt消費して〈特級ポーション〉を手に入れて無事に回復で来たぜ!



「あなた、何だかすごく調子が良いわ!」


「おお・・・・・・!!」


「毒はこれで消えたぜ!まだポイントがたくさん残っているから他にも何か選ぶ?」


「ええ、できればまた同じ事があっても対応できるものをお願いします。」



 まあ、そうだよな。


 敵の多い職業だから2度目がないとは言えないからな。


 とりあえずは検索してみるか!



〈完全健康体〉 60pt

〈回復魔法〉 20pt

〈解毒魔法〉 10pt

〈浄化〉 30pt

〈全状態異常耐性〉 35pt

〈危険察知〉 10pt

〈回復力上昇〉 10pt

〈体力上昇〉 10pt

〈魔法知識(防御)〉 10pt

〈魔法知識(補助)〉 10pt

〈薬物知識〉 10pt

〈解毒の指輪〉 15pt

〈浄化の指輪〉 25pt



 カブっているのも含めると結構あるな~~。



「そう言えば、奥さんは自分で薬とか作ったりするんですか?」


「ハイ、今はたまにですが、昔は商品にする薬を調合してました。」


「じゃあ、知らない薬の知識とかもあれば欲しい?」


「それは欲しいです。私が知っているのは簡単な物ばかりなので・・・・・。」


「奥さんからは何か欲しいものとかってある?」


「そうですね、――――――――――とか、―――――――ですね。」



 なるほどな。


 奥さん、何から何まで家族優先なんだな。


 とすれば、〈完全健康体〉を選ぶとちょっとポイントが足りないな~~~?


 ここは少し安価な〈全状態異常耐性〉と〈薬物知識〉、〈回復力上昇〉に各種魔法、そして―――――と――――――だな。



「こんな感じでどうだ?」


「―――――はい、これでいいです。」



 俺は奥さんに確認してもらった上で決定を押してもらった。


 そして何時も通りに奥さんが発光して交換完了だ!


 あ、ちなみに何を選んだかは後のお楽しみだ♪



「これで毒や呪いにも耐性がついたぜ?」


「ありがとうございますシロウ殿!」


「俺はそんなに感謝されるような事はしてないぜ?」



 さて、今度はフライハイトさんとクルトくんだな!


 商人だから魔法よりも知識や魔法具とか選びそうだな。



「じゃあ、今度はクルトくんで、次がフライハイトさんだな!」


「はい、お願いします!」



 さて、次いってみるか!


 クルトくんを改・・・・じゃなくて、パワーアップさせるぜ!




------------------


 うん、良い気分だ!


 フライハイトさんとクルトくんのボーナス交換を完了した俺は、ロビンくんと一緒に領主の住む館へ向かっている。


 ちなみに納得の話だけど、クルトくんのポイントはバカ皇子より上だったぜ!


 お爺さんAはフライハイトさんと積荷の精算でしばらく時間がかかるみたいだから一旦別れた。



「あそこが領主の館か・・・・。館って言うより城だな!」


「ここの領主は上級貴族ですからね。身分の高い一部の貴族は、自分の力を誇示するために城を建てる方が多いんです。」



 やっぱ、貴族は見栄を張りたがるもんなんだな。


 きっと、民衆から税金とりまくって建てたんだろうな。



「そんな町に限ってコソ泥やひったくりが多いんだよな~!」


「し!聞かれたら大変ですよ!」


「そうだった!」



 悪口ひとつで処刑とかありえそうだからな。


 口には気をつけないと!


 そんなことを考えながら、俺達は館までの最短ルートを選んで表通りから人通りの少ない道へ入った。


 その直後、




「やい、死にたくなかったら金を全部だしな!」


「身包み剥いでやるぞ!」




 入った途端に不良に絡まれちゃった♡










フライハイト一家が手に入れたボーナスとは!?

後で分かるので楽しみにしていてください。

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