第151話 ボーナス屋、買い物を終える
ユニークアクセス70万突破!
今後ともよろしくお願いします。
「あれって、B組の佐原?」
「知り合いなの?」
「ああ、関わりたくない同級生とその取り巻きだ。」
「・・・バカ?」
七海はハッキリ言うよな。
それはそうと、あいつ等はナンパをしているようだ。
既に女が一緒にいるのに、更に初対面の人にも絡んでいるみたいだな。
「いいじゃねえか、一緒に遊んでくれたら良い物をあげるぜ?」
「嫌よ!」
「そうよ!初対面なのに失礼じゃない!」
「ああ!?俺と遊べねえっていうのか?」
完全に性質の悪いチンピラだな。
他の御客さん達は関わりたくないと言わんばかりにさっさと逃げ出している。
誰も絡まれている人を助けようとはしないみたいだな。
と思ったら、俺らと同年代らしい男が助け舟に入ってきた。
「や、やめてください・・・!彼女達が嫌がってるじゃないですか!」
「ああ?なんだてめえは?」
「キモ!何だよコイツ、オタクみたいでキモイな?」
「ちょっとぉ、私達の問題に割り込まないでよね!それとキモイから消えてよ!」
「そうだそうだ!」
「で、でも、この人達が嫌がって・・・」
「こっちもお前に絡まれて嫌がってるんだよ!これ以上ウザイこと言ってると痛い目見るぞ?」
「キャハハハ♪」
最低な連中だな。
助け舟に入った人に対して被害者面し始めたよ。
「・・・クズね。」
「佐原の親は金持ちらしいからね。何時もああやって好き勝手やってるのよ。確か、家族がここのモールの経営会社の株主もしてるって聞いた事があるわ。」
「マジかよ。ここで騒いでもどうにでもなるって思ってるってことかよ?」
本当に性質が悪いな。
ここは俺がいって力ずくでも止めるしかないな。
「やめなさいよ!ここで士郎まで加わったら悪化するわよ?あいつ等、私達を社会のゴミみたいな目で見下したりするのが好きだから。」
「ベタな悪役みたい・・・。」
「・・・確かに。」
「ん~。」
確かに、下手に手を出したら絡まれた女性や助けに入った人が怪我するなんて事態になりそうだ。
そうだ!
こんな時にこそ、俺の能力を生かすべきだ!
「よし!なら、直接顔を見せずに懲らしめてやろう!」
「できるの?」
「チートだからな!」
俺は《応報之絶対真理》を一般人には不可視状態にして再び起動する。
そしてまず、加害者のステータスを確認する。
【名前】佐原 宗二
【年齢】16 【種族】人間
【職業】高校生(3年) 悪党見習い 【クラス】問題児 ヤリ逃げ男
【属性】メイン:水 サブ:風 土
【魔力】444/444
【状態】微酔
【能力】――
【加護・補正】物理耐性(Lv1)
【BP】-20
「あいつ、酔っぱらってるぞ。」
「職業が「悪党見習い」って・・・。」
しかも「ヤリ逃げ男」って・・・バカ皇帝みたいに種をあちこちに蒔いてるってことか?
しかもポイントが思いっきりマイナス値、裏で一体何をやっているんだか。
取巻きの連中はどうなんだ?
【名前】杉浦 誠太郎
【年齢】15 【種族】人間
【職業】高校生(Lv1) 詐欺師見習い 【クラス】ヤクザの子分
【属性】メイン:雷 サブ:風 水
【魔力】500/500
【状態】微酔 水虫(微)
【能力】――
【加護・補正】騙す者
【BP】-19
こいつもマイナス・・・ヤクザと一緒に詐欺をやっているってことか?
【名前】鈴木 直美
【年齢】16 【種族】人間
【職業】高校生(Lv1) ホステス 【クラス】夜のJK
【属性】メイン:火 サブ:土 風 木
【魔力】396/396
【状態】微酔 妊娠(約1ヶ月)
【能力】――
【加護・補正】妊婦
【BP】9
コイツは確かD組の奴だったな。
高校生なのにホステスなんかやってたのか。
しかも妊娠してる。
「みんな碌な事をしてないみたいだな。あ、こいつは年齢詐称をしてる!」
「全員警察行きにした方がいいんじゃない?」
「そうだな。けど、その前に現状をどうにかしないと!」
少し酔っているせいであいつ等は歯止めがかからなくなってきているようだ。
「キモイ」を連呼しながら助けに入った人の胸倉を掴み始めた。
俺は迷わずマイナスリセットを全員分押す。
次に進化して新たに追加された新機能、〈ステータス調整機能〉を使用する。
《各ステータスを操作してください。》
【佐原 宗二 のステータス】
体力:100 攻撃:100 防御:100 精神:100 知力:100 敏捷:100 器用:100 保留:0 (単位:%)
〈ステータス調整機能〉は上の数値を調整する機能だ。
例えば、体力を50(%)下げると、攻撃を50(%)上昇、または魔力と精神を25(%)上昇させたりすることができる。
ポイントに変換する事は出来ないが、これはこれで結構便利な能力だ。
ただし、対象者が特殊な加護や補正を持ってたりしている場合は使用できない場合がある。
“保留”は移動させない分の数値を保留する為の欄だ。
俺は“攻撃”を10まで下げて、その分を“保留”に移動させる。
最大で1まで下げられるが、そこまでやるとどうなるかはまだ不明なので10までにした。
すると、佐原は胸倉を掴んでいた手を放した。
「何だ・・・力が・・・!?」
成功したようだ。
佐原は腕力が急激に下がったせいで、他人を持ち上げられなくなったようだ。
念の為、他のもちょっと下げておくか。
【佐原 宗二 のステータス】
体力:50 攻撃:10 防御:50 精神:50 知力:80 敏捷:50 器用:50 保留:360 (単位:%)
そして全体のステータスも以下のようになった。
【名前】佐原 宗二
【年齢】16 【種族】人間
【職業】高校生(3年) 悪党見習い 【クラス】問題児 ヤリ逃げ男
【属性】メイン:水 サブ:風 土
【魔力】444/444
【状態】微酔
【能力】――
【加護・補正】物理耐性(Lv1) 悪因悪果(ペナルティ) 不幸(ペナルティ)
【BP】0
ちゃんとペナルティが付いたようだ。
《悪因悪果》というのは初めて見るので詳細を表示させてみると、以下のようになった。
【悪因悪果(ペナルティ)】
・悪行を重ねすぎた人に付くペナルティ補正。
・その人が行った悪行が原因で、その人に次々に悪い結果が襲い掛かる。
・善行を重ねない限りこの補正は死ぬまで残り、その人だけでなその人の周りをも不幸に巻き込む。
なんか怖い!
死ぬまで続く上に、周りも巻き込むって・・・!
「そこの君達!何をしているんだ!」
「ヤベエ!サツだ!」
と、そこにお巡りさん達が登場!
佐原達は急いで逃げようとするが、《不幸》のせいか、足を躓いて全員転んでしまった。
そこをお巡りさんに取り押さえられた。
「君達は高校生か?ム、酒の臭いがするぞ!」
「君達、ちょっと来てもらおうか?」
「放せ!!何でだ、力が入らねえ!?」
こうして佐原達は警察のお世話になったのだった。
絡まれていた女性は助け舟に入った人に頭を下げて感謝していたが、どっかで聞いた事のある様な光景だった。
「・・・電〇男?」
「それだ!」
「ハッピーエンドになるといいわね。」
俺達は温かい眼差しで彼らを見守るのだった。
余談だが、彼らは今日の出会いをきっかけに親好を深めていきハッピーエンドを迎えることになる。
俺がコッソリとボーナスをあげてたりしてたのも原因なんだけど、それを当人達が知ることはないのだった。
--------------------------
「へえ、そんな事があったんだ?」
買い物を終えた俺は、他にも用事があるらしい唯花達と別れて真っ直ぐに施設に帰ってきた。
そして庭で読書をしていた渉に今日あった事を話した。
「シロ兄の能力って、本当に何でもアリだよな。悪い事をした人にペナルティ与えたりもできるなんて?」
「言っとくけど、まだまだ進化するかもしれないんだぞ?」
「マジ!?」
正直、どこまで進化するのかは俺にも分からない。
多分だが、裏で神様達も勝手に何かをしていると思う。
勝手にポイントを増やしたりもできるんだから間違いなく黒だ。
「そうそう、これを渉に買ってきたんだよ。遅くなったけど、誕生日プレゼントだ!」
「え!?」
俺はモールで買ってきた物の1つを渉に渡した。
2つの世界の時差を考えていなかったせいで間に合わなかったが、渉は先月誕生日を迎えている。
本当はもっと早く渡したかったけど、帰った日の翌日からバタバタしてたから結局今日になってしまった。
「ありがとうシロ兄。開けていい?」
「勿論♪」
中身は携帯ゲーム機本体とゲームソフトだ。
何が欲しいかは事前に《摩訶不思議な情報屋》でチェック済みだ。
渉は普段は生意気な奴だが、基本的に何でも我慢するから欲しい物があっても何も言わないことが多いんだ。
だから、誕生日とクリスマスくらいには欲しい物をあげたいと以前から考えていたけどようやく実行できた。
「コレ!!」
「フッフッフ♪」
「ありがとう!!シロ兄大好き!!」
凄く感謝された。
けど、子供とはいえ、男に大好きと言われるのは複雑だな。
その後、渉は読んでいた本を仕舞って早速ゲームを始めた。
さてと、他のみんなの分も配っておくかな?
――――ピロロ~ン♪
▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
『大魔王、日本の大手企業を乗っ取る!』
本日、日本の某大手企業がグループごと大魔王一家に乗っ取られた。
大魔王の四男系列の曾孫に某大手企業の現社長が手を出したのが原因。
大魔王と息子の魔王は驚異的な速度で株を買い占め、同時に現経営陣のスキャンダルを全部大暴露させ、本日の夕方以降のニュースで報道される。
尚、佐原氏を始めとする一部の重役は脱税がばれ、現在国税局に捕まっている。
▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲