第137話 ボーナス屋、魔王モドキを倒す
――――勇者はブリューナクを手に入れた!
――――ブリューナクは覚醒の輝きを放っている!
――――クラウ・ソラスが不思議な輝きを放ち始めた!
――――ブリューナクとクラウ・ソラスは共鳴しているようだ!
何だか急に不思議な現象が連続で起きている。
遺跡から光が飛んできたと思ったら、光り輝く槍が俺の手に握られていた。
これって、遺跡に封印されていた『至宝』?
取り敢えず鑑定してみる。
【貫く光】
【分類】魔法槍(神器)
【品質】最高品質
【詳細】ダーナ神族の現王、太陽神ルーが持っていた魔槍。
ダーナ神族に伝わる『四至宝』の1つである。
5本に分かれた刃先から放たれる光は同時に5つの標的を狙い撃つ事ができ、投げると稲妻となって敵を倒す。
封印から完全に覚醒しておらず、能力はまだ不完全な状態である。
持っていると使用者の身体能力が中上昇する。
体力・精神・魔力が常時回復し続ける。
魔力を消費せずに全ての回復系魔法が使用可能になる。
呪いが完全無効化される。
攻撃が急所に当たりやすくなる。
魔法の効果が中上昇する。
魔法の消費魔力が半減する。
光属性が使えるようになる。
雷属性が使えるようになる。
火属性が使えるようになる。
使用者を中心に常時障壁が展開する。
クラウ・ソラスを同時に装備している時、攻撃力が中上昇する。
「・・・ハハハ、本物のブリューナクだ!!」
「まさか、誰が封印を・・・!?」
右手にクラウ・ソラス、左手にブリューナク、とんでもない装備だな。
これだったら魔王モドキにだって勝てる!
「早速試し撃ちを・・・って、この体勢はやり辛い・・・。」
「お、降ろしなさい!!」
流石に両手が塞がっている上に、女性1人を抱えながら戦うのは無理っぽいので一旦地上に下りてエレインを降ろす。
多分、逃げない気がするから拘束はしないけど、安全の為に《防御魔法》をかけておく。
さて、今度こそ魔王退治―――の前にブリューナクの試し撃ちだ!
取り敢えず、アスモデウスモドキは《魔眼》を持っているようだから目を狙うか。
頭が3つあるから目は6つ、2回撃たなきゃいけないな。
「魔王の目を貫け!ブリューナク!!」
―――――カッ!!
ブリューナクをアスモデウスモドキに向かって突き出すと、5本の刃先から虹色の光・・・というかレーザーが発射されて、一瞬でアスモデウスモドキの眼球5つを貫いてしまった。
速ッ!!
クラウ・ソラスより攻撃が速ッ!!
『グギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!』
只でさえ光属性に弱いこともあり、アスモデウスモドキは物凄い悲鳴を上げた。
よし、残り1個の目も潰すか!
「2射目、行け!!」
『ギャガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!』
「あ、なんか他の所も貫いちゃった?」
2度目の攻撃はレーザーの1本が最後の眼を貫いて、残り4本は両腕と翼2枚を貫いた。
なんか、傷口から黒い霧みたいなのが噴き出してキモイな。
うわっ!腕がボロって落ちた!!
『ギャガアアアアアアアアアアアアア!!《暗黒之剣雨》!!《闇之重力波》!!』
アスモデウスモドキの翼から無数の剣+重力波が飛んできた。
けど、ブリューナクの障壁のお蔭で全然当たらないけどね♪
『《暴嵐之咆哮》!!《魔王之大爆撃》!!《大地震》!!』
うわああああああああ!!
無差別攻撃を開始しやがったああああああああ!!
視界に映る景色がドンドン変わっていく!!
倒す前に戦闘力を無効化するのが先だ!!
《善行への特別褒賞》起動だ!
【エフォートエクスチェンジャー:起動】
【告:当システムは《進化する可能性》の干渉により自動進化を開始します。】
【――――完了。】
【現時点を持ちまして、《善行への特別褒賞》は《応報之絶対真理》に進化しました。】
【各機能は強化されました。引き続き利用可能です。】
「え?」
なんだか知らない内に俺の能力がまた進化した?
気になるけど、今はこっちが先だ!
【強制オールリセットを起動します。】
【対象者を選択してください。】
対象は勿論、アスモデウスモドキだ!
実行!!
【強制オールリセットを実行します。】
【――――完了。】
【「アスモデウス・レムナント」の強制オールリセットは成功しました。】
『グアアアアアアアアアアアア!!??』
アスモデウスモドキの攻撃が止まった。
成功だ!
消費した魔力もブリューナクの効果で既に回復中だ。
よ~し、次はマイナスリセットだ!
選択!!実行!!
【マイナスリセットを実行します。】
【――――完了。】
【「アスモデウス・レムナント」のマイナスリセットは成功しました。】
『グアアアア・・・ガッガアアア・・・・・・!?』
アスモデウスモドキの体が光に包まれて魔力やプレッシャーが小さくなっていった。
というか、小さくなってないか?
ステータスはどうなったか確認してみよう。
【名前】『色欲の王』アスモデウス・レムナント
【年齢】???? 【種族】悪魔(堕天使)
【職業】魔王 【クラス】滅んだ魔王の残滓の残滓
【属性】闇
【魔力】3,700/10,000
【状態】暴走(大) 雑魚化
【能力】――――
【加護・補正】全属性超弱化 堕ちた智天使 自己崩壊 魔王の残滓 全状態異常超弱化(ペナルティ) 超雑魚魔王(ペナルティ) 名ばかり魔王(ペナルティ) 風前の灯火(ペナルティ) 攻撃力皆無(ペナルティ) 回復不能(ペナルティ) 燃費超低下(ペナルティ) 知覚超低下(ペナルティ) ダメージ100倍(ペナルティ) 信仰無効(ペナルティ) etc
【BP】0
尚、ペナルティが省略されているのはマジで多すぎるからです!
ちょっと見ただけでも数百はあったし!
よし!これで魔王なんか怖くない!
『ガアア・・・ビガガ・・・・!?』
というか、もう戦う必要は無いんじゃないかって感じだ。
まるで壊れたロボみたいだ。
予想はしていたが、まさかここまでなるなんて驚きだ。
まあ、いっか♪
さっさと止め刺しちゃおう♪
「クラウ・ソラス!!ブリューナク!!」
俺の両手が眩く輝く!
魔王モドキに止めを刺せと轟き叫ぶ!!
・・・ふざけ過ぎました。
真面目に止めを刺します。
「必殺!!《相乗し合う神代の力》!!」
クラウ・ソラスとブリューナクを交差し、特大の光の波動を雑魚に成り下がったアスモデウスモドキに向かって放った。
アスモデウスモドキは避けようとはしない・・・というかできずに直撃を喰らい、ゴリアスの空は夜なのに昼より明るくなった。
『グギャガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア・・・・・・!!!!』
耳が痛い!!
アスモデウスモドキの断末魔が空一面に響き渡った。
『ガアアアアア・・・・・・我は滅べど・・・・残る4・・・・・』
「そんなフラグは要らねえ!!消えろ!!」
『ギャアアアアアアアアアァァァァ・・・・ァァァァァァァ・・・ァァァァァ・・・・・・』
魔王アスモデウス・レムナントを倒した!
消え際で余計なフラグを立てられそうになったけど、その前に消滅させた。
テンプレ的に考えて、七つの大罪を司る魔王が他にもいそうだけど、魔王の相手なんか一々やってられるか!
勇者だけど魔王はお断り!!
「―――――よし、悪は滅んだ!」
アスモデウスモドキが消滅したのと同時に嵐は止んで空も綺麗な星空に戻った。
まあ、地形はあっちこっち変わっちゃったけどな・・・・ハハハ・・・。
と、俺が苦笑いをしていると、両手に持っていた『至宝』が突然不思議な光を放ち始めた。
―――――カッ!!
え、これってもしかして・・・!
すると、俺の目の前に1枚のモニターが現れた。
これって俺の・・・
【神器『光の魔剣』は完全覚醒しました。】
【神器『貫く光』は『光の魔剣』の影響で完全覚醒しました。】
ワオ!!
剣と槍を装備・・・作者死亡で未完に終わった某ラノベの使い魔を思い出しました。
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