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ボーナス屋、勇者になる  作者: 爪牙
ゴリアス国編Ⅱ-ドルドナ遺跡の章-
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第135話 ボーナス屋、堕天使に勝つ

 最初はもう一度オールリセットを行おうと思ったけど、いたちごっこになる気がするから止めておく。


 闇系の敵には光がお約束だけど、下手に攻撃してまた利用されると怖いな。


 けど、闇属性に一番有効なのはやっぱ光属性だよな・・・。


 光と闇は互いに消滅し合う属性―――――ということは、要は力比べってことか?


 同じ強さの光と闇だと相殺するが、一方が光の方が強いと闇だけが消えその逆も然り。


 火と水と似たような理屈かもな。


 火は水で消えるけど、火が強すぎれば水は火を消せずに蒸発して仕舞う訳だ。


 なら、こっちは殺気以上に強い光でアイツの闇を消せばいいんだ!


 よし、その考えでいこう!



『――――《魔の天蓋陣(ダークスクエア)》!』



 エレインがパチンと指を鳴らしながら魔法を唱えると、無数の星が輝きだした空に巨大な魔方陣が展開した。


 お前は何所のとある〇ーシャ=ク〇イツェフさんだ。


 思いっきり第1期のあのシーンを思い出してしまったぞ。


 まあ、あっちは天使でこっちは堕天使だけど。



『ここなら遺跡の中よりも力を出せそうね。《漆黒氷槍(ブラックアイススピア)》!』


「わ!クラウ・ソラス!!」



 遺跡の中でも見た黒い氷の槍が降り注いでくる。


 俺はクラウ・ソラスから沢山のビームを出して全部破壊した。


 危ねえ!


 今のは千どころか一万近くあったぞ!


 遺跡の中じゃ全力を出せなかったってことか。



『応用とはいえ、初級魔法程度じゃ威力が足りないみたいね?』


「降参してくれると嬉しいんだけどな?」


『・・・それは無理な話よ。貴方が持っている『至宝』を私に渡すのなら別だけど。』


「無理!!」


『なら、戦うしかないわ。《ダークネスブラスト》!!』



 今度は中級か。


 吸収してもいいけど、今は避ける?



――――――ドゴオオォォォォォォン!!



「・・・・・・。」



 はい?


 見間違いじゃないなら、今、とんでもない大爆発が起きたよな?


 あ、1㎞先にクレーターが出来上がってら・・・。



『《ダークブラスト》×100!!』


「おおおおおおおおおおお!!!」



 その日、ゴリアス国南部において、夜の静寂を打ち破る巨大な爆音が響きわたった。


 空中を土や岩、木などが無惨に舞う光景を近くの町の住民や旅人、行商人の多くが目にした。


 思いっきり地形を変えるほどの砲火、昨日の大怪獣より強いんじゃないか?



「ビビった~!!マジでパワーが上がってるな!」


『私としては、これだけの攻撃でも無傷でいる貴方にビックリよ。『至宝』を持っているとはいえ、文句の1つも言いたくなるわ。』



 なんか呆れられちゃってる。


 まあ、俺も大概チートっからな。


 とはいえ、このまま長期戦になったらこの国・・・終わっちゃうかもな。


 俺の容赦なく対空砲火してみるか!



「《フレイムアロー》×500!!《グラビティアロー》×500!!《ホーリーアロー》×500!!」


『《ダークネスレイ》!!』



 1500発の魔法の矢がエレインに向かって飛んでいき、それをエレインは黒いレーザーで撃墜していく。



「行け!!極太ホーミングビーム×500!!」


『あ!!』



 魔法の矢は囮だ!


 本命は何所までも標的を追尾するクラウ・ソラス自慢の極太ビーム500発だ!


 エレインは慌てて加速しながら回避しようとするけど、そうはさせるか!



「《勇者ノ容赦無キ加重(ハイパーウェイト)》!!」


『あああ!!体がっ――――――うっ!!』



 毎度お馴染みの《加重》の超パワーアップ版だ!!


 多分、今のエレインは自身の体重をキング○ドラ並に感じて自由に動けないはずだ。


 そしてそこに極太ビームによる集中砲火が襲い掛かる。



『――――――ッ!!舐めないで!!地の底の水を喰い尽し我が敵も喰らえ――――《凍てつく毒牙の九頭蛇(ブリザードヒュドラ)》!!』



 極太ビームが全弾命中した直後、エレインは地面に向かって魔力を放ち、地中から氷の巨大怪獣が出現した。


 あれだ、ギリシャ神話に出てくる頭が九本の巨大蛇(ヒュドラ)だ!


 全長100mは越えてそうだけど、それがどうした!



「《強制転移閃光斬(トランスファースラッシュ)》!!」


『なっ・・・!?』



 ヒョドラは退場しました(笑)


 ビーム系の攻撃も強制転移させられるかもしれないけど、それだと転移先が大惨事になるんだよな。


 その点、怪獣創る系の魔法は転移させたら動か成るから安心だ。


 あのヒュドラも上級魔法っぽかったけど、この方法の前だと無力だな。


 けど、これ以上派手な攻撃をされると地上の皆さんに大迷惑だよな。


 せめて、あの堕天使モードを解除させられたら一気に倒せそうなんだけど、何か都合のいい技か魔法は・・・あ、あった!



『そんな・・・このままじゃ私は・・・!』



 ん?


 なんかエレインの様子が変だな?



『・・・それは駄目。負けたら全てが終わり。私が私でなくなっちゃう。それに師匠(せんせい)にも顔向けができない・・・!』



 怯えている・・・?


 もしかして、誰かに脅迫でもされているのか?


 あ・・・空が急に曇ってきた。


 月や星が雲に隠れて一気に暗くなっていく。



『―――――最悪、『至宝』さえ無事なら問題ないわ。遺跡に残っている仲間共々散りなさい!!《地獄の裁き(ヘルズジャッジメント)》!!』



 上空から黒い柱みたいな何かが降り注いできた。


 それが地上に当たると大爆発を起こし、一発一発がさっきの《ダークネスブラスト》以上の破壊を生んでいっている。


 おいおい、これって無差別攻撃だろ!?


 というか、滅茶苦茶広範囲に落ちてないか!?



『跡形もなく消えろ!!』



 うわあ、追い詰められて半分自棄になってるみたいだ。


 これは考えている暇は無いな。


 一気に懐に入って決めるしかない!



「《聖なる防壁(ホーリーバリア)》!!《加速(アクセラレーション)》!!」



 地上、というよりは遺跡をバリアで覆ってエレインの攻撃から守り、俺は加速してエレインの下へと飛んでいった。


 加重がまだ効いている筈だからそんなに自由には動けない筈だ。



『く、来るな!!』



 接近する俺に、エレインは次々の魔法で攻撃してくる。


 流石に空から降ってくる黒い柱も避けながら接近するのは難しいか。


 なら、避けないで一気に距離を詰める!



『《暗黒の螺旋(ダークネストルネード)》!!』


「《深緑の螺旋(フォレストトルネード)》!!《縮地(ショートニング)》!!」


『なっ!?』



 上級魔法をぶつけた直後、俺は一定の距離を瞬時に移動する《縮地》を使ってエレインの目の前へと移動した。


 空属性に分類されるこの魔法、便利そうで使いどころが難しいんだよな。


 移動できる距離は大体50m前後、鍛えればもっと長くなるけど基本長距離移動はできないんだ。


 けど、《瞬間移動》は移動に最低1秒前後のタイムラグがあるのに対し、《縮地》のタイムラグは100分の1秒単位だから不意打ちとかには便利だ。



「―――クラウ・ソラス、スタイルチェンジ!!」



 俺は、昨日新たにクラウ・ソラスに加わった能力を使い、その形状を俺が知っている日本神話の“とある剣”に変える。


 そして、そのままエレインの胴体に突き刺した。



『ガハッ・・・!!』


「お前の堕天使の力、全部排除させてもらうぜ!!《邪を退ける神剣の浄化(ディバインピュリフィケーション)》!!」


『あ――――――――――!』



 エレインに突き刺さったクラウ・ソラスから閃光が放たれた。


 まるで小さな太陽がそこにあるかのような光は曇天の夜空をも明るく照らし、空一面に展開していた魔方陣を一瞬で消滅させた。


 クラウ・ソラスの新たな能力〈スタイルチェンジ〉はその形状ごとに使える技が変化するものだ。


 そして今回、俺はクラウ・ソラスを自分が知っている剣の中でも浄化系の能力に秀でている剣に変形させ、浄化系特化の技を使ったんだ。


 その剣の名は『布都御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)』、日本神話に登場するタケミカヅチという神様が使っていた邪悪を祓い、荒ぶる神を退ける力を持つ日本版の聖剣だ。


 その形に変えたクラウ・ソラスの技もまた、浄化系特化の技だった訳だ。


 そしてその効果は覿面だ!



『ち、力が・・・闇が・・・・』


「この者に宿る邪悪なる力よ!聖なる光で消え去れ――――!!」


『ああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・!!』



 思わずチュウニ臭いセリフを叫んでしまった・・・。


 けど、エレインの中から堕天使というか、悪魔っぽい何かが消えていくのがクラウ・ソラスを通じて伝わってくる。


 背中から生えていた6枚の翼も燃えるように消えていく。


 ついでだ、コイツの中の呪いとかも消しちゃおう!


 呪いで大暴走とかされたくないしな!



「《勇者之超解呪(スーパーアンチカース)》!!」


『『グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!』』


「うおっ!!??」



 なんか妙に野太い声が聞こえてきた。


 と思ったら、エレインの体からどす黒い煙みたいなのが飛び出してきた。


 何だ、今までの呪いの悪魔とはまるで何かが違う!?



「うっ・・・・・・」


「おっと!」



 黒い煙が抜けきると、エレインはぐったりとした姿で落ちそうになった。


 俺が受け止め、刺さっていたクラウ・ソラスを抜く。


 尚、浄化系特化モードだから肉体ダメージはゼロ、血も流れず無傷だ。


 まあそれよりも、今はあの禍々しい煙くんだな。




『グオオオオオオオオ!!!おのれええええええええ!!!よくも我の邪魔をしてくれたなああああああああ!!!!』




 煙くんは一か所に集まって人型の姿へと変わったいった。


 見た目は悪魔・・・というより堕天使だ。しかも巨人サイズ。


 背中からは烏のような黒い翼が4・・・6枚か?生えている。


 頭は3つで1つは人間っぽいが、他の2つも含めて輪郭がハッキリとしていない。


 けど、今まだに無い位の嫌なプレッシャーを感じる。



『力ああああああ!!力が足りないいいいいいいい!!魔力があ!!色があ!!闇がたりないいいいいいいいいいい!!!!』


「・・・何だよ、あれ?」



 ヤバい臭いがプンプンする。


 あれも悪魔なのか・・・?


 先ずはステータスで確認してみよう。



【名前】『色欲の王』アスモデウス・レムナント

【年齢】????  【種族】悪魔(堕天使)

【職業】魔王  【クラス】滅んだ魔王の残滓

【属性】闇 土 水 風 氷 雷 空

【魔力】4,680,000/6,000,000

【状態】暴走(大)

【能力】魔王之魔法(Lv4) 魔王之武術(Lv4) 色欲之力(Lv5) 憑依 魔眼

【加護・補正】物理耐性(Lv5) 魔法耐性(Lv3) 精神耐性(Lv5) 闇属性無効化 土属性無効化 水属性耐性(Lv5) 風属性耐性(Lv5) 氷属性耐性(Lv5) 雷属性耐性(Lv5) 空属性耐性(Lv4) 光属性弱化 色欲の王 堕ちた智天使 自己崩壊 魔王の残滓 魔王の執念 災厄

【BP】-9999(MAX)




「魔王!?」



 ラスボス級の敵キャラが現れました!






 魔王が現れた!

 次回、勇者VS魔王の最終決戦!物語はクライマックス・・・!!

 ・・・嘘です。



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