第125話 ボーナス屋、遺跡に突入する
何時もなら更新しない日ですが、祝日なので今日も更新します♪
――ドルドナ遺跡――
少しでも優位に戦う為、俺達全員は《隠形術》で姿や気配を消したまま結界を抜けた。
結界によっては通り抜けると感知されるのもあるし、実際に遺跡をかこっていた結界は感知機能を備えていた。
けど、隊長さんはボーナスにより《隠形術(Lv5)》というチートを手に入れていたからその機能すら無理矢理騙し切ってやった。
そして結界を抜けた先に待っていたのはドラゴンを始めとする魔獣軍団!!
普通ならそのままスルーするところだけど、ドラゴンの能力は結界よりも感知能力に優れていた。
『ギャオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!』
『グオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!』
『アンギャアアアアアアアアアアアアアア!!!!』
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勘か、それともドラゴン固有の能力なのかは分からないがドラゴン達は俺達が近づいた事を察して暴れはじめた。手当たり次第に。
どうやら場所までは分からないみたいだな。
単純に、獲物が近くにいると直感したんだろう。
「(ここは頼みます!)」
「(頼むぞ、チームバカ皇子!)」
「「「(その名で呼ぶな!!)」」」
俺とロビンくん、そして偵察隊の一部、そしてプラスαが戦わずにドラゴンの間を抜けていった。
背後からは援護組が戦う声が聞こえてくる。
「うおらああ!!《デルタスラッシュ》!!」
「凍てつけぇぇぇ!!《フリーズストーム》!!」
「貫け!!《ロックランス》!!」
元チームバカ皇子、燃えてるな~!
ドラゴン達には姿が見えていないからほとんどフルボッコ状態だろうな。
ドラゴンの悲鳴が爆音とかに混じってほとんど聞こえない。
『ギャオオオオオオオ!!』
と、俺達の前に全身に木や草が生えている大型のドラゴンが現れた。
『ギャオオオオオオオオ!!』
「うお!危ない!!」
ドラゴンはブレスで無差別攻撃を始めた。
あ、下位竜とかが巻き添え喰って瞬殺されていってる!
これってラッキーか?
「(あれは緑木の大竜です!生物を感知する能力に秀でている上位竜です!)」
「(それでか!)」
団長のチート隠形を完全でなくても見破るとは凄いな!
って、感心している場合じゃないな。
これは俺が倒すしか・・・・
「邪魔だトカゲ野郎ォォォォォォォォ!!!」
『ギョアッ!?』
「シルヴェスター殿!!」
そこに現れたのは団長!!
その手には真っ赤な炎を纏った剣が握られている。
団長の『魂の武装』、《天翼の焔剣》だ。
さっき結界に突入する時に、走りながら使い方を教えておいたんだ。
しかし、あれってどう見ても騎士っぽくないよなあ。
どう見ても騎士のコスプレをした、血の気の多い冒険者か盗賊みたいだ。
『ギャオオオオオオオオオ!!』
「遅い!」
速っ!
ドラゴンのブレスを残像を残しながら避けてってる!!
あ、地面から木の根が襲い掛かっていった!
けどすぐに燃やされた!
「これでもくらえ!!」
団長の剣から大量の火の鳥が飛び出してきた!
何だよアレ!?
【天翼の焔剣】
【分類】魂の武装
【品質】高品質
【詳細】火の上級精霊が宿った魔法剣。
火属性の力を最大限まで高め、同時に身体能力も上昇させる。
その剣の一振りで火を司る眷属達が生み出され、持ち主の意に従う。
使いこなせば、剣に宿っている精霊を顕現させられるだろう。
つまり、あの火の鳥は精霊の眷属ってことか?
うわあ、もう数百も出てるよ。
あ、一斉にドラゴンに襲い掛かっていった。
『ギャオオオオオオ・・・・・!!??』
「おらおら!《赤の三閃》!!」
もうフルボッコだな。
鬼に金棒状態だ。
俺達は先に進んで大丈夫そうだ。
「行こう!」
「はい!」
俺達はその後も魔獣軍団の隙間を突き抜けていった。
そして、魔獣達の騒動に困惑している傭兵達の防衛線に辿り着いた。
すぐ先にはピラミッドみたいな遺跡が見える。
まるで太陽のピラミッド(?)だな。
「何だ?何が起きているんだ?」
「どうやら、見えないネズミが侵入したようだな。」
「お前ら、武器を抜け!!」
「「「うっす!!」」」
勘のいい傭兵がチラホラいるみたいだ。
だけどイチイチ相手をしていられるか!
全員一撃で退場させるぜ!
「(みんな、少し下がってて!)」
念の為、ロビンくん達を後ろに下がらせた。
巻き込んだらいけないからな。
そして俺はクラウ・ソラスを抜いて、俺達を探す傭兵達に向かって振るった。
「《強制転移閃光矢》!!」
クラウ・ソラスからビームが千本近く発射された。
傭兵達は突然現れたビームにビックリだ!
「あれは何だ!?」
「慌てるな!敵の魔法攻撃だ!」
意外と冷静なのが多いな。
やっぱ、戦場慣れしてるんだろうな。
お!凄い!
ビームを何本も避けてる!
無意味だけどな♪
「な・・・曲がっ・・うわあ!?」
「ギャッ!!」
クラウ・ソラスのビームは追尾効果があるから避けても無駄だ!
行け!全方位から一斉掃射だ!
「「「うわああああああああ!!??」」」
一発でも当たれば退場だから大パニックだな!
きっと、傭兵達には死体も残さずに瞬殺に見えてるんだろうな。
なんて考えている間に傭兵達は全滅した。
一応言っとくが、誰も死んでないからな?
「ある意味理不尽ですね。まともに戦うことなく勝敗が決してしまうんですから。」
「今更だろ?」
「ですね。」
俺達は邪魔が消えた道を走っていった、
ピラミッドの前に着くと、そのまま石階段を上っていく。
背後から不良騎士団長の叫び声と、ドラゴン達の断末魔が聞こえたけど気にしない。
俺はファル村地下遺跡に続く、第二の迷宮へと突入した。
ホーミング、厄介な効果ですよね。
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