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ボーナス屋、勇者になる  作者: 爪牙
2ヶ国奪還編Ⅳ-奪還作戦の章-
108/465

第103話 ボーナス屋、大怪獣と対峙する

 そのメールが届いたのはバカ皇子達がゴーレム軍団をボッコしている時だった。


 バカ皇子の活躍を観戦していると、不意に《善行への特別褒賞(エフォートエクスチェンジャー)》が勝手に起動してメールが表示された。



▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

From:銀洸

Sub:臨時ニュースです!

 お久~~~♪

 最近ね~、仕事が増えてそっちに行けないよ~!

 弟が羨ましいよ~!


 あ、そうそう、

 さっき悪い人が信号無視してそっちに行ったよ~。

 多分~前に僕が潰しちゃった人のどっちかだと思うんだよね~。

 ちなみに~、出現予想地点は士郎のいる街の大っきい宮殿の辺りだよ~!

 じゃ~また~~~♪


 こっちは最近、北海道グルメにハマってる銀洸より


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲



 相変わらずのノリとかにツッコみそうになったが、兎に角このメールを受け取った俺はヒューゴ達と一緒に宮殿へ向かって走った。


 そして現在、宮殿上空に巨大怪獣が飛んでいた。


 というかあの怪獣、まだ変形(?)を続けていた。



「って、キング〇ドラかよ!!(腕あるけど。)」


「何だよそれ?」



 怪獣の3つの首は蛇のように伸び、背中から広がる巨大な羽の姿はまさに、日本が誇る某宇宙怪獣にそっくりだった。


 色は違うから、どっちかと言えばデス〇ドラに近いかもしれないけど。(腕あるけど。)



「――――――シロウ殿!」


「あ、ロビンくん!」


「兄貴!」


「お兄ちゃん!」


 そこへロビンくんが合流した。


 移動しながら簡単な情報交換を済ませると、ロビンくんの転移で一気に移動した。





--------------------------


――王都クリーオウ――


「あれは、帝都タラか!?」



 私の視線の先、王都の上空に巨大な穴が開き、その向こう側に巨大な都市の姿が見えた。


 その中に見える宮殿、あれはファリアス宮殿!!



「王都と帝都が繋がったのか・・・!?」


「余所見とは余裕だな?」


『ギィィィィィィィィィィィィ!!』


「クッ!」



 私は真上から襲い掛かる鋭い爪を避ける。


 そうだ、今の私は目の前の敵を倒す事に集中せねば!



「《ストームセイバー》!!」


「ホウ、良い技を使うな?」



 私に襲い掛かる魔獣の上からアイアス(・・・・)が見下ろす。


 奴がこの魔獣を操っているのだ。





--------------------------


 (アイアス)が現れたのは、私が伯父上を始めとして敵の頭目達を追い詰めた時だった。


 私は、伯父上や真の首謀者であるボイド侯爵の切り札である、謎の黄金騎士団と戦っていた。



「《デルタスラッシュ》!!」


『『――――――――!!??』』


「バカな!?ブラス卿から授かった、『眠らされし黄金騎士団(スリーピングナイツ)』が!!」



 私は場内に突入したところで待ち構えていた、他の敵兵達とは明らかに別格の強さを持つ謎の騎士団をどうにか倒した。


 全身に金色の鎧を纏い、顔も仮面で素顔が見えない。


 だが、その力はまるで竜種と戦っているのかと錯覚するほどだった。


 それは全部で7人、私達は苦戦はしたがどうにか全員を倒すことができた。



「伯父上、大人しく投降して貰います!」



 私は伯父上に降参するように促したが、伯父上は現状が理解できないのか断固として首を振らなかった。


 それどころか、倒されている騎士達を蹴って無理矢理戦わせようとしている。


 あまりに見苦しいので、力ずくで黙らせようとした時だった。



「愚図め!!」



 パンッ!と、聞き覚えのある音が場内に響いた。


 それが1秒間に何度も聞こえ、気が付けば伯父上や侯爵達が血を流して倒れていた。



「ブラスから与えられた駒を満足に使えない癖に、口だけは無駄に五月蠅い愚図だ。まあ、だからこそ利用しやすかったのだろうが、王国の『至宝』が見つかった以上、他のと同様に用済みだ。」


「――――アイアス!!」



 そこに現れたのは、先の戦いで惜しくも逃がした『創世の蛇』の刺客、聖国の中枢で枢機卿を名乗っていた男、アイアスだった。



「これはこれは、数日ぶりですねステラ姫?再会を喜びたいところですが、今の私は邪魔者を全て一掃し、2つの『至宝』を回収しなければならないのです。そういう事なので、起きろ、『眠らされし黄金騎士団(スリーピングナイツ)』!!」


『『『――――了解(ラジャー)。』』』



 アイアスの声に反応して、倒したはずの黄金騎士達が立ち上がる。


 バカな、並の人間ならまともに起き上がれないほど痛め付けた筈だぞ!?



「No.1-3、ガーゴイルモード!No.4-6、マンティコアモード!No.7、フォールダウンモード!」


『『『――――限定(リミッター)解除(オープン)変身(トランスフォーム)開始(スタート)!』』』


「何!?」



 私の目の前で、黄金騎士達は魔獣に姿を変えていった。


 そして、アイアス率いる敵集団との戦いが始まった。





--------------------------


 私は金属の塊のような魔獣と戦っている。


 蝙蝠のような2枚の羽、ドラゴンのような頭、そして王城ほどではないが、城の3階にまで届きそうな巨体を思った魔獣がアイアスを乗せて襲い掛かってくる。


 それが他にも2体、私の兵達と交戦しながら王城の周りを跳んでいる。



『ギィィィィィィィィィ!!』


「――――《トルネード》!!」


「《ファイアアロー》!!」



 私達の攻撃自体は効いている。


 だが、空を自由に飛べる優位性の前では苦戦を強いられた。


 シロウが使っていた《加重(ウェイト)》などの魔法も試したが、使う度にアイアスが魔法で相殺してくる。


 苦戦の理由はそれだけではない。



『ガオオオオオオオオオオ!!』


「「キャァァァァァァァァァ!!」」


「「ウワァァァァァァァァァ!!」」



 他の魔獣達が王都の人間達を見境なく襲い始めたのだ。


 騎士も兵も、貴族も平民も関係なく襲う未知の巨大な魔獣達を前に王都は混乱に陥った。



「ステラ様、敵の《ステータス》及び、《鑑定》が終わりました。すぐに見ますか?」


「頼む!」



 そこに部下の1人が敵魔獣の調査を終えてやってきた。


 私は迫ってくる魔獣を突風で吹き飛ばすと、その隙に結果を閲覧していった。



黄金を纏いし大王鬼竜(ゴールデンキングガーゴイル)

【分類】竜型人造魔獣

【詳細】????をベースにした人造魔獣。

 人間並みの高い知性を持ち、使役者の命令にのみ従う。

 軽くて頑丈な金属でできた表皮や鱗に覆われ、物理攻撃に強い。

 また、空を軽快に飛行する事ができ、最大速度は音速に至る。

 弱点は胸部の中心にある、魔石でできた核。



暴食する人面獅子獣(グラトニーマンティコア)

【分類】哺乳類型人造魔獣

【詳細】????をベースにした人造魔獣。

 破壊の食欲の本能のままに暴れる凶暴な魔獣。

 尾には猛毒の針があり、耐性の無い人間が刺されれば数秒で死に至る。

 短時間だけなら飛行する事もできる。

 弱点は胸部の何処かにある、魔石でできた核。



名を失いし無き堕天使(ロストフォールンエンジェル)

【分類】堕天使

【詳細】????に憑依した、真名を失った堕天使。

 真名を失っているので意志が弱く、術者によって操作されている。

 その力は最上位クラスの魔獣と同等、一夜にして幾つもの国を滅ぼす事ができる。

 弱点は不明。



「・・・重要な部分がハッキリしていないな。だが、3種の内2種の弱点が判明したのは大きい。すぐに他の者達にも伝え、総力をもって敵を撃退せよ!」


「「「ハッ!!」」」



 さて、私は目の前のガーゴイルと、それに乗っているアイアスとの戦いに専念しよう!


 今度こそ、奴を捕えるか、その命を絶とう!!



『やれ、No.1!』


「ギィィィィィィィィィィ!!!」


「私に力を!《結晶の宝剣(クリスタルセイバー)》!!」





--------------------------


――帝都タラ ファリアス宮殿前――


 宮殿の前に到着した俺達は、空から俺達を見下ろすキング〇ドラモドキと対峙した。



『待っていたぜ!!お前の持つ『クラウ・ソラス』、ここで頂く!!』


「させねえよ、ダニール!!」



 そして、俺とダニールの最終決戦が始まった!


 ・・・なんてな♪






 ちなみに、アンナちゃんは置いてけ堀になってしまいました。


アンナ「勇者様~!待ってくださ~い!」

騎士A「姫様、危ないのでここにいてください!」

アンナ「嫌です!私も戦います!」

騎士A「ダメです!」


 その後、アンナと騎士達の語られざる闘いが始まった。



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