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スターマイン

作者: 夏海六花

阿寒湖氷上フェスティバル。

去年の今頃は、このお祭りに私は一人きりで来ていなかった。

毎年、このお祭りには彼と二人できていた。

彼と二人で来て、しばらくその辺をぶらぶらしてお土産街を梯子した後、八時になってから一緒に花火を見に行った。

冬の花火はとても綺麗で、澄んだ空気の中、とても大きな音を轟かせていたのを覚えている。

周りの人たちはとても静かで、だけど花火が上がるといっせいに嬉しそうな声を上げていた。

もちろん私と彼も、花火が上がるたびに歓声を上げていた。


「なぁ、榛名。」

「何?」

「冬の花火も、いいもんだろ?」


あの時、彼が言った言葉に私は強く頷いた。

冬の花火が綺麗なのを教えてくれたのは彼。

特に、阿寒湖で見る花火はとても最高なんだよ、と目をキラキラさせて言っていた。

彼の言うとおり、阿寒湖で見る冬の花火は最高だった。

だけど、今年の花火は去年より綺麗だとは感じなかった。

どうしてかな?

どうして?

花火はこんなに綺麗なのに、凄いとは思わない。

寧ろ、去年より寂しい様に感じてしまう。

どうして――――・・・。

「あぁ、そっか。」

考えているうちに、私はひとつの答えに辿り着いた。

それは、

「隣に貴方が居ないからだ。」

去年まで私の左隣に居た彼の場所を、私は見つめる。

彼は最後まで、彼らしかった。

彼は最後までよく笑い、よく泣き、そして最後まで私のことを考えて死んでいった。


こんなにも私のことを想って。


「なぁ榛名。

俺が死んでも榛名はまた、俺以上にいい人に出会って、今の俺たちより最高のカップルになれな。」


「そんなの、無理だよ・・・。」

私は顔を上げて、花火を見る。

「私は、貴方じゃなきゃ、駄目なのに・・・。」

去年の今頃は、まさかこんな風に一人で氷上フェスティバルに行くとは思わなかった。

今年も、来年もずっと、

「一緒に行こう、って約束をしたのに・・・。」

私はひたすら涙を零す。

私の悲しさと反比例するように、花火はより大きく、より美しく咲いていった。

まるで私を励ます様に。

天国に居る彼が、私に〝泣くんじゃないよ〟と励ましているみたいだった。

「・・・。」

私は静かに花火を見る。

彼との別れから、もうすぐ半年。

いい加減、進めってことなのかな?

だって多分、この場に彼が居たら〝進め、榛名!〟って言うんじゃないかな?

そう考えていると心が少し、軽くなった気がした。

「さぁ、ラストの花火です!」

アナウンスのお姉さんがそう言って、夜空に綺麗なスターマインが弾けていった。

その瞬間、私は心の中で彼にお礼を言った。


〝ありがとう。〟


そしたら天国の彼が答えたみたいに、色とりどりのスターマインがタイミングよく散っていった。


*アトガキモドキ*

修学旅行先で見た阿寒湖の花火があまりにも綺麗だったので小説に・・・と思ったら死ネタになってしまいました。

あと、テーマも凄い勢いで無視しています。イイノカナ・・・。

とりあえずよく分からん小説ですが、最後まで読んでくれたら嬉しいです。


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