8話 初の発見
猪を倒してから数日が経過した。あれから色々なスキルを獲得した。
ちなみに猪の生肉は兎とあまり変わらなかった。
早く火を起こす方法を考えなければならないと感じる味だった。
主食がシブミの実のまま生涯を過ごすことになるかもしれないと思うと恐ろしく火を起こすために試行錯誤している。
あれからの成果はまずこのアチーブメントの達成が最も大きいだろう。
アチーブメント〔風の申し子〕
このアチーブメントは空で【空流感知】と【風圧】を駆使して機動力を上げる特訓をしていると達成した。
解析によると条件は風を思いのままに扱うことだそうだ。
報酬のユニークスキルは【風使い】その名の通り風を自由自在に操ることのできるユニークスキルだった。
それを可能にする機能は『風向操作』と『風魔法』、注目して欲しい、『風魔法』だ。
魔法、それはファンタジー作品における王道の攻撃手段その風属性の魔法そしてこの魔法の一つに『ウィンドカッター』がある。
あの夢にまで見た『ウィンドカッター』だ。
試しに木に向けて撃ってみた。
木が真横に両断されて倒れた。
今使うことのできる攻撃手段の中で最も強力だ。
そして『風向操作』、この機能のおかげで『風魔法』を急に方向転換させたり【風圧】と併用して高速で空を飛ぶことができるようになった。
他に獲得したスキルはあの猪も持っていた【衝撃耐性】このスキルは色々な物に自らぶつかりにいって獲得した。
次に動物を探すうちに獲得した【気配感知】【動体視力】【望遠】生まれたての頃に比べればかなり強くなったと感じる。
そして僕は前々から考えていた一つの試みを今日実行する。
数日間の特訓もこのために行った。
その目的はあの壁のような山を探索することだ。
あの山は絶対に何かあると踏んでいる。
根拠は感だった。前世ではあまり頼りにならなかったが今世では頼りになることを願う。
もしかしたらこの山を越えれば、人間や人間に近い種族がいるかもしれない。
流石に小さいとは言えドラゴンだし交流なんかはできないだろうし最悪捕まって見世物になるかもしれないがそんなことは後回しだ。
『というわけで頂上目指してレッツゴー!』
頂上を目指し始めてまだ数十分しか経っていないのに早々に凄い生き物を発見した。
その生き物はそこらに生えている木よりも大きく、その生き物は岩より硬い鱗を持つ、その生き物はファンタジー作品でいう百獣の王のような存在、そしてその生き物は今の僕の見た目に近い。
『さてこの生き物はな~んだ?』
答えは……
そこには僕が転生してから初めて見る正真正銘のドラゴンの姿があった。