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転生したらドラゴン!  作者: カム十
学生期
89/99

85話 快適な空間

 朝日が差し込む。

 ここはカケラの寮の自室であり、闘技大会が終了してから一週間が経過している。

 今日もカケラは、起き上がり、身支度をし、寮を出て、食堂にてシリスやダクトと合流し、朝食を食べ、教室へ向かい、いつもの席へ座る。


「シリス、今日の授業何なんだろうな」


「何でしょうね」


 カケラとシリスは、同じような言い方で言う。

 何故こんな薄い内容の会話をしているのかと言うと、原因は前日の担任が言った予告だ。


――――明日から数日間、特別授業があるからな~


 これである。

 詳細は無し。

 生徒の間で考察が盛んになっている。


「何ですかね~」


 ダクトも気が抜けた声を出す。

 これは三人の日常風景だ。




「それでは、皆さんお待ちかねの特別授業の時間です」


 ドクタスが教壇に立って言う。


「先生! 特別授業とは、どのような内容なのでしょうか?」


 シリスが開始早々、質問する。


「よし詳細を話すぞ。内容は――――」




 カケラは、森の中にいる。

 近くには、お馴染みのシリス、それにハウサがいる。

 何故、このメンバーで森にいるのかというと、これが特別授業だからだ。

 もちろん、ただのサバイバルなどではない。

 ドクタスが説明した詳細とは、実に単純明快で獲物と狩人という内容だ。

 獲物側と狩人側に分かれ、戦うというものだった。

 安全性に問題があるが、そこは監修の人物が黙らせた。

 安全監修は、キラボシであり、誰もが納得した。

 そして現在は、サバイバルの基盤を構築する時間である。


「おーい、そっちは寝床できたかー?」


 ハウサが昼食の鍋を混ぜながら言う。


「あともう少しかかりそうです」


 シリスは寝床の屋根部分を調整しながら答える。


「そっかー、昼飯できたら手伝いに行くわー」


 そう言って昼食づくりを再開する。


「カケラ君、問題はありませんか?」


 シリスは、カケラに聞く。

 カケラも何もしていないわけではなく、周辺に異常がないかを確かめていた。


「問題なし!」


「それは良かったです」


 問題なし。

 それは、危険な魔物がいるかどうかではない。

 それは、狩人側がいるかどうかの問題なし。

 彼ら三人は、獲物側なのだ。

 それでも気ままにサバイバルをしている。


「あっ、でも近くに魔物がいる。多分、(ボア)


 カケラは察知した気配を報告する。


(ボア)なら仕留めてくれ。夕飯に使う」


 ハウサが命じる。


「了解」


 カケラは狩りに乗り出す。

 すぐに接近して、竜剣(ドラゴンソード)で一撃で斬る。

 そして一時的に『空間収納』に入れ、拠点に運び込む。

 そして解体し、材料として再度『空間収納』に収納する。

 そうやって拠点をつくり上げていく。

 数時間後には、寝床も机もその他もろもろの簡易的な設備が完成する。

 完成すると三人は、机を囲み椅子に座る。

 そして昼食を食べ、一息つく。


「いやー、快適になった」


「そうですね」


 ハウサの言葉にシリスが同意する。

 ハウサもシリスも達成感により、満足している。


「いや、忘れるなよ? いつ狩人側が攻めてくるかもわからないんだから」


 だが、カケラは満足していない。

 何故ならカケラは、拠点の設営の間、周囲の警戒を行っていたからだ。

 最初こそ三人で設営を行っていたのだが、カケラに向いていなかったので、満場一致でその役割に就いたのだ。


「分かってる、分かってる。でも、狩人(あっち)側は、まだ戦闘準備中だと思うぜ」


「根拠は?」


 シリスがハウサに問う。


メディカ(あいつ)なら絶対そうする」


 ハウサは、すぐに言う。


「君がそう言うのなら間違いないのでしょう」


 シリスは納得した。


「二人とも何か来た」


 カケラが報告する。


「何か?」


「魔物じゃない。集団で動いてる」


「よし、意外と早かったな。焦ったのか?」


「それじゃあ、行きましょうか」


 三人は迎撃に向かった。

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