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転生したらドラゴン!  作者: カム十
学生期
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81話 やりすぎだろ!

 カケラは観戦席に戻る。

 観戦席に足を踏み入れた瞬間周囲から賞賛される。

 いくつも声が重なりよく聞こえないものもある。

 聞こえてくる言葉をソクラテスに分けさせる。

 そして音声ファイルのように保存しておく。


「カケラ君、これで明日の決勝は私と勝負ですね」


 席に座るとシリスが言う。


「あぁ、お手柔らかに」


「それはこっちの台詞ですよ」


 シリスに言われる。


「いやー、良い技だったよ! 龍王流として是非ともガチの剣術勝負をしてみたいものだよ!」


 キラボシが笑いながら肩を叩く。


「流石に命が惜しい」


 そう言ってキラボシを断る。


「え~~」


 キラボシは残念そうに不貞腐れた。




 カケラがクラスメイトと会話をした後、明日の出場選手の名が読まれ、この日は終わりとなった。

 カケラはキラボシの手合わせの誘いをどうにか回避し、寮へ帰った。

 そして自室にて保存していた音声の内容を聴いた。

 二つほど意図的に全く関係ないことを言われていたが、ノリの良い誰かの仕業だろうと考えた。

 次にソクラテスと会話をする。


『ソクラテス』


『何でしょうか?』


 ソクラテスは、すぐ返事をした。

 それこそ1秒より速く。


『試合中に剣術の技をつくってたよな?』


『はい』


 ソクラテスはすぐに肯定する。


『…………もしかしてだけど、スキルにも何かをしたりしたか?』


 カケラは何となく、根拠も無しに質問する。


『………………』


 ソクラテスはその質問に沈黙する。


『おい、黙るな』


『………………実は、スキルがあまりにもバラバラで散らかっているようだったので少し整頓しました』


 ソクラテスは簡単に白状した。


『解った。次からは事前に報告してくれ』


『解りました』


 カケラはソクラテスに注意する。

 ソクラテスはそれに返答する。


『それでその整頓したスキルについて報告してくれ』


 そう言うとソクラテスは待ってましたとばかりにその詳細を表示する。

 カケラはこいついつでも自慢したがるな、と思った。

 自分の成果を褒めてもらいたいのだろうか? とカケラの頭に浮かんだ。

 だが、それは後回しにしてソクラテスの表示したスキルを見る。


 ~詳細~

 |スキル

 |EX・火属性耐性、魔法耐性、衝撃耐性、重力軽減、痛覚耐性

 |ユニーク・竜、隠密、斥力、龍神眼、地龍、水龍、超生命、風の者

 |逸脱能力(アノマリースキル)哲学の父(ソクラテス)冷酷な殺戮者(クルレイ)


『………………何で減ってるんだ? しかも何か増えてるんだけど?』


 カケラが疑問に思いソクラテスを問いただす。


『整理する過程で統合しました』


 サラッとソクラテスは答えた。


『整理したって、そこまでしたの?』


『はい、かなりスマートになったと自負しています』


 カケラは頭を抱える。

 ありがたいが、放っておくと大変なことになるタイプのありがたさだ。

 カケラは新しく追加されたユニークスキルについて説明を求めた。


『まず、ユニークスキル【超生命】です。こちらは、【気配感知】、【覇気感知】、【無呼吸】、【再生】を自然統合させ作りました』


『自然統合って何だ?』


 カケラは聞きなれない単語が出てきたので、説明を止めさせ、解説させる。


『自然統合は、スキルを放牧するように放って、自然に一つになる現象です』


『放ったの?』


『肉体から外へは、出ていないので安心してください』


 カケラはその言葉を聞いても安心することはできなかった。


『話しを戻して、次に【風の者】です。こちらは【空流感知】、【風圧】、【風使い】を自然統合しました。以上が新たなユニークスキルの説明です』


『いや、待て』


 ソクラテスが説明を終えた時、カケラが待ったをかける。


『何でしょう?』


『明らかに数は合わないだろ!』


 消えたスキルの数がEXとユニークを合わせて11個、新しくつくられたスキルが2個、それぞれが合計で7個のスキルを統合したもの、つまり後4個が足りない。


『何でないんだ? 食ったのか?』


 カケラがそう尋ねると、ソクラテスは答える。


『はい』


 カケラの思考が停止した。

 その答え方はおかしくないか? と。

 だが、冷静に考える。

 自分は直前に何と問いかけた?


―――食ったのか?


 カケラは確証を持つため、ソクラテスに尋ねる。


『お前、スキルを食べたのか?』


『はい』


 ソクラテスから先ほどと同じ返事が返ってくる。

 確証が得れた。

 こいつが残りのスキルを食った。


『食べたっていうのは、自然統合じゃないのか?』


『はい、これは自然統合ではなく、人工統合―――私は能力生命体なので、能力生命体工統合ですね』


『多分だけど、その単語は間違っていると思う』


『では、共食い統合と呼ぶことにしましょう』


 最終的にかなりヤバイ呼び名で呼ぶことになった。


『それで、それらのスキルはお前が食べて引き継いだのか?』


『半分はそれで合っています』


 ソクラテスが残りの半分について説明を始める。


『引き継ぎましたが、一部変化しています』


 そう言って、ソクラテスはカケラの目の前に自身の機能についての詳細を表示する。


 ~詳細~

 |能力生命体『ソクラテス』

 |機能

 |情報処理、無限解析、能力分離、万物解体、生物記録、空間収納、容量

 |意識操作、精神誘導、魔法誘導


『補足ですが、『情報処理』と『無限解析』は共食い統合前からのものです』


 カケラはその機能の量に驚愕する。

 明らかに食べたスキルの数より多いし、一部強化されている。


『………………とりあえず、その統合が凄いということは解った』


 カケラは取り敢えず、思考を放棄した。


『それじゃあ、他には何もないな?』


『何もありません』


 ソクラテスが断言したので、カケラは納得して眠りについた。

 スキルがごちゃごちゃしてきたので、少しまとめました。

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