7話 森の動物達
兎を生のまま食べた後に気が付いたことがある。
兎に【解析】を使うのを忘れていたことだ。
解析したらあの兎の種族名とかその他もろもろが分かったのに少し損をした気分になった。
何か動物を見つけたら今度こそ【解析】を使おうと心に決めた。
今までは行動範囲が体力の問題で非常に狭かったが、【風圧】のおかげで行動範囲が広くなった
『さて、他の生き物を探そう』
【索敵】は一度見た生き物しか使えないから空を飛んで探す。
かなり飛ぶと高い山があった。前世で見たことのある山より高い。
しかも山の端が見えない。
まるでここを覆っている壁のようだ一番似ている地形はカルデラだろうか。
そして山に近づくにつれて生き物?も多く見つけた。
これがその動物達の【解析】の結果だ。
~結果~
|名前:なし
|種族:小兎
|スキル
|EX・気配感知、
|ユニーク・逃亡
|アチーブメント
|臆病者
~結果~
|名前:なし
|種族:猪
|スキル
|EX・加速、索敵、衝撃耐性
|ユニーク・疾走
|アチーブメント
|猪突猛進
~結果~
|名前:なし
|種族:木の魔物
|スキル
|EX・光合成、再生
|アチーブメント
|なし
発見したのはおおよそこいつらだった。
新事実としてスキルにEX以外にスキルがあることが分かった。
そのスキルはユニークスキル、絶対EXよりいいスキルだと分かるスキルだ。
そして入手方法だが多分アチーブメントを達成することだろうと予想できる。
兎は〔臆病者〕、猪は〔猪突猛進〕、〔臆病者〕は達成したくないなと思う。
〔猪突猛進〕は今の移動手段は走ることではなく飛ぶことだし走ることができないので無理だなとあきらめる。
『良い発見が出来たし早速、猪でも狩ろう』
まずは兎の時と同じように意識の外から急降下あっさり掴むことに成功したがさすが猪、毛皮が厚すぎて爪が通らない。
しかも振り落とそうと暴れる。
急いで飛んで猪と距離をとった。
『強い、いや僕が弱いのか』
こういうときこそ転生者の特権である知恵を働かせる。
爪は通らない恐らく牙もあまり効果がないだろう。
『よし何かにぶつけよう』
元の世界では猪は急に方向を変えたり止まったりできるがこいつのスキルに【衝撃耐性】があるから多分できないはずと考え実行する。
手頃な木の前に移動して猪の気を引く、猪は簡単に突っ込んできた。
そしてぶつかる瞬間、猪の突進を回避する。
予想通り猪は止まることなく木に衝突した。
〈アチーブメント〔自滅のすすめ〕を達成しました。
報酬としてユニークスキル【誘導】を獲得しました〉
初めてのアチーブメントの達成、そしてユニークスキルの獲得を果たすことができた。
猪は動かなくなったので解析を使う。
~結果~
|アチーブメント〔自滅のすすめ〕
|条件:相手を誘導して自滅をさせる
|報酬:ユニークスキル【誘導】
~結果~
|ユニークスキル【誘導】
|機能
|意識誘導、魔法誘導
『機能ってなんだ?』
そう思いまたも【解析】を使う。
~結果~
|機能とは
|ユニーク以上のスキルに存在する効果の個別名称
ユニークスキルでできることのような認識で良さそうだ。
そして猪に向き直る。
『食べるか』