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転生したらドラゴン!  作者: カム十
学生期
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54話 ギルド登録

 王都、人々が行き交い賑わっている。

 その賑わい具合は過去で立ち寄った町の比ではない。

 門から町に入った大通りには店が建てられており、服、武器、食べ物、などなど様々なお店が並んでいる。


「お兄ちゃん、着いて来て」


 キラボシが僕の手を引く。

 一体どこへ向かっているのだろう?


「キラボシ、どこに向かっているんだ?」


「冒険者ギルド」


 ギルドか………………そう言えば数年前から変わったりしたのだろうか?


「ギルドって何か変わったりしたか?」


「うん、あれから冒険者ギルドは会員制になって、冒険者登録した人しか使えなくなったよ」


 冒険者登録をしないといけなくなったのか。

 僕も登録しなければならない。


「七年前から色々と変わったんだな」


「少しだけだよ」


 まあ、僕が過去で町には数日滞在した程度なのだが………………


「ここが冒険者ギルドだよ」


 そこに建っていた建物は城だった。

 以前に訪れた町の冒険者ギルドも大きかったが、それと比べても違いがよく分かる。

 外見の装飾や外壁の素材などから、ここが重要な建物であることを感じる。


「学校の推薦に必要だから、お兄ちゃんにはここで冒険者登録してもらうよ」


 そうしてキラボシに冒険者登録の試験のおおよその概要を教えてもらった。

 まず、筆記の試験があり、それが終わると実技試験があるそうだ。

 それを説明すると、キラボシは受付へ向かう。

 それに僕はついて行く。


「すみません、冒険者登録をしたいのですが」


「はい、ではこちらの紙にお名前をご記入ください」


 そう言われ、紙を出される。

 僕は受付の端に置いてあったペンで自分の名前を記入する。


「………………珍しいお名前ですね」


 確かに僕の名前は珍しいだろう。

 紙には「ミチビキ カケラ」と書いた。

 この世界でもこの名前は珍しいらしい。

 前世でもキラキラネームに入る部類の名前だろう。

 何故、ハザデスさんは僕にこんな名前を付けたのか謎だ。


「それでは筆記試験がありますので、部屋までご案内いたします」


 そして僕は部屋へ案内された。

 ちなみにキラボシは僕が名前を書いている途中で離れていった。

 急いでいたし、特に指摘はしなかった。

 部屋には机がつくられており、すでに問題らしき紙の束とペンが置いてある。


「それでは、この問題を解いていただきます。終了次第お声がけください」


 僕は椅子に座り、ペンを持ち、問題に目を通す。

 その問題を見て僕は唖然とした。

 問題が難解だったからではない。

 問題の内容が簡単だったからだ。

 小学生の算数程度の問題がほとんどだ。

 例を挙げると「リンゴ一個は銅貨一枚です。リンゴ九個で銅貨何枚になりますか?」

 とても簡単だ。

 僕は答えを書き込んでいき、十分ほどで全て解き終わる。


「終わりました」


「それでは次に実技試験の場までご案内します」


 そして長い廊下を歩き、移動する。

 着いた場所は的やかかしなどが並んでいる広場のような場所だった。

 先の部屋とは違い、僕や職員の人以外にも人が見られる。


「実技試験ですが、その前にご質問です。魔法は使用できますか?」


 僕は使える、と答える。


「では、あちらの的に向かって魔法を使用してください」


 数メートルほど離れた場所に設置されている的を指し示す。


「分かりました」


 僕は『風魔法』の『ウィンドカッター』を的に向けて撃つ。

 『ウィンドカッター』は的に直撃し、的は上下半分に切り裂かれる。


「では、次にあちらのかかしに武器で攻撃をしてください。武器をお持ちではないのなら拳でも構いません」


 僕は【空間収納】から竜剣(ドラゴンソード)を取り出し、かかしに向けて振るう。

 かかしは真っ二つに切断された。


「これでいいですか?」


 僕は職員の人に確認する。


「はい、大丈夫です。これにて実技試験を終了します。審査を行いますので、受付にて少々お待ちください」


 僕は来た道を戻り、受付の前へやってきた。

 そして審査を待つ。

 10分、30分、1時間と待つ。

 そして、ようやく職員の人が戻ってくる。


「審査が終了いたしました。ギルドマスターがお呼びですので、付いて来てください」


 何で?、と思った。

 僕はそんな偉い人に呼ばれる心当たりなどない。

 筆記だって普通に解いたし、実技では魔法は兎も角、かかしを斬っただけだ。

 僕が内心、疑問符だらけになっていると、扉の前で職員の人が立ち止まる。

 その部屋の扉の上部には、「ギルドマスター」と書かれている。

 職員の人は僕にジェスチャーで「ご自身でお開けください」とされる。

 僕は扉を引いて開ける。

 部屋には一人の男性が椅子に座って待っていた。

 おそらく、この人がギルドマスターだろう。

 その人の顔は結構怖く、目つきが悪い。

 そのせいか、実際そうなのか、睨まれているようなきがする。

 僕は部屋に入る。

 僕が部屋に入るとすぐにギルドマスターらしき人が話しだす。


「君がミチビキ カケラくんかね?」


 声は低く、言葉に重厚感がある。

 僕は「はい、僕がミチビキ カケラです」と返事をする。


「ミチビキくん、君にいくつか質問させてもらうよ」


 僕はそれを聞いて聴覚に集中する。


「君の年齢はいくつだね?」


 僕の年齢、この世界に誕生してからまだ一年も経過していないが、僕は学園に通うために冒険者登録をしていることを思い出し、キラボシと同じ年齢を答える。


「15歳です」


 そう答えるとギルドマスターは「そうか………………」と答え、次の質問に移る。


「次に魔物と戦った経験はあるかね?」


 この質問には正直にある、と答える。


「最後に君はユニークスキルを持っているかね?」


 この質問をされたとき、正直に答えるか一瞬だけ迷ったが、ユニークスキルくらい持っていると言っても問題ないだろうと思い、正直に持っていると答える。


「そうか………………」


 答えてから数秒、部屋が静寂に包まれる。


「………………これが君の冒険者カードだ」


 その言葉で静寂が終わり、僕は一枚のカードを渡される。


「ありがとうございます」


 僕はお辞儀をする。


「これから頑張ってくれたまえ」


 そして退出を促される。

 僕は促されるままに部屋から出て行く。

 そしてそのまま元のエントランスまで戻った。

 エントランスではキラボシが待っていた。


「お兄ちゃん、遅かったね」


「あぁ、よく分からないけど、呼び出されて」


「誰に?」


「ギルドマスターに」


 キラボシは驚いた表情になり「何で? 何かやらかしたの?」と聞いてくる。


 僕は心当たりがないことを伝えるとキラボシは「冒険者登録は?」と僕に聞く。


「それなら、このカードを渡された」


 僕は冒険者カードをキラボシに見せる。


「なら、問題なし。早く宿を探しに行こう」


 キラボシがギルドの外に向かう、僕もキラボシに付いて行き、ギルドを後にした。

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