表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したらドラゴン!  作者: カム十
学生期
56/99

53話 王都へ行こう

龍の咆哮(ドラゴンブラスター)


 高密度の魔力を含んだ、光線が魔物を焼き殺す。

 そして、キラボシが剣を振るい、魔物を真っ二つに斬る。

 斬られた断面から赤黒い血が流れ出て、非常にグロテスクだ。


「これで、最後!」


 そう言って、最後の1体を斬り捨てる。


「やっとだ~」


 キラボシが地面に腰を下ろす。


「そこまで疲れたのか?」


「精神的に疲れるんだよ」


 「精神的に」と言っていることから、キラボシは肉体的には疲れていないのだろうということが分かる。


「そうかそれじゃあ、少しここで休もう」


 僕はキラボシを気遣い、提案する。


「いや、大丈夫だから、行こう」


 キラボシは立ち上がり、主張する。


「本当に大丈夫なのか?」


 再度、確認する。


「大丈夫、お願いだから、早く出発しよう」


 そう僕にせがむ。

 何故かとても焦っているように思える。

 ドラゴンスパイラルを下山をしているときは、特に急いでいるような素振りはほとんどなかったはずだが、何か用事を思い出したとかだろうか?――――まさかな、と自分の考えを否定する。

 もしも用事があるとしたら、二日も話し続けるなんてことはするはずがないし。


「それじゃあ、走って行こうよ。全力でさ」


 キラボシがポーズをとって、提案する。

 その誘いを聞いて、絶対になにか急いでいる、と確信する。


「分かった。それなら、走って行こう」


 予定があるなら言えばいいのに、そう思い誘いに乗る。


「……………………3」


 キラボシがカウントを開始する。


「………………2」


「…………1」


「……0!」


 その言葉を合図に僕とキラボシは走り始める。

 森には木や岩などの障害物があるため、回避しなければならない。

 まるで、パルクールのようだ。

 少し前にもこんなことがあった気がする。

 速さはキラボシの方が前に出ている。

 僕は『龍の力場(ベクトル)』で加速しているのに差は縮まらない。

 さすがに妨害はするのは気が引けるので、加速を続ける。

 そしてしばらく競っていると、僕とキラボシが並ぶ。

 だが、並んでから数秒経たずに王都の入り口である巨大な門が見え、追い越す暇もなく同時にゴールした。


「いや~、同時か~」


 キラボシは息を切らしているようすはない。

 すると門から近づいてくる人がいる。


「おい、ここで何をしている?」


 衛兵のようだ。


「衛兵の人ですか? 王都に入りたいんですけど」


 キラボシは衛兵に話しかける。


「何か身分を証明できる物を提示してください」


 キラボシは【空間収納】から紙を取り出し、衛兵に渡す。


「これ、通行証です」


 衛兵はそれを受けとると、隅々まで目を通す。


「では、通行を許可します」


「はい、行くよ」


 キラボシは僕を連れて、門をくぐった。

 僕はこの国に――――フィデリスドラコ王国に入国した。

~キラボシが焦っている理由~


『下山成功!』


 すると、魔物が出てくる。


『うっとうしいなぁ』


 戦闘が開始する。


『そう言えば今日って何日だっけ?』


 計算する。


『あの時が10日だから……………………19日か――――って、あれ?』


 19日に用事があることを思い出す。

 そして、ギリギリになった理由が自分のした旅の話だと気が付く。


『言いだし辛い』


 これが急ぎ始めた理由である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ