4話 鑑定、いや解析
ドラゴンの攻撃方法多くの作品では口から火を吹く。
だが、僕は火が吹けない。
本当にドラゴンになったのか怪しくなっている。
今、僕ができるドラゴンらしいことは飛ぶことだ。
だがこれもそこそこの高さまでしか飛べない。
正直、鳥の方がもっと速く高く飛ぶことができる。
だから僕はもっと早く高く飛べるようにならなければならない。
〈熟練度が一定値に達しました。EXスキル【空流感知】を獲得しました〉
空流感知、名前からして空気の流れを感じるようなスキルだろうと予想できる。
僕は風系統のスキルの獲得の容易さから、風系統のスキルの獲得を目指すことにした。
『多分ウィンドカッター的な攻撃方法があるだろう』
丁度いいところに現在の主食がある。
少し移動すると見つけることができるから珍しい木では無いことが分かる。
『何かを見たら分析する癖がついてしまった。いつになったら鑑定スキルが手に入るのだろう。もしかしたら鑑定のスキルは無いのだろうか?』
〈熟練度が一定値に達しました。EXスキル【解析】を獲得しました〉
〈熟練度が一定値に達しました。EXスキル【考察】を獲得しました〉
その時、脳内アナウンスが聞こえた。
『おぉ、鑑定みたいなスキルだ。解析も鑑定もほとんど一緒だろう』
そして次にもう一つのスキル【考察】は何だと疑問に思う。
名前からも予想がしづらいスキルである。
『まぁいいっか。手始めに僕の主食を解析!』
~結果~
|シブミの実
|シブミの木の果実
|渋み、苦味が強い木の実
僕は自分の主食がシブミという木の実であることを知る。
さらに解析結果から分かったことがある。
【解析】は使用者の知識に依存しない。
もしも知識に依存するのならはずれスキルということになってしまうところだった。
『この木はシブミの木というのか、そのままの名前だ。それじゃあシブミの木を解析!』
~結果~
|シブミの木
|一年中実を付ける木
|多くの暖かい地域に群生している
木の情報が分かったが正直どうでもいい情報だと僕は思う。
『はぁ~早く渋くも苦くもないものが食べたい。そうだ、練習がてらにシブミの実を風で落とそう』
シブミの実に翼で風を起こす。
『早く落ちろ!結構疲れるんだよ!』
頑張って風を起こしているとやっとシブミの実が落ちた。
〈熟練度が一定値に達しました。【風圧】を獲得しました〉
『やっぱりあったよ風系スキル! これがあればウィンドカッターとか、かっこうよく撃てるかもしれない。早速試そう! 風圧!』
シーン
何も起こらない。
『どうやって使えばいいんだこのスキル?』