42話 剣技の解析
~結果~
|神器・龍剣
|属性:火
|スキル
|EX・魔法耐性、衝撃耐性、痛覚耐性、火炎操作
|ユニーク・竜、龍神の加護、恐怖、耐久
僕は自分の持つ赤い剣を『解析』する。
何となく権能を感じていてこうなることも知っていたが、火龍が神器になっている。しかも火龍が元々持っていたスキルも健在だ。それに何より…………
『龍神様、これはどういう状況ですか! 協力しますと言いましたが、説明してください!』
火龍と会話ができる。
『説明も何も、君を剣にしたんだよ。見たままだろう?』
僕が状況をそのまま答える。
『我を剣に?』
『そう、君を剣に』
火龍は驚いていると感じる。この念話のような状態でも、それが伝わってくる。
それに構わず僕は剣となった火龍に話す。
『それじゃあ少しの間、剣として頑張ってくれ』
そう告げて、剣をイグニスへ向けて構える。
イグニスは火龍が消えたことに驚いているようだったが、少し考えて状況を理解したらしく、剣を構え直している。
僕とイグニスの間に緊迫した空気が流れている。
そんな時、僕は…………
『どうしよう、剣術なんて全く分からん…………』
『龍神様、剣術が分からないのに何で剣にしたんですか?』
火龍にツッコミをいれられえいた。
『他の武器が思いつかなくて…………』
『はぁ~、どうして龍神はこういう人ばかりなのか…………』
火龍も苦労しているようだ。
『もう剣にしちゃったし、このまま戦うね』
『は~、分かりましたよ』
僕は剣をそれっぽくイグニスに向けて振るが、簡単に避けられてしまう。
そして次はイグニスが剣を振る。剣を振るとは言ったが、僕のように振るのではなく、斬るの方が正しい。
『これが技術の差か……』
剣があっても、こちらの剣は全て避けられる。
あちらの攻撃を全て見切って避けているから斬られていないが、このままだととてもまずい。
格好よく剣で戦い始めたのに、剣が使えないなんて格好悪い。
僕の兄としての威厳のためにも、どうにかして剣技を覚えなければならない。
最悪、付け焼刃でもいい。
僕は【哲学の父】をフル活用して、イグニスの剣技を『解析』する。
もちろんそんな簡単に上手くいくものではない。
技術はスキルに比べて『解析』に引っ掛かりにくい。だが、引っ掛からないわけではない。
『無知の知』で『解析』のフィルターを調節していけばいずれは引っ掛かる。
それよりも心配しないといけないことがある。
それは『解析』できたとしても、自分で再現ができるかだ。
『どうか神様、お願いします』
…………と神頼みをしてみるが、僕が神だった。
そんなことを考えた直後、イグニスの剣技を『解析』することができた。
結果は………………
………………成功した。剣技は再現可能だった。
僕は早速、剣技を再現する。
「おや、動きが変わりましたね」
「そうだろ? お前から学ばせてもらったよ。イグニス・アルデンス」
「それならば敬意を込めて、お名前をうかがいましょう」
「僕は、龍神「ミチビキ カケラ」」
「私は、魔王軍第二軍隊長「イグニス・アルデンス」」




