22話 VS水龍
水龍は水を操り僕にまとわせてくる。
水自体は攻撃にならないが、顔に向かってくる。
目的は恐らく僕も行った気道をふさぐことだろう。
まさか水龍が同じ戦法を使うとは夢にも思わなかった。
この水龍は地龍より頭がいいようだ。
『ウィンドカッター』を撃つ。
水龍に触れた瞬間、水龍の体が水のように変化し、何事も無かったかのように元の形に戻った。
これが『液体化』、物理的なダメージを全て無効にされた。
『こんなのチートだろ!』
『影魔法』や『風魔法』の攻撃は全て意味がないだろう。
効くとしたら『竜吐息』くらいだ。
『竜吐息』の熱であれば液体になっても効くだろう。
『竜吐息』を撃つために『影魔法』の『影の手』で自分をおおい水が入ってこないようにする。
一時的に安全になった『影の手』の中で『竜吐息』の構えになる。
そして『竜吐息』を放つ瞬間に『影の手』を解除する。
『竜吐息!』
影の手に隠れて見えなかったが水龍も『竜吐息』を撃とうと構えていた。
そして同時に『竜吐息』を放つ。
正面から『竜吐息』がぶつかる。
熱い空気が伝わってくる。
『竜吐息』を相殺されてしまった。
僕の奥の手である『竜吐息』が防がれてしまった。
水龍はまた水を操り、僕の顔に向けてまとわせようとする。
僕は逃げるために影潜りを使ったが、影の中にも水が入ってくる。
水龍は想像以上に強いようだ。
何か一発逆転が狙えそうなスキルがないか、自分を『解析』する。
~結果~
|スキル
|EX・空流感知、風圧、索敵、気配感知、衝撃耐性、動体視力、望遠、重力軽減、痛覚耐性
|ユニーク・誘導、風使い、竜、隠密、分離、斥力
|逸脱能力・哲学の父、冷酷な殺戮者
今、知りたいスキルの項目だけを見れるように『無知の知』で調節した。
この中で使えそうなスキルと言うとユニークスキルの【斥力】だ。
このスキルは獲得してからそれほど時間が経っていない。
【斥力】は力場を発生させ操ることのできるスキル、この力場はよく分からないが簡単に言えば反発する力だ。
体に力場を発生させれば水をはじくことも可能だろう。
『よし、この作戦で倒そう』
作戦を決めたことだし影から出よう。
そろそろ息も限界に近づいてきた。
〈熟練度が熟練度が一定値に達しました。EXスキル【無呼吸】を獲得しました〉
息を止めておいたおかげで新たにEXスキルを獲得することができた。
名前から推測するに呼吸を必要としなくなるスキルだろう。
『ん? 呼吸の必要がなくなるのなら水を気にしなくてもいいのでは?』
僕は影から出る。そしてそのまま『竜吐息』の構えになる。
水龍もそれを見て『竜吐息』の構えになる。
そして僕と水龍はほぼ同時に『竜吐息』を撃つ。
ここで注意しなければならないのが『竜吐息』の狙う場所だ。
僕はもちろん水龍に向けて撃つが水龍の方の狙いをずらす。
『竜吐息』は魔法ではないので『魔法誘導』でずらすことはできないが、『意識誘導』で水龍の意識をそらすことなら可能だ。
状況が状況なので少しぶれる程度だがあとは力場で水龍の『竜吐息』を弱くする。そうすれば僕の『竜吐息』が水龍の『竜吐息』に勝つことができるのだ。
水龍は『竜吐息』が直撃する瞬間、最後のあがきとして体を液体にしたようだがそれらも全て蒸発してしまった。
僕は地龍に続き、水龍に勝った。
自分でも斥力はざっくりとしか分かりませんので、この作品ではそれっぽい力だと考えてください。
おおざっぱですみません。




