16話 二つ目の魔法
土竜を食った。
『竜吐息』で少し焼けていて今まで食べた物の中なら一番美味しい。
前のように食べた瞬間種族が進化すると思ったのだが何も無かった。
アナウンス一つ聞こえてこない。
念のため自分を『解析』してみたが変化は戦いの最中に獲得したアチーブメントだけだった。
ついでに獲得したアチーブメントとその報酬のユニークスキルを解析した。
~結果~
|アチーブメント〔不意打ち御免〕
|条件:対象に気が付かれることなく攻撃する
|報酬:ユニークスキル【隠密】
~結果~
|ユニークスキル【隠密】
|機能
|気配操作、影操作、影魔法
『影魔法』、僕がこの世で使う二つ目の魔法は『影魔法』だそうだ。
『影魔法』にも『解析』を使ってみた。
~結果~
|影魔法
|影潜り、影実態化、影杭
面白そうだったから早速、『影潜り』を使ってみた。
影に潜る感覚は水に潜るのとあまり変わらなかった。
影の中は薄暗い空間でそこそこの広さがあった。
入ってきた影は水面のように見える。
でもこの魔法にも問題点が一つあった。
それは『影潜り』をしている間は息を止めていないといけないことだ。
息をしようとしてもできないというわけではなく水中みたいに止めておかないといけない。
僕の肺活量では一分が限界だった。
次に『影実態化』だが『影操作』と併用しないといけなかった。
『影操作』を使わないと何も変化がない役立たず魔法だ。
『影操作』を使えば影を腕の形にしたり、細長く尖らせたりもできた。
威力は岩を軽々と持ち上げたり貫通したりするほどだ。
もしかしたら夜に使えば無双できるんじゃないかと思える。
最後に『影杭』、これは影に刺すと影の元の物体を固定することができる真っ黒な見た目の杭を作る魔法だった。
一応、影に刺さっている杭を抜けば動けるようになった。
『影魔法』って結構強いのでは? これからは影魔法も使って戦っていこう。
僕が今使える攻撃手段は全部で4つだ。
一つ目は、僕のドラゴンとしての体を使った攻撃方法でこれは生まれたてのころこそ使ったが今となっては全く使わなくなった。
二つ目は、『風魔法』、扱いやすく、安定した攻撃手段となっている。
三つ目は、『竜吐息』、僕の攻撃手段の中では飛びぬけて威力が高い。
不意打ちとはいえ土竜を一撃で瀕死に追いやったほどだ。
その分発動までの時間が長かったり、魔力の消費が大きかったりとデメリットが多い。
四つ目は、『影魔法』、実践ではまだ使っていないがかなりの可能性がある。
僕は自分の攻撃手段を見返したあとにやっと見えてきた頂上を目指して羽ばたいた。




