15話 モグラかよ
隠れんぼを思いだした。
小学校の頃、体育の授業で行った。
校庭の端に生えている木の陰に大勢で隠れた。
大勢で隠れるほど木の幹が大きいわけではないので、すぐに鬼に見つかり一網打尽にされた思いでがある。
何故こんなことを思い出しているのかというと僕は今、隠れているからだ。
別に隠れなければならない相手が今いるわけではない。
こうすればスキルを獲得したりできるかもと考えたからだ。
だから僕は息を殺して隠れている。
〈熟練度が一定値に達しました。EXスキル【気配操作】を獲得しました。〉
こんな風にスキルを獲得できるのだ。
これを使って魔物に不意打ちでもしようと考える。
どこかに丁度よく魔物がいないものか探してみる。
少し飛んで探すと近くにいたが丁度いいかはわからない。
いたのはドラゴンだった。
土色の鱗をもったドラゴンだ。
『解析』を使う。
~結果~
|名前:なし
|種族:土竜
|スキル
|EX・飛行補助、衝撃耐性、痛覚耐性
|ユニーク・恐怖、肉食獣、竜、耐久
|アチーブメント
|魔物殺し、肉食獣、耐久者
土竜これが種族の進化先なのか? 土属性だから土竜結構安直だな。
属性があるということは、こいつは僕が倒したドラゴンより強いのだろう。
僕は不意打ちをすることにした。
まず【気配操作】で自分の存在感をできるだけ薄くして【空流感知】と『風向操作』でちょっとした空気の流れですらないように徹底した。
さらに【誘導】の『意識誘導』で完璧に隠れて忍び寄った。
そして『竜吐息』の射程に入った。『竜吐息』を溜め始める。
まだ気が付かれていないようだ。
そして僕は『竜吐息』を放つそして土竜に直撃した。
『やったか?』と死亡フラグを立てたが土竜はまだ生きていた。
生きているといっても、ほとんど瀕死の状態だった。
鱗のほとんどは『竜吐息』で消し飛び、皮膚が少し焦げていた。
凄く痛いだろうに土竜はこちらに向かってきている。
〈アチーブメント〔不意打ち御免〕を達成しました。
報酬としてユニークスキル【隠密】を獲得しました。〉
アチーブメントを達成したようだ。
そろそろ止めを刺そう。
向かってくる土竜に向かって『ウィンドカッター』を撃つ、すると土竜の前方の地面が盛り上がり『ウィンドカッター』を打ち消したのだ。
これが『土魔法』か僕は土竜に向かってもう一度『ウィンドカッター』を撃った。
また『土魔法』で防ぐだろうと考え【誘導】の『魔法誘導』を発動させる。
『ウィンドカッター』は土竜に直撃した。
そしてすぐに土竜の横で地面が盛り上がった。
『魔法誘導』、この機能はその名の通り魔法を誘導することだ。
今までは『ウィンドカッター』の補正として使っていたが魔法相手ではかなり強いようだ。
戦いも終わったことだし。
『いただきます』




