13話 謎が謎を呼ぶ
状況を整理しよう。
まず僕は自分自身に100回解析を使おうと自分に解析をすると、いつものアナウンスの声で「シークレットアチーブメントを達成しました」と聞こえてきた。
そのときにシークレットアチーブメントって何だと思っている間に報酬がなんちゃらかんちゃらと聞き逃してしまった。
シークレットアチーブメントがどういったものなのか?
アチーブメントと何が違うのか?
報酬のスキルは何なのか?
まだ何も分かっていない。
というわけで、嫌と言うほどやった【解析】をまたもや自分に対して使うことにした。
~結果~
|名前:なし
|種族:子竜
|スキル
|EX・飛行補助、空流感知、風圧、索敵、気配感知
| 衝撃耐性、動体視力、望遠、加速
|ユニーク・誘導、風使い、竜
|逸脱・哲学の父
|アチーブメント
|自滅のすすめ、風の申し子、汝を知れ
『???』
僕はさらに疑問が増えた。シークレットアチーブメントと言うものが何なのか?
逸脱能力とは何か?
ここまでは先刻もあった疑問だ。
次にEXスキルの【解析】と【考察】が無くなったのはなぜか?
しかも無くなっているのに僕はどうやって【解析】を使ったのか?
という疑問まで増えてしまった。
謎が謎を呼ぶということはまさにこのことだと思った。
使えるかは分からないが僕は手始めにシークレットアチーブメントを『解析』した。
~結果~
|シークレットアチーブメント
|世界で一人しか達成できない珍しいアチーブメント
|報酬は様々
問題無く『解析』することができた。
僕は解析結果を読み始めてすぐに目が留まった。
「世界で一人しか達成できない」どうやら僕はかなり珍しいアチーブメントを達成したようだ。
世界で一人しか達成できないということは、僕が一番に達成したということ。
少しラッキー♪と思いながら次に達成したシークレットアチーブメント〔汝を知れ〕を解析した。
~結果~
|シークレットアチーブメント〔汝を知れ〕
|条件:「汝を知れ」という言葉を知っている状態で
| 自身に【解析】を計100回使用する
|報酬:逸脱能力【哲学の父】
『????』
疑問が増えた。
その理由は獲得の条件の部分だ。
「「汝を知れ」という言葉を知っている状態」この部分だ。
「汝を知れ」は確かどこかの神殿の言葉だ。
確か昔読んだ本に書いてあった。
その本でこの言葉の意味は「人間について知りなさい」だったか、なぜ前世の世界の知識がこの世界で出てくる? それに報酬のスキルもそうだ。
【哲学の父】前世では有名だった大昔の哲学者の名前だ何故?
僕は頭の混乱を落ち着かせるのに数分の時間を要した。
落ち着かせただけで理由はもちろん見当もついていない。
この際、その事については置いておくとしよう。
次に獲得した報酬の逸脱能力【哲学の父】を解析することにした。
~結果~
|逸脱能力【哲学の父】
|機能
|解析、思考加速、無知の知
【解析】が無くなったと思ったらここにあったのか、獲得した逸脱能力の機能の中に無くなっていた『解析』を見つけた。
そして機能にもそれぞれ『解析』を使って効果を調べた。
『解析』・言わずもがな対象を解析する
『思考加速』・考える速さを伸ばして体感時間を長くする
『無知の知』・解析可能な対象の範囲を広げる
最後の無知の知はわかり難いがざっくり言えば【考察】の上位互換のようなものなのだろう。
最後に逸脱能力について『解析』を使う。
~結果~
|逸脱能力
|基本的に一人しか持つことのできない強力なスキル
この説明を読んでまず思ったこと、それは『基本的に一人しか持つことのできないってそりゃぁ獲得するためのシークレットアチーブメントが世界で一人しか達成できないのだからあたりまえだろう』ということだった。
ウィキペディアより
「汝を知れ」はデルポイのアポロン神殿の入口に刻まれたことばである。




