12話 100回条件
ドラゴンを食べ終わって、目の前にあったドラゴンの死骸は骨と鱗だけになった。
食べている最中に一つ自分の体の変化について気が付いたことがある。
それはこの体が一回り大きくなっただけではないことだ。
それは爪が種族進化前より鋭くなったことだ。
このおかげでドラゴンの鱗がスイスイと簡単に削げる。
でも『ウィンドカッター』の方が切れ味もいいし実践では使わないので肉を食べるときに使おう。
さて、ドラゴンのことや進化のことで忘れていたが僕はこの山の頂上を目指している。
そしてまだ山の中腹まで来ていないそしてこの山にいるドラゴンがあの1体だけとは考え難いし、例の虫のGは1匹居たら30匹いると考えろと言うからこの先にもいると考えた方がいいだろう。
しかも僕と戦ったドラゴンより強いドラゴンがいると――前世で聞いたことがある「上には上がいる」と、だから頂上にも強い魔物とかがいるはずだ。
上だけに。
自分自身でも笑いがおきないほどつまらないギャグを心の中でかましたところでこれからすることを考
えようこれから強い何かに会うかもしれない対抗するには強くならなければならないそこで僕は考えた。
アチーブメントを達成しようとだが、アチーブメントの条件なんて全く知らない前世では攻略サイトを見るだけで分かったというのに、だからこそ前世のゲーム知識を活用する。
僕の知識では100回何かをするとかの条件があったはずだ例えば100体のモンスターを倒すとか、そして僕は実際にこの世界にありそうな100回条件のアチーブメントを考えた。
100回条件って10回ゲームみたいだと思いながら考えた。
例えば100回、魔法を撃つ。
ゲームで言うMPが足りなくなるんじゃという懸念点があったが試した。
案の定、約30回目ほどで意識がもうろうとしだしたので諦めた。
次に考えたのは兎や猪を計100体倒すことだ。
こちらは100体どころか10体も見つけることができなかったのでまたもや断念した。
他にもいろいろな条件を考えて試した。
竜吐息を100回撃とうとした。
5回撃ったところで気絶してしまった。
なぜ意識がもうろうとしたり気絶するのか?
MPみたいなものを仮に魔力としよう。
おそらくだが、魔力が無くなると気絶する。
そして魔力の消費は『ウィンドカッター』より『竜吐息』の方が多く消費してしまう。
威力に見合った消費量だ。
そして魔力は時間経過と共に回復する。
魔力について考えてからすぐに魔力切れを100回起こすと言う条件も考えた。
魔力が切れると気絶して、無防備になるから止めておいた。
そして最後の望みで自分に【解析】を100回使うことを試すことにした。
これで何も無かったらアチーブメントは諦めてEXスキルを獲得しようと思っていた。
91回目の自分への【解析】をした時アナウンスが聞こえた。
スキルを獲得した時やアチーブメントを達成したときそれに種族を進化させたときにも聞こえたあのアナウンスだ。
一体どんなアチーブメントを達成したのかワクワクしながらそのアナウンスを聞いた。
〈シークレットアチーブメント〔汝を知れ〕を達成しました。
報酬として逸脱能力【哲学の父】を獲得しました〉
そのアナウンスを聞いて僕に生じた感情は喜びでは無かった。
その感情は『しいくれっとあちーぶめんとってなんだ?』という疑問の感情だった。
ソクラテスの話ってどれも面白いんですよね~




