11話 進化
ドラゴンに勝った。
ドラゴンの血が水たまりのようにたまっている。
ドラゴンは全く動かない。
接戦だった。
倒してしまったしもったいないのでドラゴンを食べることにする。
『多分美味しくないけどこのままここに捨てても倒したドラゴンに悪いし』
ガブッ!
僕は鱗を削いだ部分からかみついた。
〈条件を達成しました。種族を進化させます〉
ここでアナウンスが入った。
『種族の進化? なんのことだ?』
すると体が光って変形しだした。
そして光るのが終わると同時に体の変形も止まった。
少し体が大きくなった気がする。
もしかして種族に何か変化があるのかもしれない。
自分に【解析】を使う。
~結果~
|名前:なし
|種族:小竜
|スキル
|EX・飛行補助、空流感知、解析、考察、風圧、索敵、気配感知、衝撃耐性
| 動体視力、望遠、加速
|ユニーク・誘導、風使い、竜
|アチーブメント
|自滅のすすめ、風の申し子
種族が子竜から小竜に変わっている。
子から小に変わっているから進化しているのだろう。
そしてユニークスキル【竜】を獲得している。
なるほど、種族を進化して獲得するからアチーブメントが二つしかなかったのに三つもユニークスキルを持っていたのかと納得する。
だが進化したのになんで竜じゃなく小竜なのか小さいドラゴンだから間違ってはいないが少し腹が立つ。
それともさらに種族の進化先があるのだろうか。
『それよりもユニークスキル【竜】を【解析】!』
~結果~
|ユニークスキル【竜】
|機能
|竜覇気、竜吐息
僕の獲得した【竜】は倒したドラゴンの【竜】と同じ機能だった。
つまり、僕も『竜吐息』を撃つことができるということだ。
もしかしたら威力が落ちるかもしれないがそれでも攻撃手段が増えるのはうれしい。
早速、近くにある岩に放ってみる。
くぼみでもできてくれれば上出来だろう。
口の中でエネルギーを溜める。
そして口を開く。
『竜吐息!!』
『竜吐息』は一直線に岩へと向かい直撃する。
当たった部分は飴のように溶けて地面に流れ出している。
『竜吐息』は岩を溶かし円形の穴を開けた。
想像以上の威力だった。
『ウィンドカッター、短い間だったけどありがとう。まぁ、これからも使うけど』
そういえばまだドラゴンの肉を一口かじっただけだった。
味は言うまでもないけど一度食べると決めたし最後まで食べよう。




