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夢見た自由は遠すぎて  作者: 沢木キョウ
第二章 崩壊の後
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第一話 恐ろしいなにか

第一章ありがとうございました


そして第二章スタートです

この章はガッツリ推理する予定です

よろしくお願いします


今回は、生徒会の会話です


「まさか、あんなことになるとはな……。我々の予想は見事にはずれたと言えよう」


「想像以上の展開でしたね」


「ああ。どのような生徒を退学させるかの見当はついていたが、その後のクラス崩壊っぷりときたら、笑えて仕方ない」


「たしかにそうですね。あなたの目は全然笑っていませんけど」


「いや笑っているさ、心の底からな。あそこまで嫌われている中でのあの態度……全く以て不愉快だ」


「不愉快なのに笑っているんですか……」


「一周回って、というやつだ。彼には期待していたのだが……これは失望せざるを得ない結果になってしまった。ここからあのクラスが崩壊を免れるためには、彼自身が代表としての自覚を改めるか、代表をやめるしかないだろうが……後者は不可能だったな」


「そうですね。生徒会則により、クラス代表と副代表は生徒会が指定した生徒に行ってもらうことになっておりますので、急に代表をやめるというのは不可能です」


「ふむ……それを踏まえたうえで聞きたいのだが……()()()()()()を出したのは君か?」


「はい、そうです」


「では……なぜあのようなものを出した? もしあそこで彼がクラス代表をやめると答えても、それは叶わないはずだ。それなのに、なぜ……」


「…………」


「どうした、なぜ黙っている? 早く答えろ」


「…………申し訳ございません。少し驚いておりまして、言葉が出てきませんでした」


「驚く?」


「フフフッ……はい。あなたならきっと理解していると思っていたもので。では答えさせていただきます。なぜ、あの生徒会則を出したのか、でしたね」


「…………」


「そんなもの、面白いからに決まっているじゃないか」


「…………君はなにを言っているのだ?」


「なにって、あなたの問いに対して回答しただけです」


「そうではなく、君は、ただ自分の欲望のためにあの生徒会則を出したと……そう言っているのか?」


「そうです。あれを出したときの勇者様(笑)の顔………フフッ………目の前に落ちてきたクラス代表を奪取できる可能性に、なんの疑いもせずに縋ろうとする姿は……まさに甘いものに群がるアリの一匹のように滑稽でした……フフフッ…………今思い出しても笑えて仕方ない…………」


「…………」


「そしてなにより……彼の選択です!! あそこまで嫌われ、平凡を愛するはずの()のものがクラス代表を続けると言ったのですよ!!」


「…………」


「あのときの……彼のものの目は今でも忘れない………ハハッ………もっと見てほしい…………あの目を…………もっと見せつけてほしい!!!! 熱烈に!! 激しく!! もっと情熱的に!! そして知りたい!! 彼のものの感情を…………心のうちに秘めている恐ろしいなにかを!! アハハハハハハーー!! ハーハァハハハハハハ!!」


「…………」


「………今なにかありましたか?」


「いや、なにもなかった」


「そうでしたか。すみません、どのような会話をしていましたか?」


「いや、もう済んだ。今日はこれにて解散としようか」


「そう、ですか……わかりました。次のイベントはいつになるのでしょうか?」


「次は中間テストだ。そのときにまた生徒会則を出す予定だ。それが終わったらまた話し合おう」


「はい。では失礼します」


「…………」


次回は、次の日です

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