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推し 750字

最近、幼馴染の廉の様子がおかしい。

小さい頃から本を読むのが好きで、短編集を好んで読んでいた。私が漫画を読んでいても見向きもしなかった。何度か私が誘っても「えー…いいや」と言って読もうとしなかった。

読書好きで真面目な優等生。放課後には文芸部で作品づくりに勤しむ…そんな生徒だったはずだ。

だが最近、廉は漫画を読み漁っているようだ。休み時間はもちろん、授業中も机の下でこっそりと漫画を読んでいるらしい。先週それが先生に見つかって怒られたと聞いたが、今日もまた漫画を読んでいる。



廉の様子がおかしい。昼休みはずっと寝ているし、目元にはひどいクマができている。授業が終わると急いで家に帰るし。

友達に話すと「漫画を読んで推しでもできたんじゃない?」って。そうなのかな…



数日後、やっぱり心配になって、私は瑠花お姉ちゃんに相談してみた。

「廉くんの様子がおかしい?」

「うん…前は漫画なんて読まなかったのに、最近のめり込んでるみたいで…」

「…廉くんが読んでる漫画ってなに?」

「ワンピース。私も好きな漫画なんだけど…」

そう私が答えると、瑠花お姉ちゃんは少しため息をついて言った。

「まぁ…そこまで気にしなくて良いんじゃない?それはそうと、お風呂沸いてるから先に入っておいで」

「はーい」






「全く…凛は鈍いなぁ…」

凛がいなくなった部屋で1人、苦笑しながら呟く。

「廉くんの推しはその漫画じゃないし、そのキャラでもないんだろうけど…」

そう呟いて、1か月前…まさに「廉の様子がおかしくなった」その日のことに思いを馳せる。

凛の「推し」の漫画を聞かれて私が答える。それを廉は間違えないようにとしっかりとメモした。

「ありがとう!」と言って嬉しそうに走って行く廉の姿がフラッシュバックする。


「廉くんの推しは…廉くんの本当の推しにいつ気がつくかな」

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