遅すぎた選択 1000字
case.1 : 宵星 奏
僕は嘘をつくのが下手。だから人狼になると、間違いなく初日に吊られる。反面、市民陣営だとちゃんと信じてもらえる。市民陣営であることを祈って札を引く。
「werewolf / 人狼」
がっくりしそうになるのをなんとか抑え、平静を装う。
札を引いたのが最後だったので、すぐにゲームが始まる。
「私は村人」
「俺は占い。騎士は守って。あ、潜伏したままで」
占いCOが出た。どうしよう、対抗で出ようか…それとも…
「私は村」
「霊媒CO」
霊媒騙りもありか。
「村。そう君は?」
そら姉に聞かれて焦る。墓穴を掘らないように慎重に回答を選ぶ。
「…僕は村人」
「奏だな」
「これ、そう君人狼だね」
「うん、間違いないわ」
一瞬で見抜かれ、あっさり吊られる。
「ほんとに村人ならあんなに悩まないし」
そら姉にそう言われて気づく。どうやら、判断が遅れた時点で詰みだったようだ。
case.2 : 夜月 空音
(…やばいやばいやばい…!)
時計の針は10:04を指している。いつ試験終了を告げる鐘がなってもおかしくない。
(この答え書き直したいけど…このままでも部分点は入りそう…書き直してる途中で鐘がなったら部分点は入らない。でもちゃんと書き直せたら◯が貰えそう…)
焦って半ばパニックになりつつ思考を巡らせる。
(書き換えるのにかかる時間は7…いや8秒か。恐らくここの配点は…えーと3点かな?部分点は1のはず)
パニクる脳をなんとか御し、フル回転させる。
(ここまでかかった時間を考えると…残っている時間は最大で14秒…で、書き換えた時の期待値は…約1.29!書き換えたほうが得!)
そう結論を出し、消しゴムを手にとって素早く消す。
キーンコーンカーンコーン
私の前には…1つの書きかけの回答が残されていた。
そう、迷わずにすぐに書き換えていれば…充分間に合ったはずなのだ。
結論:
選択の遅さは時に、どちらを選択したときよりも後悔することになる。優柔不断は後悔を招く。
case.ex : ?? ??
「…で?なんでこんな中途半端な話を2つ書いたのさ。そもそもこういう形式書くの苦手だろ?」
「いやまぁ…そうなんだけどさ…」
「2つの話を並べて『結論:優柔不断は後悔を招く』ってなにさ。適当だよね?」
「今回のテーマ、いい話が浮かばなくてさ。思いついたネタは2つだけ。どっちにしようか迷ってたんだけどさ…気がついたら締切30分前。どっちかを選んで膨らませる時間なんて無かったんだよ」
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