表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/19

記憶 1000字

気が付くと、そこは薄暗い部屋だった。今までの記憶は、ない。思い出せない。

天井の明かりを頼りに部屋を見てみると、死体が1つ。腹に大きな穴があいている。ショッキングな光景に怯えながら出口を探す。部屋の隅に、登り階段があるのを見つけ、登る。


扉を開けるとそこは、壁に大量の本棚があり、床に紙と本が散乱する研究室だった。扉を閉めようとしてふと気づく。研究室側から見ると、扉は本棚がとりつけられていた。隠し扉になっていることに気づき、恐怖を覚える。何者かー恐らくあの死体を作った犯人で、この建物の主がーこの建物に自分を閉じ込めたのだと考えられたからだ。逃げなければ。そう思い、机の上に目をやると、いくつかの魔法具が目についた。ひどく既視感を感じる。思い出そうとするが、記憶に霧がかかったかのように思い出せない。だが、魔法具を使って魔法を使えば、必ず「代償」がある。そのリスクは取りたくない。そのままその部屋を去る。


いつここの主が現れるか分からないため、慎重に建物内を探索する。部屋に入るたびに、強い既視感を感じる。キメラが大量の檻の中に入れられて放置されている部屋を抜け、小部屋に入ると、脱出用なのだろう、転送方陣が組まれていた。近くに置かれていたメモの乱雑な字をなんとか解読すると、宝石を4つ、エネルギー源として配置すれば起動することがわかった。宝石がないかと、部屋を見回してみると、天井の明かりに宝石が使われていることに気が付いた。取り外して方陣においてみると、複雑な文様を描く方陣の線1本1本が微かに青白く光り始めた。別の部屋の明かりにも宝石が使われていて、残り2つ。研究室の棚の小箱に入っていたのを見つけて残り1つ。探しても見つからず、しばし悩んだ後、最初の死体があった部屋を探してみることにした。


天井の明かりに宝石が使われているのを見つけて、取り外そうとすると、足に何かが当たった。拾い上げてみると、銃の形をした魔道具だった。妙に手になじむその魔道具を調べてみると、グリップに「Memory Breaker」と刻まれていた。


見覚えのある部屋。

見覚えのある魔道具。

見覚えのある文字。


そうだ、この魔道具の代償は「記憶喪失」


それをきっかけに今まで思い出せなかった記憶の、とても濃い霧がどんどんと晴れていく。


そうだ、道理で犯人が建物のどこにもいないわけだ。


この人を殺した犯人は…この建物の持ち主は…



俺だったのだ。

よろしければブックマーク、下の星評価いただけると大変励みになります。


よろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ