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黄道を刻む二十四の時の詩

地を飾る星 天に燃ゆる星

作者: 日浦海里

川のせせらぎの音がして

辺りには月の光を身に受けた雪のように

淡い光が舞っている


風に揺れて

笹の葉が擦れて

川と合唱するように

さらさらと音を立てる


地上の星たちが愛を語り合う頃

夜空に流れる星の川縁では

神々の星たちが愛を語り合っているんだろう


耳鳴りのように響く虫達の声が

月光の下で奏でられているのを聞きながら

わたしは川辺の岩の上に寝転がる


陽ざしの君には悪いけど

彼がいないこの時間だけは

わたしも熱を失ってるから

こうして色んなものに触れても

平気でいられる


ただ一人でいるときだけが

たくさんの命の音を気兼ねなく受け止められる時間


ほんの少し


ほんの少しだけ


夜空に流れる星の川辺で

愛を育む二人のことが羨ましいと思うけど


二人の知らない地上の星に囲まれながら

せせらぎを子守歌にして眠ることができる幸せがあるなら

それでもいいって思うから


季節の向こうのその先にいる

決して出会うことの出来ない雪の姫のことを思いながら

目を閉じる


いつかほんの少しの時でも

一緒に過ごせることを夢見て


今日は小暑

夏至が過ぎ、太陽の勢いはますます強くなる季節。


旧暦の七夕はまだ先ですが、

今日は七夕でもあるため、

七夕にも絡めたお話にしました。


あ、でも、

この世界における夜空に流れる星の川辺で愛を育む二人が

有名なあの二人と同じかどうかはわかりません。



【登場人物紹介】

○夏姫

 空から照りつける光を熱と命に代える力を持ちます。

 陽射しの君や冬姫同様、

 自らに与えられた力を制御することは出来ません。

 その力は多くの命を育てることができますが

 時にその力が過剰となって、命を奪うこともあります。

 どうにかしたいと願ってもどうしようもない現状ならば

 少しでも今を受け入れていきたいと

 その一瞬一瞬を楽しもうとしているのが彼女です。

 誰かのためではないけれど

 みんなのために、と願いながら、

 彼女は今も踊り続けています。


 でも、今日は夜空を眺めながら小休止。

 夜は彼女が踊らずとも。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  気兼ねなくいられるのは一人のときだけ。  定められた役割の中、それでも喜びに目を向ける夏姫は、日々を精一杯楽しんでいるような気がします。  叶うことはない願いでも、思うことは自由、…
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