16.「光る君へ」(NHK大河ドラマ・2024)
この連載もすっかりご無沙汰ですみません。
んが!今年の大河ドラマ「光る君へ」がめちゃくちゃ面白く!
BSで18時から見て本放送で20時からもっかい見ているのですが(貴重な日曜夜がそれで終わるので作品進まねえ…)、異世界恋愛を書く上でめっちゃ参考になるところが多く、そういう観点からちょっと推していきたいと思うのです。
主人公は、
・貧乏学者のパパからがっつり漢籍学んで、頭はめちゃくちゃいいけどコミュ障のまひろ(後の紫式部/演:吉高由里子)。
・ぼへーとした三男坊でまひろラブだったんだけれど、源倫子 (ともこ)・明子女王と政略結婚し、兄2人が病没して最高権力者となった藤原道長(演:柄本佑)。
の二人。
幼馴染のこの二人、めっちゃ思い合っていて一度は思いを遂げるのだけれど、同じ藤原姓とはいえ道長は政権トップ藤原兼家の息子、まひろの父為時は下位貴族で無職。
異世界恋愛で言えば、道長は筆頭公爵の息子、まひろは超貧乏男爵家、なんなら騎士爵くらいの感じですかね。
妾になることはギリできるけれど、それはまひろがつらすぎて無理ということで、やっぱり別れるしかなく別れはしたのですが、ずっとお互い忘れられずというところで、もだもだが大発生!
ここまで恋愛がメインの大河ドラマって今まであったのか??と思うんですが、以下オススメポイントなぞ…
<異世界恋愛書きにオススメのポイント>
(1)道長のイケメン貴公子しぐさ
今は20話が終わったところで、まひろと道長はどうにもならんということで別れて久しく、たまーにお互いの消息を聞くこともあるかも…くらいの感じなのですが。
・まひろが友達と石山寺に参詣に行って、『蜻蛉日記』の作者(藤原道綱母・道長パパの妾の一人)や道綱とたまたま出会い、道綱がまひろに夜這いをかけたんだけど、まひろと間違えて友達のとこにいっちゃってあひゃ!?てなるのですが、その話を道綱から聞いた時の道長、「石山寺でまひろっていい女に会って、夜這いかけたんだけど〜」まで聞いて、めっちゃ殺気漏らす。誤爆で終わった(テヘ)ってオチを聞いて、めちゃめちゃ脱力。
・まひろが、漢籍つながりで知り合ったききょう(清少納言/演:ファーストサマーウイカ)に連れられて中宮定子の元に参内し、たまったまそこに一条帝来ちゃうという事案が発生するのですが、そのときのことを帝に聞かされて大動揺。
いいですねいいですねいいですね!!
離れていても、思いはまひろにあるという柄本佑さんの演技めっちゃいいです!!
一方、まひろが悲田院(慈善病院)で疫病にかかって倒れたときは、たまったま視察に来ていた道長が抱き止め、まひろんちに送っていき、一晩みずから看病!
素晴らしいイケメン貴公子っぷりでございます。
あと、まひろとやっぱり別れるしかないってなって、どうなってもいいや的な状態で政略結婚の相手、倫子様のところに行ってしまい、速攻倫子様に押し倒され、「あ?やべ?思うてたんと違う?」てなってる道長は本当に素晴らしかったです!!
凛々しい殿方が受け受けしさを見せる瞬間、いいですよね!!(圧)
(2)道長の嫡妻・源倫子(演:黒木華)のお嬢様感
はい。ついつい「様」をつけてしまう倫子様でございます。
倫子様は帝の血を引き、広大な屋敷を父から受け継いだ超お嬢様。
貧しいとはいえ教養のあるまひろは、倫子様のご令嬢サロンに参加させてもらうことになったりするのですが、なにしをコミュ障なので、まぁまぁ色々やらかすところを、おっとりと、空気を和らげつつ受け止めるお嬢様っぽさがたまらんです。コミュ強すぎる。
一方、打毬(ポロ競技)観戦で道長ラブとなり、山ほど来る求愛を全スルーして、道長パパが屋敷に来たときに猫ちゃんおっかけてさりげに姿を見せるとか、最後は渋る倫子様パパを泣き落としで詰めるとか肉食にして策士なところもあり。
結婚してからは、あくまで夫道長に添おうとする良妻賢母の極み…なのですが(それでも、もう一人の妻である明子女王が流産した時はいらんこと言うてしもうておりましたが、まだ若いからね…)、まぁまぁまぁまぁそれだけで終わるはずがなく。
夫の心には、自分でも明子女王でもない別の女がいると悟ったときに、倫子様が高笑いする場面、居合わせた恋愛スキルストップ高な赤染衛門(演:凰稀かなめ)が固まってたくらい怖かったです…
ていうか、おほほほほ笑いって、普通はやらないし、やってもギャグになるのに、さらっとやってた黒木華さんマジ凄かった。
たぶんどっかでまひろと道長の関係に気づくだろうというか、もしかして前話で気づいたのかも?という感じもあったりしたんですが、今後の倫子様から目が離せません!
(3)道長の姉・東三条院詮子(演:吉田羊)がわりと悪役令嬢
道長ん家がどうしてそんなに偉いのかといえば、道長の姉・詮子が円融天皇に入内し、唯一の皇子を産んだから。
んが、円融帝はぐいぐい来る兼家を嫌い、ぶっちゃけ死なない程度になんか盛られていたこともあって詮子を嫌います。もはやリアル「お前を愛することはない(ガチで)」。
で、詮子は帝を慕っていたので、父兼家にガチギレ。
兼家、兼家のやり方を踏襲する兄道隆も忌み嫌い、弟の道長を激推しします。
道長は既に最高権力者となったのですが、道隆没後もちょろちょろうるさい道隆の息子伊周・隆家を排除すべく、えぐい感じに策謀を巡らせるとか、まさに悪役令嬢 (本来の意味で)!
ちゅうか、兼家のやり方を一番巧く受け継いだのが詮子感あります。
ちなみに息子の一条帝(演:塩野瑛久)、ビジュアル的には圧倒的に「光源氏」のイメージそのものでしゅごいです。
もちろん、ヒロイン・まひろも本当に細やかな演技でマジで凄く、濃すぎて40分が20分くらいにしか感じられない脚本の妙も半端ないのですが、異世界恋愛書きにオススメしたいポイントとしては、まずは以上3点ということで、よろしくご査収ください!
ちなみに、BL好きな人には道長を激推しし続ける藤原行成(作中でも周囲に好きバレしててからかわれてるレベル/史実でも超道長推しで同日に亡くなってます。演:渡辺大知)オススメです。
その他平安中期の有名キャラで言うと、徹夜続きのサーバー管理者感漂う安倍晴明(演:ユースケ・サンタマリア)、悲劇の中宮・定子(演:高畑充希)、はまり役過ぎて怖いレベルに来ている清少納言、黒光る君こと藤原実資(演:ロバート秋山)などなどなどオススメキャラが尽きず…あーあとまひろの従者の乙丸(演:矢部太郎)も激かわでございます。
とりま、タイトルロールが大河ドラマとは思えない、上品なエロティックさもある素晴らしい出来ですので、冒頭だけでも!!
ロマン派っぽいピアノコンチェルトっぽい感じなのですが、ピアノは反田恭平(2021年ショパン・コンクール2位)でくっそ華麗です!
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2024/5/26(第21回視聴後)追記
帝から太宰府行けー!って命令でたのに、そんなのやだやだでまさかの仰向け寝っ転がり地団駄までした伊周を見てて、こんな往生際悪いキャラみんの初めてなんだけど、なんか既視感あるな…と思って、あ!婚約破棄とかかましてくるクズ貴公子だ!!ってなりました。
いつか伊周みたいなクズ貴公子書いてみたい…\(^o^)/




