私のエッセイ~第八十七弾:多言語学習雑記(その8)~ 字幕なしで映画を観られるようになる訓練法
(※) 今回も、お優しい先輩方より、貴重な「誤字脱字報告」をいただきました。あらためて、感謝申し上げます。ありがとうございました。 m(_ _)m
できるだけ、私本人もマメに読み返してみて、気づいた箇所につきましては、そのつど直していきますね。
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皆さん、おはこんばんちわ!お元気ですか・・・?
本日は、予告しておりました「各論エッセイ」の前に、また英語の話に、いったん戻りますね。
以前、ここのユーザーの先輩のおひとりの、或る方から頂きました、ご感想の中で、「英語でしゃべっている映画を、字幕なしで観ることができたらなぁ・・・」という主旨のお話を頂きました。
私自身、このような「多言語学習エッセイ」なんぞを、堂々と出しておる手前、そういった貴重な、興味深いネタを提供していただきながら、それを黙って放置しているのもいかがなものか・・・そのように考えまして、急遽、この企画を立ち上げた次第であります。
とはいえ、英語以外の言語につきましては、以前からしつこくお話しておりますように、まだまだ「基礎文法の完全理解」の段階にとどまっておりまして・・・今後、各言語とも、本格的な「語彙暗記」「例文暗唱による、短文テンプレートの脳への格納・さらなる肉体化」という、いわば「本丸」を攻め落とす作業に身を投じる段階に入っていくわけなんでございます。
この「字幕なしでの英語での映画鑑賞」につきましては、私のレベルというものは、それほど高くはありません。
とはいえ、映画「ロッキー」「シャイニング」「ウエストワールド」「未来世界」「サスペリア」といった大御所の基本的名作につきましては・・・細かい「早口での口語スラング」「個人の特有の言い回し」以外の基礎的な会話の部分では、大筋は外さず、普通に聴き取れるレベルではあります。
こういった、いわば「映画のリスニング能力」において、私が最終目標としておりますのが、敬愛する大好きな俳優、「アンソニー・ホプキンス先生」主演の、映画「羊たちの沈黙」「ハンニバル」「日の名残り」といった、彼の知性の高さを物語るような、落ち着いた、格調高い口語表現なんです。
正直、映画を「字幕なしで」・・・というのは、皆さんもよくご承知のように、なかなか容易ではありません。
まず第一に、その映画の中で話されています「語彙」・・・すなわち、登場人物がしゃべっている会話文中の「単語」「熟語」といった、いわば、「文章を構成する材料部分」が聞き取れなくては、お話になりません。
ですので、まずは、この「単語」「熟語」というものを、徹底的に暗記し、鍛え、自らも使いこなせる「血肉」として、インプットしていただきたいんであります。
と言いますのはね・・・ごく当たり前のコンコンチキの事項なんでございますが、「知らない単語は聞き取れない」んですヨ。
これは、外国語に限らず、皆さんも私も普段から使っている「日本語」でも同じです。
たとえば、明治時代の文学でよく使われておりました、「畢竟= 意味:つまるところ。結局。」「鷹揚な=意味:ゆったりしていて、小事にこだわらないこと。」などという、極めて難解な単語を耳にした場合、これらを聞き手がもともと知らなかったときには、まず、日本語の生きた意味のある単語として聞き取れず、外国語の単語のように、意味の無い「雑音」として、脳に認識されずに「スルー」されてしまいます。
このように、ふだん、当たり前のように私たちが使っている日本語でさえ、「知らない単語は聞き取れない」んです。
とはいうものの、英単語というものは、以前どこかでお話したと思いますが・・・他の言語と比較してみても、「やたら数が多いッ!」、ということなんですなぁ。
しかしながら、たとえ数がそこそこだったと仮定しても・・・やはり、ある程度絞って暗記しないと、いつまでたっても「終わり」が見えてこず、単語暗記そのものが嫌になり、結局、ロクに暗記できないまま、投げ出して、あきらめてしまう・・・このような語学仲間を、私は何人も見てまいりました。
彼らは、もともと「読解力そのもの」は、東大受験者もいたくらいですから、一般の水準をはるかに超えていました。
しかし、その「語彙レベル」にいたっては、泣きたいほどお粗末なもので・・・「あのさぁ、もっと単語暗記してみたらどうよ・・・?」という、彼らより低レベルの私からのアドバイスなんか、チャンチャラおかしくってまったく聞かず・・・いまだに「読解力一本・文脈からの単語類推」などといういわば、「イノシシ突進法」のむなしい努力を続けておりますね・・・勝手にやれば?
あのぅ・・・「文脈から単語を類推する」とよく言いますけどね、これが許されるのは、或る程度「語彙力」を持った連中に限られるんですヨ。
文中の単語がほとんどわかんない「五里霧中」の状態なのに、いったい、どうやって、周りの単語を「類推する」って、いうんでしょうかね??
きっとこういうのを、「ブラックジョーク」っていうんでしょうね(苦笑)。
・・・さて、長くなりましたが、ここまでが「仕込み」で、これからが本格的なお話になります。
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「字幕なしで映画を観る」・・・実際、すでにできる方もおられることとは思いますが、まず第一にいえることは、「全部、こまかく聞き取れなくてもいい!」ってことなんです。
いわゆる「通訳業」に従事しておられる、あるいは[字幕翻訳を手がける」というのでもなければ、映画鑑賞と言う点におきましては、「八割聴き取れる」・・・これを目指していただきたいんであります。
日本語での「会話」においてもですね・・・実は私たちは、100%、相手の話す文章を、一字一句聴き取っているわけではありません。
めんどくさい部分、よく聞き取れなかった部分というのは、「類推」して、脳が欠落した部分をうまく「おぎないながら」リスニングをしております。
なぜこんな「芸当」ができるかっていいますとね、それはもちろん、あたいたちが、話す相方の文章に含まれる「単語」「熟語」を、あらかじめ脳みその中に「最低八割は、格納している」から、なんですよね、言うまでもなく。
皆さんには、ご自身がお気に入りの映画なりアニメがあることと思いますが・・・せっかくですから、この「慣れ親しんだ教材」を、フル活用しましょうよ。
作品によっては、あるいは場面によっては、そのシーンに登場する、大好きなキャラのセリフを、何も見ないで正確に再現して人前でしゃべって見せられる・・・こんな優秀な方もいらっしゃることと思います。
DVDやブルーレイでは、作品にもよりますが、まず、字幕や吹き替え音声などが標準装備されておることが多いので、これを積極的に使おうではありませんか。
まずは、自分の一番好きなシーンから挑戦してみましょう。
最初に、その場面の日本語で書かれた「字幕」を完全に暗記します。
これは、字幕翻訳者が書かれた、いわば「意訳」でありまして、あまり題材には向かないんでありますが・・・とにかく、これを暗記してください。
次に、その字幕の部分の実際に話されている「原音」の字幕を表示させ、これを、メモ帳なり、ノートなりに「記録」します。
そして、その文章の「構文」「構造」を理解し(場合によっては、文法書が必要になるでしょうね)、これを、一文でいいから、徹底的に「暗唱」し、自分のものにしてください。
そしたら次に、字幕表示なしでその映画を視聴し、さきほど暗唱したセリフの部分を、ノートなりに書き取ります。
・・・書き取れましたか?
字幕でだいたいの意味を理解し、ノートに書いた外国語の文章の構造、中で使われている、細かい、個々の単語部分を正確に理解し・・・これを何も見ないでノートに書き取れる・・・まさにコレ。これですよ。
こういった訓練を、あなたの好きなジャンルの映画なりアニメで続けていきますとね、自分が好きな類の映像を観るために必要な構文・語彙の「レベルや分量」というものが自然に分かってきましてね・・・「そうか!俺は(あたしは)、このくらいやればいいのか!!」って、おのずと分かってくると思うんですね。
あとは、お気づきとは思いますが・・・このように「字幕なしで映画を観る」という良い結果を得るために欠かせない、地道な訓練の一つが、「ディクテーション」、すなわち「書き取り」の武者修行なんです。
この訓練は・・・実は、「英会話」なんかの訓練でも、絶大な威力を発揮します。
以前の英語エッセイの中で、暗唱に適した教材をいくつか紹介しましたが・・・あれはCDも付属しておりますから、ただ「暗唱用教材」として使うのみならず、実は、「ディクテーション及びシャドーイング用教材」「聴き取り専用訓練教材」として・・・多彩な使い方があります。
なお、「シャドーイング」というのは、流れてくる音声、あるいは、TVなどで人がしゃべっている音声のあとに、文字通り「影」のように、音声の「すぐあとに続いてしゃべるボイストレーニング」のことでして、通訳の方なんかが、積極的に普段から取り入れている訓練法ですね。
「同時通訳」なんかでは、欠かせない技術ですもんね。
ちょいと意味合いがちがいますが、歌の合唱における「輪唱」みたいなもんですかね。
ここで、私の「単語記憶法」について紹介したいと思います。
ご存じの方もおられるとは思いますが・・・私は、今現在、数多くの言語を同時多発的に学ぶ、いわゆる「多言語学習者」であります。
文字・読み・基礎文法の理解・・・こういった基礎訓練をなんとか終えた私の前方に立ちはだかり、待ち構えておるのが、「無数の単語・熟語の暗記」「覚えるべきテンプレートの短文暗記」・・・これなんであります。
この訓練は、語学を志す同志の方なら痛いほど分かってくださっているとは思いますが・・・学習に最後まで、いや、死ぬまで付きまとう、いわば「宿命」のようなものです。
どんなに語学レベルが上がったとしても、それが外国語である以上、「知らない単語」「知らない言い回し」というものが、常につきまといます。最後の最後まで・・・。
しかし、一見「終わりがない」ように見える語学学習にも、各個人が設定する「ゴールはある」んですね。
あれれれ??
いつのまにか、また脱線してるし。
話を戻しますね。
私の記憶法は・・・ズバリ! 「画面記憶法」あるいは「レイアウト記憶法」でっす。
はぁ????? なんや、ソレ??
聞いたことないっすよねぇ・・・。
そりゃそうよ。あたいが名づけたんだもん❤️
私は、単語集なんかの、バラバラに紙面に羅列されてる単語を覚えていく際、次のようにしています。
「その単語が書かれている大体の位置を覚える」・・・これですよ。
たとえば、そのお目当ての単語が、両開きの左のページの真ん中らへんに印刷されていたとします。
集中してがんばってその単語を暗記しておりますとね・・・アーラ不思議! 目を閉じたときに、その単語が書かれた見開きの本の左のページの真ん中らへんに、その単語の「だいたいの様子」が浮かんでくるじゃないのっ!
次は、右のページの右上あたりに印刷された単語で、おんなじことやってみて❤️
今度は、右のページの右上らへんに、次に暗記した単語の形が浮かんでこなぁい・・・?
こうゆーふーにね、見開きのページに、いわば「目印」っちゅーのか、「チェックポイント」みたいに、頭の中に記録していくんですよ。
そうしますとね、そこに書かれた単語の周辺の単語まで、しまいには連想できるようになっちゃいます。
これはね、何も語学書に限ったことじゃありません。
たとえば皆さんだって、大好きな漫画ってあると思うんですが・・・その中でも、特に好きなシーンって、そのシーンが描かれた「コマの大きさ」「キャラの姿」「描かれた大体の位置」まで、浮かんできませんか・・・?
要はですね・・・これを私は、語学書に応用してるだけなんですヨ。エラそうに書いちゃっておりますけどね(苦笑)。
だから、基本的に、どなたでもやれる記憶法なんです。
ただね・・・この記憶法は、文字通り「レイアウトで記憶する」ものなので、「単語カード」などのバラバラの情報でダイレクトに暗記するのを好む方、あるいは、レポート用紙などに、単語集から書き写して覚えるのが好きな方には使えない技よね。
(※) あとね・・・中学校の英語の教科書を思い出していただきたいんでありますが・・・教科書のそこかしこに、「挿絵」があったと思うんです。
実はこれもですね、特に「例文暗記」においては、記憶を助けるだけでなく、想起・・・つまり、格納された記憶を、脳のハードディスクの奥底から引っ張ってくるための、強力な「助っ人」になってくれるんですわ。
とりわけ、そういった印象に残る挿絵の真下や真横に印刷された文章はですね、すんごく「思い出しやすい文章」になる傾向が強いです。
私たち人間が、コンピューターに勝てる唯一の要素といえば、この「ネットワーク的な記憶・想起法」といえます。
つまり、「芋づる式に」思い出すっちゅーのが、私たち人間は、得意中の得意なんですヨ。
逆にいえば、コンピューターは、個々バラバラの情報を暗記するのは得意中の得意なんですが・・・私たちのような「関連付け記憶・想起」が大の苦手なんですねぇ。
余談になりますが、皆さんは、こんな経験はありませんか・・・?
音楽CDなんかを聴く際、お気に入りの、それこそ「耳タコ状態」でアルバムを聴いていますと、曲順なんか特に意識もしていなかったのに、曲の終わりごろになると、次にかかる曲のイントロ部分がなんとなく浮かんできて、聴いてみたら、「ほら、当たったぜ!!」みたいな経験が。
調子がいいときなんかは、今聴いている曲の冒頭あたり聴いたときに、もう次の曲が頭に浮かんでくる・・・なんて、ご経験が。
人間には、まだまだ、こういった「未知の能力」が、どの人にも隠されていて、脳科学の最先端の分野でも、解明されていない謎だらけの神秘に満ちておるんですから・・・そういった、私たち人間に秘められた、コンピューターやAI顔負けの秘めた力を、無機質な機械どもに見せつけてあげましょうよ、このさい。
ねっ❤️
・・・このように、語学に限らず、何かを覚えたり、実際に運用できるようにするためには、「使えそうなものは、とりあえず何でも使ってみるッ!!」 ・・・このような姿勢が大切なのではないのかなと。
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最後に、私がおすすめする単語集を、追加書籍も含めて、あらためてここに掲載しておきます。
ここまでの駄文・長文にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。 m(_ _)m
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1.『ジーニアス 英単語2500』(大修館書店)
→ 「ジーニアス英単語・英熟語編集委員会 | 2003/2/1」のやつです。
2.『ジーニアス 英熟語1000』(大修館書店)
→ 「ジーニアス英単語・英熟語編集委員会 | 2001/2/1」のやつです。.
3.『英単語こうすれば速く覚えられる! 【CD付き】 単行本 – 2009/10/29』(日本実業出版社)
・・・この『英単語こうすれば速く覚えられる! 』という単語集なんですが・・・私の三人目の「語学学習の師匠」であります、「池田和弘先生」が書かれた、画期的な書籍です。中身を読んでいただければお分かりになるはずですが、「日本語の文章の中に英単語を混ぜて暗記する」というスタイルになっておりますね。
これは、あの『DUO 3.0 単行本 – 2000/3/15』(アイシーピー )なんかも、同じコンセプトなんでありますが・・・池田先生の書籍とちがい、こちらは、「英文の短い例文の中に英単語を混ぜる」・・・ここの部分のちがいですね。
でわ、またねー❤️
みなしゃんが嫌がってもぉ・・・あたいのあちゅいキッスを、ア・ゲ・ル。
ちゅっ❤️