表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/47

第31食目:焼き魚食べ放題

ジュブグランは殺し屋だ。

60になるまで、人を殺し続けた。

戦争にも参加した。


だから、戦争の悲惨さも見続けていた。

だが、これは、別格だった。


「アハハハハハハハ!!!!!バカどもが!!!!母様の仇だ!!!!!!思い知れ!!!!!母様の痛みを思い知れ!!!!」

高笑うルピア。


鮮血の王座。

龍族のチャズビリスは、その城の兵士を皆殺しにし、王族を拷問にかけていた。

泣き叫ぶ声もあるが、それ以上に、あまりにも悲惨な光景に皆が絶句している。


その城は地獄と化していた。


その様子を平然と見ていたフェルライン

「ルピアは霊媒体質って聞いたんだけど、母親が乗り移っているのではないの?」


「違う。ルピアの霊媒体質はな、怨みだけが乗り移るんだ。だから、スティアナの時も、自意識はあくまでもルピアなんだ」

「へえ。で、その怨みが晴れるまでああだと」


高笑いを続けるルピア。

並みの人間ならば、例え仇でも、絶句して言葉も出なくなる光景なのだが。


「王族としてなにも為してないのに、他人の妻を犯して、もみ消しだけ一生懸命するクズどもだ。同情の余地など皆無だが」

ジュブグランは顔をしかめる。


「まあ、チャズが飽きるまで時間かかるわよ。食事にしない?」

「……本当に、お前はヤバい奴だよ。心からな」

ジュブグランは食事を広げるフェルラインに、呆れた言葉をかけた。

=====================



「お世話になりました」

エールミケアさんに頭を下げる。

「あ、あと一個行くとこ増えたんだよ。アラニアに戻るから」

「エウロバさんです?」

「そうそう。呼んでるんだって」


エールミケアさんと転移で戻る。

しかし、転移石って高いと思うんですけど。

バカスカ使いますね。龍族の皆さん。


「ミル!お帰り!」

嬉しそうにエウロバさんが抱きついてくる。

「ただいまです。どうされましたか?」

「わたし、婚約したんだ」


「まあ、おめでとうございます。相手はマヤノリザさん、でしたっけ?敵の公王。婚姻関係で縛るおつもりですか」

「そうそう。まあ、私は女好きだし、あっちは妹好きだから、偽装婚約だけどね」


あ、後ろでエールミケアさんが頭抱えてる。


「エウロバさん!?マジで!?」

「昼間転移で会いに行ったの」

「マヤノリザは受けたんですか!?」

「さあ?ミルはどう思う?」


「受けるでしょうね。ただ、ヤバいという妹さんがどう判断するかですが」

「ああ、あいつを追放するのが条件だって伝えてある」

「なるほどー。因みに、強力な公国か、皇族に男性機能が不具の人います?」

「ああ!そいつに押し付けるってこと?」


「皇族にそういう人いるならば、そいつに嫁がせますね。監視のために新都に行く気でしょうし、私なら皇族を選びます」


エールミケアさんは顔を真っ青にして

「い、いる!男性機能云々じゃないけど!動けない!喋れない方が!」

「ディルハウエルか!?なるほど!それは最高だな!」

エウロバさんはケラケラ笑う。


「お似合いではないか!あのビッチには白痴がお似合いだ!」


「……時代早いなぁ。ついていけないよ、私には。ごめんね、ミル。私一回龍姫様にご報告するから。帰るの明日でもいい?」

「はいです!」

「このお城に泊まれ。豪華な晩御飯を食べよう」

エウロバさんに手を引かれて、部屋に向かった。

=====================



「いやー!私、王様で良かったわ!!!」

オーディルビスの新王、タチアナは、焼いた魚を丸かじりしながら腰を振っていた。


周りには半裸の美しい少女たち。

そして、その下には

「むーーー!!!むー!!!!」

少年が拘束されていた。


「ほら、ちゃんと動きなさいよ。バディレス。あんたに聞きたいことなんて実際ないの。犯人もう分かっちゃったしね。神教のクレンジでしょ?なので、あなたの役割は私の性処理。分かった?」

その言葉にケラケラ笑う少女たち。


「旨いもの食べ放題!セッ○スし放題!いやー!聖女様とバディレスに感謝だよ!私、絶対こっちがいいわ」

そう言って近くにいた少女とキスをするタチアナ。


「あーあ。ミルティアも呼びたかったなぁ。あの娘、好みの顔してたし。頭いいし。食べ物もメッチャ美味しそうに解説してくれたしなぁ」


タチアナは腰を振りながら、魚を食べ続ける。

「ミルティアですか。頭良かったのですか?」

学園から連れてきた少女が不思議そうにクビを傾げる。


「天才だよ。あの娘。多分後宮の主の補佐かなんかで呼ばれたんだろうね。末は宰相かな?」


タチアナは、誘ったときのミルティアの態度が引っかかっていたのだ。


後宮の惨状に顔色一つ変えなかった。

つまり

「自分は後宮に入らないと知っているんだ、あれは」


だとすれば、後宮の主のルピアにくっつけた意味が分かる。


「宰相ならまた会えるか。うちの宰相もやってくれないかなぁ」

タチアナは楽しそうに食事をしながら、バディレスを犯し続けていた。

=====================



宰相ヒルハレイズは、聖女に跪いていた。

「ルピアの祓いは最終段階です。ミルティアも帰ってきます」

「そう。いよいよね。流石に怖いわ。転生はいつも怖いけど、今回は別格」


苦笑いする聖女。


「聖女様、今からでも候補は……」

「無理よ。ヒルハレイズ。賽は投げられた。私たちは、もう目が出るのを待つだけ」

聖女は溜め息をつくと


「長い、長い、人生だわ。この転生法も限界かも知れない」

スッと背筋を伸ばす。


「でもね、私はミルティアの天才的な頭脳と強烈な意志を上回る。私がミルティアを支配する」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] うーんさすがやチャズ…… そして相変わらず事象とか指針の切り離しがひでぇフェルw 頭良い人だけの世界って本当に話早い。 言うてもそんな人は一欠片だし、まして才能が噛み合うところにいるかは別…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ